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“体当たり芸人”たちが、仕事への愛を語りました。

尾形貴弘さん（パンサー）、岩橋良昌さん（プラス・マイナス）、ナダルさん（コロコロチキチキペッパーズ）の3人がレギュラー出演中の『ガッツ100%テレビ 〜笑いと愛が企業を救う〜』（毎週土曜17時〜／BSよしもと、アーカイブ配信あり）。

この番組で紹介されるのは、国内のさまざまな企業の“PR案件”。経済番組かと思いきや、その内容は彼らが体を張ったお笑い企画のみ――。“企業のPRをするために、汗をかきながら、大声を出して、一生懸命に全力で取り組む姿”が魅力の一つだといいます。

“西友”編では、スーパーの西友で販売されている商品でモノボケ&ツッコミPK合戦に挑戦。

床に広げたトイレットペーパーの上をヴァージンロードに見立てて歩いたり、ケチャップを縦笛のように吹いたり…！さらに後編（※11月12日（土）17時〜放送／BSよしもと）では、鍋の中に対戦相手のお尻を入れさせようとする競技「鍋プロレス」を繰り広げ、一同が“ガッツ”を出して体当たりで臨みました。

「あんなもん、大正時代からやってたんちゃうん？」。収録後にそう語る岩橋さん。

昨今、地上波のテレビでは少なくなりつつある“トガッた体当たり芸”。その魅力とは何なのか？尾形さん、ナダルさん、岩橋さんの3人にインタビューを行いました。

――収録では、皆さんの熱気に圧倒されました。

ナダル：僕らも、企業さんのPRをしたい気持ちがいちばん強いですから。

岩橋：さっき収録した「鍋プロレス」。あんなもん、大正時代からやってたんちゃうん？皆、この番組にはノープランで参加していて、頭には“ガッツ”しかないですね（笑）。

――収録をするうえで、3人のなかでの役割分担はありますか？

岩橋：尾形は根性タイプ。スベろうが何しようが前に出る。ナダルは顔の表情の表現力がすごい。

ナダル：岩橋さんは、一言でどっとウケさせたり、周囲が気づかへんところでツッコんでくれて、助かっています。

尾形：僕は、この3人のなかでいちばん年上なんですよ、45歳。お前らのほうが年下だよな？

岩橋：この年齢まで来たらもう大差ないでしょ（笑）。でもやっぱり尾形さんはリーダー感がありますし、王道の“ガッツ”芸人ですね。

ナダル：尾形さんが、この仕事で大切な“忘れガッツ”を思い出させてくれますね（笑）。

――ほかの番組との違いは何だと思いますか？

尾形：そりゃ、“ガッツ”ですよ！99%じゃなく、“ガッツ100%テレビ”ですから。

岩橋：これが、お笑いの舞台だったら、どうやったらもっと劇場のお客さんを笑わせられるか、事前にちゃんと考えるんですけど、ここではもう“ガッツ”のみで勢いをつけて。ゲストの芸人もこの空気に触発されて、ポテンシャルが引き出されることが多いですね。

ナダル：スタッフから「こういうふうに…」とか指示があるのかと思ったら、あんま誰も考えてなくて、“ガッツさえあればいい”と。それがまた面白いと思っています。

岩橋：時代にちょっと逆行している感じが、逆に価値があると思いますけどね。僕らがドリフを見ていた頃の、いかりや長介さんが何回も湯船へ入れられるような、ああいう体当たりの感じですよね。

ナダル：体を張っている姿が笑いにつながる芸人と、そうでない芸人っていますよね。パッと出てって体張って笑いを取れる人って、これはもう才能だと思います。

尾形：俺だって本当は、MCとかで仕切りたいなと思うこともありますよ。でも、自分たちが、そういう体を張っているお笑いを見て笑って育ってきたので。

岩橋：言葉で笑わせるスタイルと違って、いわゆる“アツアツ系”とか、階段からガンって落ちていくのとか、やっぱそういうのって、脳みそに直接的に届く笑いなんで、憧れがあります。最近、こういうのあんまりないですよね。だからこそ注目が集まってほしいんですよね。

ナダル：今、地上波で見ます？鍋にケツ入れる番組なんて。ホンマにお二人から勉強させてもらうことばかりです。

“体当たり芸”という過激な仕事でガッツを見せてきた3人。しかし彼らによれば、「会社勤めのサラリーマンのほうがガッツありますよ」とのこと。いったい、なぜでしょうか？

――今後、皆さんがやってみたい“企業案件”はありますか？

尾形：（即答で）SONYです。

（一同：爆笑）

岩橋：答えるのが速すぎる。

尾形：どの企業さんでもぜひ！

岩橋：僕は、すき家とかマクドナルドでバイトをしていたので、そういう企業さんとの仕事をやってみたいですね。

ナダル：僕も昔、ファミマ（ファミリーマート）でバイトしていました。

尾形：たしかに俺ら、芸人になるまで、アルバイト生活で苦労してるからね。僕は7〜8年ぐらいアルバイトしていました。

岩橋：僕は、18歳〜28歳までの10年。（芸人の給料として）10万円もらえるようになるまでは続けようと思っていたので、しばらくかかりましたね。

ナダル：自分は4年でバイト辞めました。

岩橋：エリートぶるなよ（笑）。…僕、すき家でアルバイトしていた当時に、店内で「すき家RADIO」というラジオが流れていて。DJの人の声がすごくかっこよくて、おしゃれだったんですよ。

それで、当時の店長に「『すき家RADIO』でしゃべらせてください」とお願いしたら、しゃべらせてくれたんです！1ヵ月ぐらい僕の話がラジオから流れていました。

ナダル：めっちゃいい話やん！

尾形：今度、すき家のロケやろうぜ。

――世間にはさまざまな仕事や働き方がありますが、芸人の皆さんから見て、“サラリーマン”という人生はどう思いますか？

ナダル：いや、僕らよりガッツあると思いますよ。本当に。

尾形：ナダルと僕は、芸人になる前にサラリーマンも経験してるので。サラリーマン、ほんとうに最強よ？毎朝同じ電車で会社へ行ってデスクで作業して…って、すごく根性あると思いますわ。

岩橋：そういう方々が、日本を支えてくれているんですよね。

ナダル：だから僕ら芸人は、そういう社会の潤滑油になっていけたらと。“潤滑ガッツ”として。

岩橋：僕らってネタ時間が5〜10分とかで、それを1日3回。でもサラリーマンの皆さんは朝9時から17時まで毎日働いて。ほんまにガッツあるなと思います。僕ら、さっきの収録だけでけっこう疲れましたもん（笑）。

ここまで、さまざまな仕事や職業へのリスペクトを語ってくれた3人。最後に、“体当たり芸”という仕事への思いを聞きました。

――『ガッツ100%テレビ』出演者の皆さんのSNSを見ていると、「この番組がいちばん好き」「今やっている仕事のなかでいちばん楽しい」という投稿を目にします。改めて、番組への意気込みを教えてください。

岩橋：僕らアラフォーが全力で体を張る番組、いいじゃないですか！…あと、家のローン返済もありますし。

尾形：皆、パパでもありますし、家族のためなら、何でもやりますわ。この番組ね、まだ話題になってないだけなんですよ。

岩橋：でも、最近、世間に気づかれだしてるよな！？

ナダル：バレたら大変なことになる（笑）。

岩橋：ライバルはフジテレビの『新しいカギ』です。

尾形：怒られるぞ（笑）。

写真／松木宏祐

『ガッツ100%テレビ』公式サイト：https://bsy.co.jp/programs/by0000016152