トップページへ

“好き”でつながる

ランキング
エンタメ
国際番組コンクールから得るヒント 日本人が世界で生き残るための武器としての英語_site_large

国際番組コンクールから得るヒント 日本人が世界で生き残るための武器としての英語

この記事をシェア

フジテレビ国際局寄稿

国と国が“戦う”のは、サッカーのワールドカップだけではありません。

テレビを含めた映像コンテンツを表彰するコンクールでも、各国の代表が戦っています。世界の舞台で日本人が生き残るためのヒントとして英語を取り上げてみます。

国際番組コンクールから得るヒント 日本人が世界で生き残るための武器としての英語_bodies

国際番組コンクールから得るヒント 日本人が世界で生き残るための武器としての英語_bodies

It’s 賞 Time.

映画に「アカデミー賞」があるように、テレビ・映像の世界でも国や地域を問わず、数々の賞が存在します。

日本では賞レースの季節といえば、一年の締めくくりとしての年末で、古くは「日本レコード大賞」が年末の風物詩のように語られていた時代がありました。今では賞の意味合いが様変わりしたこともありますが、世界では一年を通じて、いろいろな季節にアワードセレモニーが開かれています。

シンガポールでは、毎年12月初旬に「アジアン・アカデミー・クリエイティブ・アワード」(※略称:AAA トリプルエー/以下、AAA)が開かれます。

ドラマ、バラエティ、ドキュメンタリー、報道、俳優など40部門の戦いの舞台に、今年も日本から多数エントリーしました。

国際番組コンクールから得るヒント 日本人が世界で生き残るための武器としての英語_bodies

アジアン・アカデミー・クリエイティブ・アワード/Asian Academy Creative Awards」とは…

アジア・太平洋の16の国と地域から選出されたコンテンツの中からNo.1を決め世界に発信する国際賞。2018年スタートのこの賞の特徴は、各部門において一つの国・地域から一作品しか代表になれず、それらがナショナルウィナーとして最終審査される点。

国&地域=シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア、韓国、ベトナム、インドネシア、インド、中国、香港、オーストラリア&ニュージーランド、日本、台湾、カンボジア、ミャンマー

エンタメの世界でも英語は共通言語

「アカデミー賞」などのレッドカーペットでは、セレブたちのファッションも見どころの一つ。また授賞式での受賞者のスピーチ(acceptance speech)もそれぞれの人柄が表れて、受賞作品を見る以上に面白く、勉強にもなります。勉強と言ったのは、エンターテインメント業界の人々の英語力のこと。

No.1を目指して競うエントリー作品には、英語字幕あるいは英語吹き替えが施してあります(もちろん最初から英語で制作されている作品も)。

授賞式は、すべて英語で進行され、授賞式会場のステージで登壇者がしゃべる言葉も英語です。

飛び交う英語を聞いていると、オーストラリアやニュージーランドのネイティブスピーカーが話す英語以外にも、さまざまな英語が存在することがわかり面白いもの。

シンガポール、フィリピン、インド、香港といった英語が公用語のひとつとして流通している国・地域の人の英語は、その国ならではの雰囲気を醸し出しており、英語ネイティブではない筆者は、いつも親近感を覚えます。

国際番組コンクールから得るヒント 日本人が世界で生き残るための武器としての英語_bodies

世界にはいろいろと違った種類の英語があります。そして、違いがあってもコミュニケーションがとれる下地が、英語にはあるのです。

何が何でもネイティブスピーカーのように話さなければならないという思い込みから解き放たれ、気楽に意思疎通するさまは、グローバル化の健全なあり方ではないでしょうか。

英語の多様性を肌で感じられる場所が、このような国際賞の現場です。

学校では教えない英語、試験に出ない英語

レッドカーペットの話に戻ります。華やかに着飾った俳優たちや番組制作者は、何を聞かれているのでしょうか。

出演した、あるいは制作した作品について聞かれるのは当たり前ですが、ファッションのことも避けては通れません。もともとハリウッド界隈(かいわい)でセレブに投げかけられていたフレーズなのですが、こんな質問があります。

Who are you wearing?

直訳すると「誰を着ていますか?」ですが、実は「あなたが着ている服のデザインは誰ですか?/誰のブランドを着ていますか?」と聞いています。

今回のAAAレッドカーペットでも、インタビュアーがそう聞いていました。

国際番組コンクールから得るヒント 日本人が世界で生き残るための武器としての英語_bodies

受験の役に立つのかと聞かれればNOですが、生きた英語はこういうところから学ぶのが一番です。

今回AAAでは、最優秀ボイスアーティスト賞(※)として日本代表の藤村由紀子さんが栄冠を手にしました。元テレビ局アナウンサーの藤村さんは、授賞式で英語のスピーチをした感想を次のように語りました。

藤村さん:

ほかの国のみなさんの英語力の高さに驚き、自分の言葉で話すことの強さを痛感しました。やはり通訳を介してしまうと、自分の思いや感情が一枚オブラートに包まれてしまうような、話の流れがいったん止まってしまう“もったいなさ”を感じます。

(※)ボイスアーティスト賞:あらゆる映像コンテンツの声優、ナレーターが審査対象の賞

国際番組コンクールから得るヒント 日本人が世界で生き残るための武器としての英語_bodies

藤村さん:(受賞スピーチで)家族への感謝を最後に入れる方もいらっしゃるので、受賞したら言おうと思っていたのですが、壇上に立ったらすっかり飛んでしまいました。

チャンスに対して「私には無理そう」と諦めることなく行動する勇気があれば、世界はどんどん広がる可能性があると改めて思います。そのためにも英語の重要性を痛感しました。

さらに英語を勉強して、次回このような機会があったら、もっと堂々と言いたいことをスムーズに言えるようになりたい!とモチベーションもアップしました。

国際番組コンクールから得るヒント 日本人が世界で生き残るための武器としての英語_bodies

受賞スピーチのように、多国籍の聴衆の前でしゃべることは、グローバル社会の中では避けて通れないことです。こういう場面で、何をどうプレゼンするかという訓練も、学校教育の場で必要でしょう。

来年4月に行われる全国学力調査では、中学3年の英語で「話す力」を見る問題が出されます。「学校で英語を学んだから、英語ができるようになった」と言える子どもたちが、社会に出ていくことが理想的。

筆者は教育の専門家ではないので、どんなカリキュラムがスピーチ力を伸ばすかはわからないのですが、少なくともエンターテインメントの世界では場数を踏むことなのでしょう。言語は、教育ではなく経験の積み重ねだと思います。

世界を夢見る子どもたちが、レッドカーペットや授賞式会場で、自分の思いを自分の言葉で伝えることを期待したいものです。

参加しないことには世界から取り残される

世界の賞事情を見渡すと、韓流ドラマの勢いやインド勢の躍進が成績にも反映されています。

アメリカで「テレビ界のアカデミー賞」と称される「エミー賞」(9月)において、韓国ドラマ『イカゲーム』が主演男優賞(イ・ジョンジェさん)や監督賞(ファン・ドンヒョクさん)など6部門で栄冠に輝いたことは、2022年のエンタメ界を象徴する出来事です。

戦略を持ち、最初から海外市場に目を向けている韓国のこの快挙は素晴らしいこと。方法はさまざまですが、とりあえずバッターボックスに立つ、ピッチに立つことの気概を持たなければ、未来はないことを教えてくれます。

AAAで最優秀脚本賞を獲ったのも、韓国の人気脚本家ノ・ヒギョンさんで、『私たちのブルース』が対象作品。

代理で受賞したチーフプロデューサーの英語スピーチは、ドラマの世界観を引用しつつ、聴衆の心に響くというスピーチのお手本のようなものでした。

国際番組コンクールから得るヒント 日本人が世界で生き残るための武器としての英語_bodies

キム・ソンミンさん

私はキム・ソンミンです。ブロークンイングリッシュですみませんが、ベストを尽くします。

ノ・ヒギョンさんに代わって賞を受けることになり光栄です。ドラマの最終話の最後で、ヒギョンさんはこう書いています。

「私たちの人生で、忘れてはいけないことがひとつあります。私たちは不幸になるためにこの世に生まれてきたのではありません。幸せになるために生まれてきたのです」。

「生きている私たちみんな、幸せになれ」という脚本家の温かい心に感謝します。これからも良いドラマを作っていきます。ありがとう。カムサハムニダ。

世界へ羽ばたき、日本を元気に

一方で、番組の中身で勝負しているのだから英語ができなくても問題ないじゃないか、通訳に任せて本業に専念するのが筋ではないか、という意見が出てきても当然でしょう。

しかし、今回のワールドカップサッカー日本代表選手の語学のレベルを見ていただきたい。SNS上でも話題になったドイツ戦のあとの吉田麻也選手、スペイン戦のあとの堂安律選手の英語インタビュー。

イギリスアクセントの英語を完全に理解した上で当意即妙に受け答えをしている吉田選手。日本のファンに向けて「スポットライトは我々に当たっている。ダンスのとき(time to dance)だ!」とスムースに口をついて出る格好良さは、サッカー少年・少女たちの強い憧れになったのではないでしょうか。

スペイン戦のハーフタイムで何が変わったかを聞かれた堂安選手は「戦術面や精神面で(tactic-wise, mentality-wise)たくさん話をした」とさらっと答えました。このwiseの副詞的な使い方は、極めてネイティブっぽいもの。

本業での精進の合間にどれだけの勉強をしていたのか計り知れません。この二人の英語は、本業で結果を出しながら、言葉でも現地メディアや所属のチームメイトと難なくコミュニケーションが取れていることの証明にほかなりません。

その言語発信力は、自らの自信にもつながり、モチベーションが上がり、本業に良い影響を与えることは明らかです。

サッカー日本代表選手のように、自分の思いを英語で言語化できるプロデューサーやディレクターが多く世界に出れば、日本のエンターテインメントは活性化され、日本ももっと元気になれる気がします。

中本尚志(フジテレビ国際局)
アジアン・アカデミー・クリエイティブ・アワード/日本アンバサダー

画像アイコン

この記事の画像

(全8枚)

8枚の画像を見る
8枚の画像を見る
太陽
エンタメ
の最新記事
「真夜中の小悪魔!」田中美久 温泉でまったりリラックスショットに反響 コロコロ変わる表情に「目が離せない…!」

「真夜中の小悪魔!」田中美久 温泉でまったりリラックスショットに反響 コロコロ変わる表情に「目が離せない…!」

2025年01月07日 |

22:14


「転生するなら今か…」FRUITS ZIPPER仲川瑠夏いとこの子供を抱き寄せ至近距離“キス寸前!?ショット”に嫉妬の嵐

「転生するなら今か…」FRUITS ZIPPER仲川瑠夏いとこの子供を抱き寄せ至近距離“キス寸前!?ショット”に嫉妬の嵐

2025年01月07日 |

21:23


村重杏奈 18歳差の弟・しょうまくんや祖父母らとの幸せ家族ショットを披露!「毎日家族の誰かと一生懸命お酒を…」

村重杏奈 18歳差の弟・しょうまくんや祖父母らとの幸せ家族ショットを披露!「毎日家族の誰かと一生懸命お酒を…」

2025年01月07日 |

19:48


【先行カット】當真あみ(18) 1st写真集発売決定!中3から高3までの"成長の記録"に「待ってました!」の声

【先行カット】當真あみ(18) 1st写真集発売決定!中3から高3までの"成長の記録"に「待ってました!」の声

2025年01月07日 |

19:40


「ポッケ一緒に手入れたい」大沢たかおと疑似ショッピングデート!?を味わえる動画に何度も見てしまうファン続出!

「ポッケ一緒に手入れたい」大沢たかおと疑似ショッピングデート!?を味わえる動画に何度も見てしまうファン続出!

2025年01月07日 |

18:50


“最強夫婦” 魔裟斗&矢沢心 夫婦水着2ショットを披露!「腹筋バッキバキ」「いつまでもかっこいい」と反響

“最強夫婦” 魔裟斗&矢沢心 夫婦水着2ショットを披露!「腹筋バッキバキ」「いつまでもかっこいい」と反響

2025年01月07日 |

18:38