原嘉孝さんと高田翔さんが、お互いの印象を明かしました。
演出家・野坂実さんが世界中のミステリー作品から秀逸な作品を選び出し、舞台化していくプロジェクト“ノサカラボ”の最新公演「罠」が10月22日(土)から上演。10月11日にオンライン取材会が開催され、主演の原さんと共演の高田さんが出席しました。
プロジェクト“ノサカラボ”は、これまで「シャーロック・ホームズ」(2021年8月上演)、「アルセーヌ・ルパン」(2022年5月上演)などの朗読劇を展開。満を持しての長編舞台となる「罠」は、フランスの劇作家ロベール・トマが1960年に書き下ろした傑作ミステリーです。
新婚3ヵ月で新妻のエリザベートが失踪したダニエルは、クァンタン警部に捜査を依頼しますが、手掛かりは見つからず憔悴。そんなとき、マクシマン神父に付き添われてエリザベートが戻ってきますが、まったくの別人で思いがけない成り行きに警部は困惑し、捜査は混乱します。しかし、看護婦や絵描きなどエリザベート側の証人が次々に現れ、ダニエルは次第に追い込まれていき…。
わずか6名の男女が繰り広げる張り詰めた応酬、二転三転する捜査、そして衝撃のラストを描きます。
原嘉孝、演じる役は「周りに振り回される、体力のいる役」
原さんは演じるダニエルについて「周りに振り回される、体力のいる役」と言い、「周りがつく嘘を正したり、翻弄されたりしながら物語が進むので、お客さんは僕を起点として物語を見ていくのかなと思います」と説明。
また出演が決まった時の心境を聞かれ、「ミステリーは初めて。ただ単に役を演じることにプラスして、お客さんの目線に立ち、このシーンではこう見せたいなど、シーンごとの役割をキャストと演出家で共有していくことが大切になってくる作品なのかなと思いましたし、そこは課題ですね」としみじみと明かします。
高田さんはマクシマン神父役を演じますが、「とても難しい役だなと思います。日本だと、神父を身近に感じることってほぼない。そこは今回の課題」と口にし、「作品の中で神父が出てくると、絶対にいい人か悪い人かどっちかみたいなイメージが僕の中ではあって、基本怪しい存在。所作など、一つひとつの動きを緻密に計算してやらないと、お客さんに『あれ、なんで今そういう動きしたの?』と思わせてしまう。本筋から外れてしまうのが怖いと思いながら演じてますね。役の軸がまだ定まってないです」と吐露しました。
高田翔「心の中にある1%ぐらいのミーハー心がどんどん大きくなっちゃう」
今作には、麻央侑希さん、横島亘さん、釈由美子さん、的場浩司さんが出演。原さんは「僕は稽古が始まる45分前に入りますが、兄貴の的場さんが毎回すでに通し稽古やっていて。稽古が大好きらしいんですけど、本当にすごいなぁと思っています。兄貴が(この舞台を)引っ張ってくれてる感じです」と的場さんの印象を告白。
釈さんについては、高田さんが「ちょっとドキドキしています」と明かし、原さんも「世代だもんな」と同意。さらに高田さんは「本当はダメなんですけど、僕の心の中にある1%ぐらいのミーハー心がどんどん大きくなっちゃうんで、本当に失礼のないようにお話はさせてもらってます」と打ち明けると、原さんも「わかるわ~」としみじみと明かしていました。
そんな先輩役者陣の中、原さんは座長を務めますが、心がけていることを聞かれると、「いつも通りです」と言い、「稽古場は、みんな和気あいあいとしていて。兄貴も引っ張ってくれるし、皆さん仲がいいです。お水だけ差し入れましました。基本、作品と向き合うだけですね」と謙遜気味。
するとそんな原さんに対して、高田さんが「やっぱり座長。一番大変なのに、大変そうな姿を見せないのはさすがだと思います」と賛辞を贈りますが、原さんは「めちゃくちゃ見せてますよ。休憩の時、みんなはワイワイしてるけど、俺はずっとセリフに追われていて、みんなの輪に入れなくて申し訳ないなと思います」と恐縮しました。
原嘉孝、高田翔の最初の印象は「怖かった」
原さんと高田さんは、今年2月から「Endless SHOCK -Eternal-」「Endless SHOCK」と共演が続いていますが、高田さんは「この作品の話を聞いた時は、今年ずっと原ちゃんと一緒にいるなって思いました。この作品で『Endless SHOCK』とは違った原ちゃんを見ることができて、僕はすごいうれしい」とニッコリ。
「Endless SHOCK」の開幕前に本作の読み合わせもしていたそうで、原さんは「ジュニアの子やふぉ~ゆ~さんに手伝ってもらってやってました」とエピソードを打ち明けるも、「ふぉ~ゆ~さんはふざけるので、あまり稽古にならなかったです。越岡(裕貴)さんとか!」と不満をこぼし、高田さんを笑わせました。
お互いの印象の変化を問われると、原さんは高田さんについて「最初は怖かったです。今もそうなんですけど、何を考えてるのか、分からないんですよ。言葉に感情がのってない。ダークなんです」とぶっちゃけ、高田さんは爆笑しながらも「ダークな部分が多いのは、自分でも分かっています」とコメント。しかし、原さんは「それがこの人なんだって認めちゃえば、全然怖くなくて。今は信頼できる仲間です」と笑顔を見せました。
一方、高田さんは原さんの印象を「すごい元気、体力がすごい」と回答しつつも「意外と静か」と表現。「そういう面も見せてくれるようになって。人の前で盛り上げてる感じではあるけど、裏でボソッと『きつい』と言うこともある。俺もそういうのを口にする人だから、共有してました。お互い心の本音を言い合える仲になりましたね」と打ち明けました。
また、2人はお互いの俳優としての魅力も告白。原さんは高田さんの印象を「本格的にがっつり芝居するのは今回初めて。今回、本読み後の立稽古と、その数日後の稽古がガラッと変わっていたんです。家で役を落とし込んで稽古場に来てくれるから、そこから僕も受け取れることがあり、すごくやりやすいです」と語ります。
高田さんは、原さんの役者としての魅力を「原ちゃん自身が持っているパワー、心の躍動感が、すごく舞台で生き生きと出る。『あの人いいな』と見ちゃう役者さんという感じがします。僕は生き生きさがそこまでないので、すごい羨ましい」と表現。
すると、原さんが「それで言うと、ダークな人なんで、それが今回の役に合ってる。神父のニヤリが怖くて、この人だから出せる雰囲気。ずっと神父をやったらどうですか?」と提案し、高田さんは「嫌だよ!」と即拒否していました。
高田翔「うちの事務所で舞台をメインに活動している人たちに見に来てほしい」
最後に、原さんが「展開が多く、誰が嘘をついているかが最後まで分からないような作品でワクワクが続きますし、ミステリーが好きな人は生でその空気を感じとれて面白いと思う」と手応えを明かし、「僕の役は変化が激しいので、その生い立ちを楽しんでほしいです」とアピール。
高田さんは「僕は1幕の後半に向けて一つ大きな展開があり、そこは見逃さないでほしい。どんどん追い込まれていく心理戦。見る人によって本当全然見え方って全然違うと思います」と見どころを明かし、「うちの事務所で舞台をメインに活動している人たちが見に来たら、たぶん面白いと思います」とニヤリ。また、「俺が普通に見たい」とこぼすと、原さんもすかさず「俺をも見たい」と同意し、「伏線が多いので、犯人知っていても面白いと思いますね。2回目は違う楽しみができると思います」と興奮気味に明かしました。
最新情報は、ノサカラボ「罠」公式サイトまで。