立花裕大&松島勇之介 感涙必至の朗読劇で競演「本番でも泣いちゃう気がする」
立花裕大さんと松島勇之介さんが、名作に挑む心境を明かしました。
太平洋戦争の真っただ中、国の命令に逆らってでも、愛犬の麦と野良猫の小太郎の命を守ろうと奮闘する少年・大和の姿を描いた朗読劇「青空」。
多くの俳優陣によって演じられてきた感動作に、立花さんと松島さんが出演します。本番を目前に控えた心境や作品の魅力についてインタビュー。また、物語にちなみ、動物にまつわるエピソードを聞きました。
立花裕大さん&松島勇之介さんフォトギャラリー(写真16点)
「裕大くんとは絶対に仲良くなれると感じていました」(松島)
――インタビュー前に行った写真撮影ではとても楽しそうに談笑していましたが、おつき合いは長いんですか?
松島:出会ったのは今年の4月なので、まだ半年ぐらいですね。舞台のライブツアーでご一緒したのが初めてで、裕大くんと歌うシーンもありました。
立花:勇之介のほうから来てくれるから絡みやすいし、すごく話しやすいんです。
松島:僕のほうが年下なのに失礼なんですけど、裕大くんは同じタイプの人間というか、以前から「絶対に仲良くなれるだろう」と感じていました。だから、打ち解けるまでに時間はかかりませんでしたね。
立花:確か、ライブの待機中の席とか、衣装の早替えの場所も隣だったんだよね。
松島:そうそう!喉にいいハチミツをいただきました。
――10月11日に行われた「ACTORS☆LEAGUE in Basketball 2022」にも共に参加していましたね。
立花:同じチームで、さらに、経験者だらけの中、僕も勇之介もバスケに関しては素人だから、似たような気持ちを抱えてその場にいた気がしたな。
松島:プレーで貢献できないから、がむしゃらに応援していましたね。
立花:声出し番長みたいな(笑)。
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――さらに、ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」を同日に観劇していたそうで。
松島:そうなんですよ!
立花:劇場のトイレでバッタリ会って、帰りの駅のホームでもバッタリ。
松島:ここ数日間でめちゃくちゃ会ってますね。
立花:勇之介は背が高いから目立つんだよ(笑)。
松島:グレーのセットアップにグレーの帽子をかぶった“全身灰色”の人がいて、「裕大くんかな?」と思って声をかけてみたら…。
立花:よくわかったね(笑)。
「共演者とのバランスをみて、想像力を駆使して臨みたい」(立花)
――これはもう運命の相手なのかもしれません(笑)。そんなお二人が今回、朗読劇「青空」に参加します。2018年から何度も上演されている作品ですが、これまで観劇したことはありますか?
立花:出演が決まってから映像で観させていただきました。いやぁ~、泣きましたね。本番でも泣いちゃう気がするな。
松島:台本を読んだ段階で、すでに泣きましたからね。
立花:ストーリーは同じなのに、これだけ何度も上演されているのは、演じる方によっていろいろな持ち味があるということなのかなと。
松島:キャストが変わればまったく違うものになるだろうし、観る方にとっては持ち味の違いも楽しみの一つなんでしょうね。
立花:勇之介が演じる小太郎は、サイズ大きめの柴犬になりそう(笑)。僕は少年・大和を演じますが、稽古を通してどんなキャラクターに仕上がるのか自分でも楽しみです。
――松島さんにとっては初めての朗読劇ですね。
松島:そうなんです。(立花さんに)どうやってやるんですか?
立花:えっ!僕も去年の「逃げるは恥だが役に立つ」が初めてだったんだけど、すごく楽しかった思い出がある。「青空」と同じように出演者は4人で、ただ読むだけではなく、イスを移動させて、電車や車に乗っている様子を表現して。心情を読み上げるのが新鮮だったな。
松島:へぇ~っ。普段、僕たちがやっているお芝居は舞台セットがあって、観ている方もイメージしやすいと思いますが、今回は朗読劇なので、どんなふうにお客様にお届けするのか、僕の中では一つの壁です。
立花:初めてだもんね。そこはご一緒する先輩方を信頼して。
松島:大きく胸を借りようと思います。
――通常のお芝居とはまた違う難しさがあるのでしょうね。
立花:声だけの表現とはいえ、やり過ぎるのも違うと思いますし、ご一緒する方とのバランスもありますので、いろいろな想像力を駆使しなければいけません。体を使って演じる重要さを感じる一方で、朗読劇でしか表現できないこともあると思うので、そのへんでいろいろ遊べたらと考えています。
松島:僕は本番がまったく想像できないです。普段はセリフを覚えてお客様の前に立つのが当たり前だけど、朗読劇ってお客様の目の前で台本を開くじゃないですか。共演の方の顔とか見るんですか?
立花:人によるかな。
松島:そういうことすらもわからないんですよ。
立花:僕は初めてのとき、ページをめくることすら緊張したな。
松島:フリガナとかふるんですか?
立花:書いたね。僕らからすると、読み込んでボロボロになっている台本がカッコいいと思うじゃん。だけど、お客様の前で開くとなると、あまりにもボロボロなのもどうかと思うし。
松島:普段の作品は1ヵ月、ものによっては2ヵ月みっちり稽古をして、役を落とし込んだうえで本番に臨みますが、今回は稽古が1日しかなく、役者ごとの解釈をもってやるので、あまり落とし込みすぎないほうがいいのかなって。といっても、僕にそんな器用さはないので、柔軟に対応したいです。
立花:楽しみだな。
松島:あぁ、なんかドキドキしてきた。自分でハードルを上げている気がする(笑)。
16年ぶりの再会&子どものころに憧れたヒーローとの共演
――4人一組で演じる物語ですが、共演を楽しみにしている方はいますか?
立花:実はモロ師岡さんと16年ぶりの共演なんです。当時、同じ作品に出演していてもほとんど絡みはなく、現場でお会いしただけでしたが、またご一緒できることが感慨深いです。
松島:僕は松田悟志さんですね。幼稚園のとき、『仮面ライダー龍騎』(テレビ朝日)で松田さんが仮面ライダーナイトをやられていて、「このお兄ちゃんカッコいい」と憧れていました。何個オモチャを買ってもらったことか。ご一緒できることがめちゃくちゃうれしいですし、同時に背筋がピンとなります。
――劇中、犬と猫が登場しますが、動物にまつわるエピソードがあれば聞かせてください。
立花:母の実家にめちゃくちゃチワワがいまして…。
松島:めちゃくちゃってどのくらい?
立花:20匹。最初は5匹だったけど、どんどん増えていったみたいで。チワワの部屋があって、20匹もいると群れをなすようになるんだよ。ごはんの時間になるとワーッと集まってきて、まずは下っ端のチワワから食べて、最後にボスが食べるという。
松島:ボスが最後に食べるんだ。カッコいいですね。
立花:本能なんだろうね。犬の世界にも縦社会があって、面白いなと思ったよ。しかも、チワワなのに豆柴ぐらいデカかった(笑)。
松島:僕はワンちゃんを飼いたくてずっと母におねだりしていたのですが、毎回断られていました。コーギーがほしかったんですよね。
立花:コーギーいいね、僕もほしかった。
松島:うちも母の実家に犬がいたんです。「ワンちゃんだー」って抱っこしようとしたら、グワーッと嚙みつかれて、それでイヤになりました(苦笑)。その後はイエローショコラジャンガリアンというハムスターを飼って、すばしっこいからチョロと名前をつけました。
「人間と動物が互いを思いやる気持ちに感動しました」(立花)
――「青空」のどのあたりに魅力を感じますか?
立花:戦時中の厳しさも描かれていますが、根底にあるのは人間と動物の垣根を超えた絆。愛情なのか友情なのかわからないけれど、相手を思いやる気持ちに僕は感動しました。
松島:僕は台本を読んだとき、極寒の戦地で戦っている兵隊さんのために動物たちの毛皮を使ってコートを作っていたなんてまったく知らなくて、戦争に対する自分の知識の浅さを痛感させられたんです。僕たちの世代では知らないことがまだまだたくさんあると思うので、そんなことも現代を生きる僕たちに伝えてくれるのが「青空」の魅力だと思います。
――公演を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。
立花:まずは少年・大和を丁寧に演じたいと考えています。悲惨なだけでなく、とっても素敵な物語も描かれていますので、ぜひ楽しみに劇場へお越しください。
松島:「青空」を観ることで今一度、戦争の愚かさを感じていただくと同時に、今、僕たちが普通に暮らせていることの幸せも実感できると思うんです。そして、大事な人への思いにも気づくことができる。僕たちが表現するメッセージを劇場で受け取ってほしいです。
朗読劇「青空」 11月1日(火)~13日(日)東京・博品館劇場
立花裕大さん出演日 11月2日(水)14:00、11月9日(水)14:00
松島勇之介さん出演日 11月5日(土)13:00/17:00
公式サイト:https://www.aozora2022.com/
撮影:河井彩美
ヘアメイク:小池ちひろ
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