奈緒さんが、理想の夫婦像を語りました。
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4月13日にスタートする木曜劇場『あなたがしてくれなくても』は、夫婦のセックスレスをテーマした大人の恋愛ドラマ。
原作は、ハルノ晴さんによる同名コミック(双葉社刊)。2017年から漫画雑誌「漫画アクション」にて連載を開始し、話題にしづらいセックスレスに直球で切り込んだ衝撃作として話題を呼びました。
『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(2014年/フジテレビ)のスタッフが集結し制作される本作で、奈緒さんは、結婚5年目でレス歴2年の会社員・吉野みちを演じます。
その奈緒さんに、フジテレビュー!!がインタビュー。台本を読んだときの率直な思いや、みちを演じるうえで意識していること、そして、奈緒さん自身の理想の夫婦像などを聞きました。
<奈緒 フジ連ドラ初主演!レス歴2年の人妻役『あなたがしてくれなくても』>
“普通”を演じるため「私自身もみちと一緒にもがいていきたい」
<奈緒 インタビュー>
──まずは、オファーを受けた心境を聞かせてください。
もともと原作を読んでいて、気になる展開にワクワクしていた、いち読者だったので、映像化するということにまず驚きました。
そして、みち役をいただけると聞いて、責任重大だなと思いながらも、すごくうれしかったです。
──台本を読んだ感想はいかがですか?
原作が10巻まで出ていますが、どんなふうに台本に落とし込んでいくのかと気になっていました。
漫画原作ものって、漫画に忠実に描くのか、新しいエッセンスを加えていくのか、作品によって異なると思うんです。その点も気になっていたのですが、本作では現代に生きる皆さんが、自分の身の回りで起こっている話のようになっていると感じました。
もちろん原作で大切にしていることは繊細に描きながらも、ドラマとして楽しんでいただけるような台本になっていると思いました。
──みちはどんな女性でしょうか?
結婚5年目で、夫とのセックスレスに悩む女性。見てくださる皆さんには「分かる、分かる」と、愛おしく思ってもらえるような主人公だと思います。
でも、良い子なだけではなくて、ちょっとずるい部分もありますし、未熟な部分もあって感情的になってしまうこともあります。そういう瞬間を私自身も愛おしく思いながら、大切に演じたいなと思っています。
──プロデューサーが、みちについて「普通の女の子」とコメントしています。演じるうえで意識していることはありますか?
今は、特にみんなが個性をさまざまな場所で表現できる時代なので、“普通”を演じるのはすごく難しいなと感じています。
“普通”は、何かが制限された中で起こりやすいものだと思いますが、そうじゃない今の時代でも、例えば「誰かに愛されたい」という気持ちとか、そういう情緒は絶対に人の中にはあって。その情緒を大切に演じることができたら、皆さんの中に点在している“普通”に触れられるんじゃないかなと思い、意識して演じています。
あとは、台本上でもみち自身が悩む瞬間が多く描かれているので、一緒に悩めたらいいなとも思っています。みちが一生懸命悩んで出した選択は、それがもし間違っていても、何か皆さんに届くものがあるのではないかと思うので。私自身も一緒にもがいていきたいです。
──みちに共感できる点はありますか?
みちが悲しくなる瞬間にはすごく共感します。
それが今回はセックスレスですが…そうなるまでには、夫婦それぞれの悩みがあって、幸せな時間もあったはずで。そこを丁寧に描けるのは、作品にとって大事なことだなと感じています。
そして、夫に触れてもらえない、求められないから寂しいというみちの気持ちは、紐解いていくと、陽ちゃん(夫・陽一/永山瑛太)のことを愛しているからこそのもの。それなのに、打ち明けたときに“小さな悩み”として扱われてしまうと、やっぱり傷つきますよね。
自分はこんなに悩んでいるのに、陽ちゃんは私たちの関係をちゃんと考えてくれていないのかな、と。そうして不安になってしまう気持ちや、心が満たされない感覚は共感できます。
だからこそ、陽ちゃんが優しくしてくれたこととか、大切にされた瞬間をみちは必死に探して、過去の思い出を支えに今を頑張ろうとしていて。そういう人間らしい部分も、演じながら「分かるな」と思いますね。
自分がみちと同じ状況に置かれたら…「ちょっと実家に帰ります」
──奈緒さんご自身がもし、みちと同じような状況に置かれたとき、「自分だったらこうするかも」と思うことがあれば聞かせてください。
例えば、みちと同じようにセックスレスの悩みを抱えているご夫婦はたくさんいると思います。でも、言葉としては同じ「セックスレス」だとしても、夫婦の関係性によってまったく違う悩みになるんですよね。
これは目の前の相手と自分とで乗り越えなければいけない問題だと思うので、とことん相手と向き合って結論を出したいと思います。
ただ、実は、悩むのがすごく苦手なので、みちのように何かに耐えることで環境を良くしようとしたり、我慢したりということは難しいなと思っていて。私だったらつらくて、すぐ結論を出したくなってしまうかもしれません。
──劇中、みちが頑張って陽一を誘おうとしますが、のらりくらりとかわされてしまいます。そんなことをされたら?
一度、離れちゃうかもしれないですね。お互いに、自分自身と向き合ったほうがいいのかなと。そういうときに、よくドラマとかで見る「ちょっと実家に帰ります」という言葉が出るのかもしれないな、と思います。
──ご自身は、陽一と新名(岩田剛典)どちらの男性に魅力を感じますか?
うーん…今はみちを演じているので、陽ちゃんと言いたいのですが…新名さんのほうが魅力を感じます(笑)。
みちは人の気持ちを優先するタイプの人なので、陽ちゃんの自分を大事にしていて、人に左右されないところを「かっこいいな」と思っていたと思うんです。
あとは、いろいろなことがあったとはいえ、結婚して5年経っても「みちが一番」と言えるところは好きです。
でも何よりも、新名さんの傷ついて落ち込んでいるときに寄り添ってくれるところがステキです。
永山瑛太が夫婦の空気感をつくるため2人で話す時間をセッティング「大切な時間でした」
──陽一を演じる永山瑛太さんの印象はいかがですか?
瑛太さんとは3回目の共演になりますが、こんなにしっかりと目を見てお芝居するのは初めてです。印象としてはとても心が大きい方で、なんでも受け止めてくださる方だと感じています。
私は撮影が始まる前からすごく緊張していて、瑛太さんはそれをくみ取ってくださって、事前に2人でお話をする時間をくださいました。そこでいろいろとお話させていただいたのですが、夫婦という長い時間を共に過ごしてきた家族の空気感を作るには、大切な時間でしたね。
結婚自体、私はしたことがなくて未知なところもあるので、瑛太さんにいろいろと相談をさせていただきたいと思っています。
──奈緒さんが地元・福岡にいる際に共演して、上京の相談をしたこともあったと聞きました。そういう存在の永山さんと夫婦役を演じることへの思いはありますか?
本当にご縁だなと思います。瑛太さんとも「夫婦役ができるって、面白いよね」とお話していました。
最初にご一緒したときは、まだ福岡にいて、お芝居を本格的にやるために上京を考えていたときでした。そのときに、瑛太さんに上京の相談をしたのですが、今こうやって東京で改めて出会えて、夫婦という役ができるというのはものすごく心強くて幸せです。
あのときより成長した姿を見てもらえるように頑張ります。
──みちが次第に惹かれていく上司・新名誠を演じる岩田剛典さんの印象はいかがですか?
今回初めてお会いしたのですが、壁を感じさせない方なのでお話しやすかったですし、優しい空気をずっと放たれていました(笑)。そういう部分は、演じている新名さんと通じるところがあります。
みちがつい新名さんに寄りかかってしまうような、寄り添いたくなるような、寄り添ってくれるような空気感をこれから一緒に作っていけるのが楽しみです。
あと絶対にお伝えしておきたいことがあって。初めてお会いした日に、岩田さんからお酒をいただいたんです。私の誕生日をご存じだったみたいで、「お誕生日でしたよね?」「お酒お好きなんですよね?」と。
初対面の日にですよ?なんていい人なんだろうと思って、これは絶対に言わなきゃと思っていました(笑)。
──そのお酒は飲みましたか?
まだ大事にとってあります。できれば、初回の放送日に開けようかと思っています。
──主演として、「こういう現場にしていきたい」と思っていることはありますか?
私自身は緊張がまだあって、主演としてというのは難しいのですが、スタッフさんはチームとして出来上がっていて、撮影の初日から現場はすごく居心地が良かったんです。早く緊張を解いて、皆さんの空気感に馴染みたいですね。
あとは、現場ではスタッフさんのあだ名が飛び交っていて。私もそのあだ名で皆さんのことを呼べるようになりたいと思っています。それが、今一番の目標です(笑)。
──撮影で、楽しみにしていることはありますか?
桜が出てくるシーンの撮影が楽しみです。この季節ならではですから。桜を撮影する日は、スタッフさんも含めてみんなで桜を愛でる時間が取れたらいいなと思っています。
初めての“嫉妬”を告白!「嫉妬は必ずしもマイナスな気持ちじゃない」
──本作は、主人公が悩みを人に打ち明けたことで物語が大きく展開していきます。ご自身は「悩みを話して何かが変わった」という経験や、「悩みを打ち明けてよかった」という経験はありますか?
「DOORS」という舞台をやらせていただいたときに伊藤万理華ちゃんと共演したのですが、そのとき初めて“嫉妬”という感情を知りました。
私はすごく万理華ちゃんが好きなのですが、毎日顔を合わせて稽古をする中で、あまりに万理華ちゃんがステキすぎて…ちょっと悲しいというか、それまでに感じたことのない気持ちが湧きおこって。いろいろと考えていて「あ、これはきっと嫉妬なんだ」と気づきました。
それから、すぐに万理華ちゃんに言いに行ったんです。「今まで誰かに対して嫉妬を感じたことがなかったけど、世の中にこんなにステキな子がいたんだと思って、やきもちを焼いてた」と。
そうしたら万理華ちゃんも「ありがとう」と言ってくれて、自分の気持ちもスッキリして。嫉妬という気持ちは、必ずしもマイナスな気持ちじゃないんだと、前向きに捉えることができて、本当に打ち明けてよかったなと思った体験です。
この経験から、自分の中で新しい気持ちが生まれたら、合ってるかどうか分からないけど、誰かに打ち明けようと思いました。
──ご自身に理想の夫婦像はありますか?
前に何かで読んでいいなと思ったのが…相手がお菓子を食べているときに、無言で手を出したら、何も言わずにお菓子を分けてもらえるような夫婦です。
散歩が好きで、よく公園を散歩するのですが、花を見ながら特に何もしゃべっていないご夫婦をたまに目にすることがあって。年を重ねた先で一緒にいられるということもステキですよね。
それまでにきっといろいろなことがあって、それは周りにいる私たちには分からないけど、たとえ無言でも「一緒に花を眺めている」ということだけで、本人たちは幸せなのかもしれない。そういう関係は理想だなと思います。
──「あなたがしてくれなくても、私はやります!」という、譲れないことやこだわりはありますか?
お皿の拭きあげは好きなので、人がしてくれなくても、私がやります(笑)。
シルバーの食器は特にですけど、洗った後に放っておくと水垢みたいな痕がついてしまうじゃないですか。それ自体は全然気にならないんですけど、拭きあげたときに「本来の姿はこうだったのか!」っていうくらい、スプーンやフォークが光り輝くのを見ると、「好きだなぁ」と思いますね。
日常のちょっとしたことで、心と時間に余裕があるときにできることだと思うのですが、ピカピカの食器を見ると気持ちが上がるので、拭きあげは大事です。
──最後にドラマの見どころをお願いします。
今まで、出演する作品に関して「面白そうだね」などと声をかけられたら、「ご家族で見てください」とか「楽しんでください」という言葉を返していたのですが、今回の作品は扱うテーマがテーマなので、そういう言葉を今は飲み込み続けていて。
自由に見るシチュエーションを選んでいただける作品なのかなと思っています。ご家族で見ることで何かのきっかけになるかもしれないし、まったく2人の関係性に関して悩みのないご夫婦で見ても楽しんでもらえるかもしれないですし。
劇中で描かれる二つの夫婦が「こういう夫婦もいるんだ」と皆さんに信じてもらえれば、絶対に希望になると思うんです。彼らの行きつく先がどこだったとしても、皆さんに希望を持ってもらえるドラマにしたいです。
撮影:今井裕治
スタイリスト:岡本純子(Afelia)
ヘアメイク:竹下あゆみ
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