(ネチネチネチ…)

からの

「死ねばいい!」

決して初回と第2話のレビュー冒頭を振り返っているわけではありません。

未だかつて第3話にしてこれまでのベストシーンを再現してくる“ベスト盤”みたいなドラマがあったでしょうか!?そうです。「(ネチネチネチ…)」と「死ねばいい!」が再び第3話で登場するのです!!

さて前回、僕の拙い擬音表現のせいで何が何だか伝わらなかった方もいたかと思いますので正解を発表します。

「(ネチネチネチ…)」の正体は、リカ(高岡早紀)と大矢先生(小池徹平)が秘密を共有した“血の付いたペアン鉗子”でした。“血の付いた”、“ペアン鉗子”を、“ジッパー袋に入れ”、“常にポケットに忍ばせ”、それがここぞというときに“(ネチネチネチ…)”と登場するんですから、ドラマはまだ見てなくて記事読んだだけ…という稀な方にもリカの恐ろしさが伝わるかと思います。未見の方は是非!

だけど今回特に良かったのは「死ねばいい!」のタイミング。

第1話にそれが発せられた同じ会議室、同じ舌戦、同じ戦慄、同じドアップの後、「死ねばいい!」ここで来る?来ちゃう?やっぱり来るよね?…って、来ないんかーい!っと一瞬肩透かしを食らったその直後!リカの自宅で“キターーーーー!!”となります。下げてから上げる。『リカ』の演出スタッフは僕のテンションを見透かしているかのようです。

しかもベスト盤だと感じたのはセリフ(擬音)だけでなく、目が離せない展開の連続もそうです。リカのヤバさ、暴走、ドン引き、とはいえ策士、巧みな罠、得意の人心掌握、結局ドン引き…というこれまで『リカ』で繰り広げてきたエンターテインメントがこの第3話に凝縮されており、それがまさにベスト盤!

そしてラスト、その暴走が頂点に達して次回…早く来週!!!!!

毎回言ってますが、土曜の深夜にこのドラマはハイカロリー過ぎます。

現看護師長の藤鐘さんの追及VSリカのクレージー論法が痛快なシーンに

で、今回、リカと引けを取らない主役っぷりだったのが現看護師長の藤鐘さん(安藤玉恵)。他のドラマで主人公以外の人物が推理をする場合、真相から敢えて遠ざけ視聴者をミスリーディングさせる展開が多い…つまり簡単に言うとポンコツなやつが多いわけですが、藤鐘さんは名探偵の如く推理が冴えわたります。

これまでの出来事を振り返り、点を線でつなぎ、あれよあれよとリカの仕掛けた罠に気付き、その名推理っぷりをみてついに告白してしまった大矢先生の秘密“ペアン鉗子”…それさえも藤鐘さんの冴えわたる推理力によって、事故ではなく過失だと勘づく…で、それをリカに追及していく場面が先の“会議室での舌戦”に繋がるわけです。

その舌戦も最高で、藤鐘さんのクレバーな真相追及に対して、それを凌駕してくるリカのクレイジーすぎる論法は、これまで見たことの痛快さを感じさせるシーンに仕上がっています。

そしてそして、ラストに前回同様 “人心掌握”のシーンが待ち受けているのですが、その言葉が相手だけでなく自らにも問いかけているような言葉で…、怖いんだか悲しいんだか、何だか良く分からない気持ちさせられる…高岡早紀の真骨頂!とも言える圧巻の演技で見逃せません。

1話2話とドラマのテンションは倍増してきましたが、今回はそれ以上!やっぱり土曜の夜は眠れないこと必至です!!

text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)

https://youtu.be/XTvO9L3PSeU