柄本時生さん、西野七瀬さんが、映画「イチケイのカラス」の撮影裏話を語りました。
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東京地方裁判所第3支部第1刑事部(通称:イチケイ)を舞台に、型破りな裁判官・入間みちお(竹野内豊)と、後輩裁判官・坂間千鶴(黒木華)が、ぶつかり合いながらもともに真実を追求する姿が好評を博したドラマ『イチケイのカラス』(フジテレビ)。
その2年後のストーリーが描かれる、映画が現在公開中です。
岡山・秋名市に異動したみちおと共に岡山地方裁判所秋名支部の裁判官を務める、右陪席の土井潤役で柄本時生さん、左陪席の赤城公子役で西野七瀬さんが出演。みちおに振り回されながらも、真実を求め捜査する姿を熱演しています。
フジテレビュー!!は、柄本さんと西野さんにインタビュー。映画の撮影裏話や、竹野内さんの印象、「今、白黒はっきりさせたいと思っていること」を聞きました。
野球のシーンは猛暑のなか撮影!「日から逃げて、逃げて…」
<柄本時生、西野七瀬 インタビュー>
──今作への出演が決まったときの心境を聞かせてください。
柄本:竹野内さん、華ちゃんと、久しぶりにお会いできることがうれしくて、撮影が楽しみでした。
西野:私は、田中亮監督と以前、『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(フジテレビ)でお仕事をしたことがあったので、久しぶりにご一緒できることがうれしかったです。衣装合わせのときに「気楽な感じでやってね」ということを言っていただき、安心したことを覚えています。
その後に、プロデューサーさんから「(現実に)数少ない女性の裁判官を演じるということは、大きな意味があることです」と、田中監督とはまた違うお話があって(笑)。
柄本:意気込みの具合が違うな(笑)。
──結果、どういう気持ちで撮影に臨んだのでしょうか?
西野:劇中、私が演じる公子は、みちおさん(竹野内豊)と土井さん(柄本)と行動することが多く、クスッと笑える温度感のシーンに出ることが多かったので、そういうシーンでは気楽さをちょっとだけ優先しました(笑)。
もちろん、法廷のシーンは緊張感をもって…噛まないように、NGを出さないようにしていました。
柄本:本当に噛まなかったよね。すごかった!俺は、めっちゃ噛みまくってたのに(笑)。
西野:でも、私も一回、柄本さんに釣られたことがありました。
柄本:「(カットがかかった原因は)絶対に自分だ」と思いながら、それを見せちゃいけないと思って、まっすぐ前を向いていたの覚えてる(笑)。
──印象に残っているシーンはありますか?
柄本:現場の思い出話になってしまいますが…坂間さん(黒木華)や公子たちが、事件の捜査をするなかで車の下にもぐり、作業をするのですが、あのシーンの撮影は楽しかったです!土井は踊っているだけでしたけど(笑)。
今回、状況などを説明するセリフ以外のやり取りがあまりなくて。その車のシーンは皆さんと掛け合いができたから楽しかったんですよね。でも、作業をしている皆さんは暑かったでしょ?
西野:すごく暑かった…。整備士さんのように、車の下で寝ころびながら作業するのですが、映っていないカットの撮影中も、みんなでずっと寝転がっていました(笑)。動くのもしんどいくらい暑くて。
柄本:動くとやられるみたいなね(笑)。
西野:スタッフさんが扇風機は置いてくださっていたんですけど、暑さにやられてボーッとしてしまう瞬間もあって。でも、すごく楽しかったです。
──『イチケイのカラス』ではお馴染みの、野球のシーンも、撮影日は猛暑だったそうですね。
西野:暑かった…。どんどん日が動くので、みんなで日の当たらない場所を探して移動してましたね。
柄本:逃げて、逃げて(笑)。
西野:逃げ場がどんどんなくなってしまって。
柄本:最終的にみんなちょっと機嫌が悪い感じの態度になっちゃうという(笑)。
西野:そうでした(笑)。でも、そういう気持ちも共有できていたので、楽しい思い出です。
──西野さんが印象に残っているシーンは?
西野:序盤にみちおさんが「職権を発動します」と言ったあと、坂間さんからもらった「入間みちおのトリセツ」を読みながら廊下や階段を移動する一連のシーンが印象に残っています。あれは、ワンカットではないですが、長いカットで撮影をしていて。
柄本:あれも楽しかった!
西野:私もセリフがあったので、緊張感がありました。
柄本:結構長セリフだったもんね。
西野:一回噛んでNGになったことがあったのですが、撮影し直すためにスタート位置に戻るときの罪悪感がすごかったです(笑)。
──NGを出したとき、作品によってはキャスト同士が笑いに変えて場を盛り上げる、ということもあるそうですが、「イチケイのカラス」ではどうでしたか?
柄本:特にイジって笑いに、ということはなかったよね。
西野:速やかにスタート位置に戻る感じでした。
柄本:イジると逆に噛みやすくなるんじゃないかと思うので、黙るようにしてたな。
西野:イジられると意識しちゃいますよね。あのシーンは室内でしたけど、蒸し暑かったので、余計に“速やかに”という空気感だったのかもしれません。
柄本:法服も着てたしね。
西野:でも、カットをあまり割らずに撮るというのはチャレンジ感があるというか、「みんなでいいテイクを出そう」という一体感もあって、楽しかったです。
一つ、あの一連のシーンの撮影中のことで思い出したんですけど…竹野内さんが部屋に立てこもったことありましたよね?
柄本:え、そんなことありました?
西野:スタッフさんに「そろそろ本番行きます」と声をかけてもらって、法服を着たり、準備をしていたら、竹野内さんがニコニコしながら冷房の効いた部屋に入っていって、ニコニコしながらガチャンと鍵を閉めて(笑)。
柄本:あった!
西野:スタッフさんが、ドアをドンドン叩きながら「竹野内さん!開けてください!」って必死に声をかけるんだけど、小窓からニコニコこちらを見ていて(笑)。あれはすごく面白かったです。
現場で見せるそういうお茶目さもあって、私の中でほとんど「竹野内さん=みちお」になっていますね。
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柄本時生、竹野内豊の行動にキュンとした過去
──2人から見て、みちおの魅力はどこにあると思いますか?
西野:劇中で公子はちょっと感化されているように描かれていますが…みちおさんは、何をするか読めなくて、言動に呆れたりもするけど、逆に気になってくる存在なのかなと思います。
普段はすごくふわふわしているのに、別人のようにビシッとするときもあって。そのギャップが大きいほど、惹き付けられるんだと思います。
柄本:正直、ふざけてる人ですよね(笑)。でも…“まんま優しさの人”というイメージがあります。表現が難しいですが、すべての言動が真意をはかりかねるというか、きっと“そのまんま”なんだろうな、と。そこが入間みちおの魅力だと感じています。
──そのみちおを演じる竹野内さんの印象はいかがですか?
柄本:僕、10年以上前に映画「太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-」でご一緒したことがあって。タイで撮影していたのですが、そのときに竹野内さんの人柄に触れて、すごく好きになっていたんです。
──撮影現場などで当時の話はしましたか?
柄本:いえ、覚えてないと思ってしていないんです…ここでお話してもいいですか(笑)?
僕、現場で交流のある人が誰もいなくて、タイでしたし、1人でいることが多かったんですよね。あるとき、キャストのみんなでご飯に行く流れになって、僕も行ったのですが…竹野内さんが「時生ちゃん、こっち来な」と声をかけてくださったので、隣に座らせていただいて。そうしたら、その食事中ずっと僕のほうに体を向けてしゃべってくれていたんです!
西野:独り占めですね。
柄本:キュンとしました(笑)。こういう人になろうと思っていたので、また共演ができてうれしかったです。
──西野さんは、竹野内さんの印象はいかがですか?
西野:しっかりとお芝居をご一緒させていただくのは、今回が初めてでした。でも、急になんの脈絡もなく「この間、携帯でゴリラの動画を見てさぁ。面白かったんだよ」と、話しかけてくださって(笑)。
柄本:携帯でゴリラの動画を見るんだね…それが意外!
西野:SNSで話題になっていたゴリラが回っている動画なんですけど、私もそれを見たことがあったので「それ知ってます!」「うれしいんですかね?」という話をしました。動物がお好きだそうで、動物の話が多かったですね。「アリクイの威嚇、知ってる?」とか(笑)。
柄本:え、アリクイの威嚇って何?
西野:(再現しながら)立ち上がって、両手を挙げるんですよ。威嚇だけど、可愛いんです。
柄本:え、知ってるの(笑)?
西野:私も動物好きだから、知ってるんです(笑)。
柄本:あとで調べてみよ(笑)。でも、竹野内さんとそういう話題で盛り上がってたんですね。
西野:共通の話題があったのですごくうれしかったですし、気さくなお方だなと感じました。
──本作は裁判官が主人公の作品ということで、「今、白黒はっきりさせたいと思っていること」を聞かせてください。
柄本:いい加減、野菜とか果物の皮を食べられるのかどうかを知りたいです。
西野:きんかんは皮ごといけますよね。
柄本:「皮も食べられる」「皮のほうが、栄養がある」と言われるけど、「皮はむいたほうがいい」という意見もあるし、そこをはっきりさせてほしいですね。誰か、皮が食べられるものの一覧を作ってください(笑)。
西野:私は、知らない間にできたアザについてはっきりさせたいです。そのアザは自分のせいでできたものなのか、違う原因でできたものなのかということが気になってます(笑)。
柄本:お酒は飲むんだっけ?
西野:たしなむ程度で、飲んでも記憶は絶対にあります。
柄本:じゃあ、自分の不注意でどっかにぶつけてるんだよ(笑)。
西野:いや、分からないですよ?今も、腕にアザができていて…まさに気になっていることでした(笑)。
──最後に映画の見どころをお願いします。
西野:公子としては、入間みちおが急に地裁にやってきて、はじめは呆気にとられますが、だんだんと感化されていきます。その気持ちの変化は、観客の皆さんとも近いものがあるのかなと思っているので、感情移入していただけたらうれしいなと思っています。
柄本:勧善懲悪のものとはまた違う、一つ先に行ったような作品です。きっと2回目、3回目と見ていただくと、自分のなかで考え方が変化していくと思うので、ぜひ何度も見ていただけたらうれしいです。
撮影: 河井彩美
スタイリスト:矢野恵美子(柄本時生)、鬼束香奈子(西野七瀬)
ヘアメイク:在間亜希子(MARVEE/柄本時生)、George(西野七瀬)
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