話題の芸人3人が「芸人の引き際」について語りました。
6月11日(日)の『ボクらの時代』は、芸人スペシャルの1週目(2週連続放送)として、なかやまきんに君、長谷川雅紀(錦鯉)さん、とにかく明るい安村さんが登場しました。
長谷川雅紀 ブレイクにこれだけ時間がかかった原因
現在、芸歴29年目の長谷川さんは、2021年の「M-1グランプリ」優勝までは、長い下積み時代がありました。
自身が遅咲きだったことについて…。
長谷川:僕は、お笑い始めたばっかりのころ、1年目とかが一番、なんていうの、お笑いに対して…。
安村:熱があった?
長谷川:熱があったなって。振り返ってみたら、やっぱり思いますね。
安村:1年目って、だいぶ前ですよ(笑)。
きんに君:だいぶ前ですね。
長谷川:いやいや、言い方があるかもしれないですけど、そのころはなんか、とがってたっていうのももちろん…。
きんに君:ああ、若さゆえ。
長谷川:そうそう。若さゆえに「人のネタ見ても笑わないぞ」みたいな。こんな僕でも、そんな時代が。
きんに君:みんな、ありますよね。
長谷川:みんな通るじゃないですか。しかも僕は、お笑い始めたばっかりのとき「人がやったことないこと、見たことないようなことがすごいんだ」と思っていたから。
安村:はい。
長谷川:僕、札幌出身なんです。札幌でやってたころ、タカアンドトシとか、アップダウンとか、そういうのがいたときにやっていたんで。タカアンドトシとか、ほかの人たちは結構ベタというか、わかりやすいのをやっていて。
安村:そうですね。漫才をやって。
長谷川:そう。僕は、シュールといえば聞こえはいいんですけど、ただわけがわからないだけなんですよ。だけど、それが新鮮に見えてというか、ちょっと変わってることやってるふうに見えて。それで「ああ、君たち面白いね」みたいな感じで、(事務所)所属にしてくれたみたいな。
きんに君:周りにタカトシさんとかいて、どんどん売れていくわけじゃないですか。ウケたりとか。仕事がないときって、焦りとかっていうのはありました?
長谷川:僕の性格なんですけど、そこまで嫉妬とかがなかったんですよね。それが、(ブレイクまで)これだけ時間がかかった、っていう原因でもあると思うんですよ。
きんに君:いい意味でも、マイペースだったりっていう感じで、あまり気にしない?
長谷川:そう。「悔しい」とか「あいつに絶対負けねえよ」とか「蹴落としてでも…」みたいな気持ちがないから。だから、タカトシが世に出ていったときとかは、すごいと思ったし。
安村:「悔しい」みたいのは、なかったですか。
長谷川さんは「悔しい」というよりは「すごいな」という気持ちが強かったと語り、安村さんは驚きの声をあげました。
なかやまきんに君 アメリカへの筋肉留学決意のきっかけは、レイザーラモンHG
一方、きんに君は「僕、それちょっとわかるかもしれない」と、自身の転機について振り返りました。
きんに君:僕、肉体派でテレビ出してもらって、珍しいからいろんなオファーがいっぱい来たんですよ。『筋肉番付』系とか、体力を使う系とか。そこへ、レイザーラモンHGさんが出てきたんですよ。とんでもなく売れたんですよ。
安村:売れましたね。
きんに君:そして、今までは僕がやっていた肉体派の仕事が、全部HGさんにいったんですよ。でも、そのときでも、本当にきれいごとじゃなくて、僕は全然「悔しい」とか、なかったんですよ。
長谷川:普通なら、(仕事)取られて悔しいとか…。
安村:そうですよね。キャラ変えようかなとか。
きんに君:でも、僕はそれがきっかけで「もっと頑張らないと」と。「HGさんがここまでいったから、僕はもっと頑張らないと」ということで、それでアメリカの筋肉留学っていうのを決意したんですよ。
安村:えー、HGさんの影響で?
きんに君は「アメリカでやってやる!という気持ちで行きました」と、当時の思いを語り、アメリカでも持ちネタの「マグマスパゲティ」は「結構ウケたんですよ」と説明しました。
とにかく明るい安村 イギリスで「人生で一番ウケました」
それを聞いた長谷川さんが、お笑いは「言葉じゃない」と語ると、話題はイギリスの公開オーディション番組「ブリテンズ・ゴッド・タレント」で日本人初の決勝進出を果たした、安村さんのチャレンジへ。
きんに君:すごかったよ、イギリス。
安村:行きました。
きんに君:あれ、とんでもなくウケてたね。
安村:とんでもなくウケました。本当、人生で一番ウケました。
きんに君:あれはもう、普通のお笑いのステージの天井をたたき出したような。もう、あれ以上のウケはないだろうっていう域じゃない。
長谷川:(笑)。
安村:片言の英語も、良かったのかもしれないですね。
きんに君:うん。確かに、ああいう雰囲気もね。すべてセットで。
きんに君が「心境的にはどうだったの?」と聞くと、安村さんは「自分的にはもう8年前のネタ。8年前からずっとやってるネタだから、新鮮味はなかった」と語りました。
きんに君:自分としてはね。
安村:日本でやっても、もう全然、ウケないですよ(笑)。裸で、劇場でやっても、お約束みたいな感じで、お客さんもなんかこう…笑顔じゃないけど、拍手だけするみたいな。
きんに君:いや、笑顔よ、笑顔!
長谷川:はははは!一番嫌なやつじゃないですか。拍手だけって(笑)!
安村さんは、きんに君に海外進出に関して相談する一幕も。
安村:どうですか?アメリカに住んでたじゃないですか。アメリカへ行って戻ってきたじゃないですか。2~3年、イギリスで仕事があるってなったら、行ったほうがいいと思います?
きんに君:絶対、行ったほうがいいでしょう。
安村:英語しゃべれないんですよ?
きんに君:ああ、そうか。それもあるのか。
安村:持ちます?2~3年、あのネタで。
するとそこで、長谷川さんが「日本で流行った(他人の)ギャグを全部、やればいい」と言い出して…。
安村:(笑)。クソ野郎じゃないですか、俺。
きんに君:もう、日本に戻ってこられなくなりますよ。
安村:絶対、もう入れてくんないですよ。日本で。
長谷川:日本を捨てるの!
安村:「日本を捨てるの」って(笑)。
長谷川:世界へ行くために。
きんに君&安村:(笑)
長谷川さんの提言に大笑いしつつ、きんに君が「でも、楽しみでしょう?」と声をかけると、安村さんは「楽しみです。この年で、41でそんなんなるなんて」と、予想もしていなかった展開とこれからに期待を寄せました。
アスリートは50歳から急に良くなることはないけれど、お笑いは…
鼎談の最後は「芸人の引き際」について、思うところを語り合いました。
安村:きんに君さん、どうなんですか?決めてるんですか?
きんに君:やっぱ「パワー!」で、やや小さめの「パワー」をやりだしたら、もうやばいじゃないですか。
安村:だって、パワーがないですもんね(笑)。
長谷川:わはははは!どっちもあるじゃないですか。もう本当、死ぬまで、ぎりぎりまで舞台に立って、体が動く限りやって、それで引退というパターンもあれば、潔く年齢を決めて、パッて…衰えた姿を見せたくないという美学。
きんに君:でも、お笑いでね…。
安村:できます?まだできるのに、引退って、できます?
長谷川:いや、どうなんですかね。だから、それがね。
安村:だって俺、痩せて、体壊して、もうできないかなと思って、下も緩くなっておむつになって。でも、「安心してください、おむつはいてますよ」って言ったら、ウケますもん、たぶん。そうなると、やめられないですよ。また何十年も。
きんに君:また新しい展開になるよね。
安村:そうそう。
きんに君:アスリートはもう、年齢がきたら、50歳から急に良くなるってないけれども、お笑いは…。
安村:ありますもん。また、グッと。
きんに君:「70でまだやってんのかい!」で、1回また(波が)いつ来るかわからないから。
安村:また第2、第3のブームが。
長谷川:確かに!
3人は「やめずに続けていれば、何か面白いことが起きる」と、お笑いの可能性を語り合いました。
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