夏休みに増加する不登校の子供との向き合い方について、考えました。
女性が気になる話題について、スタジオで生討論を繰り広げるフジテレビ『ノンストップ!』の金曜恒例コーナー「ノンストップ!サミット」。
8月25日(金)の放送は、認定NPO法人カタリバ代表理事の今村久美さんをスタジオに迎え、「子供が学校に行きたがらないとき、親はどうすればいい?」というテーマで、MCの設楽統さんと三上真奈フジテレビアナウンサー、千秋さん、虻川美穂子さん、ユージさん、「婦人公論」元編集長の三木哲男さんが話し合いました。
夏休み明けに増える不登校…原因はひとつではないケースが多数!
夏休みに限らず、長期休み明けに増える不登校。今村さんによると、そこまで頑張ってきたものが休みで途切れ、学校に行くのが辛くなってしまうのだそうですが、学校に行けなくなる原因は「いじめ」など、ひとつとは限らず、定まらないケースが多いといいます。
番組では、不登校に関する親専用のオンラインコミュニティ「親コミュ」に参加している保護者を取材。小2の2学期から不登校になった中3女子の場合、最初は「先生が厳しい」と子供が訴え、小1の2学期から不登校になった小5男子の場合は「運動会の練習が嫌だ」と言い始めたのがきっかけだったといいます。
両者とも、「担任が変わる」「運動会が終わる」と子供にとっての「問題」が排除されれば学校に行けると保護者は考えていたそうですが、不登校の状況は続き、中3女子は「理由がわからない」と自己分析。「運動会」のあとも、さまざまな理由で学校を休み続けたという小5男子の保護者は「親が納得する理由を並べていただけかも」と、当時のやりとりを振り返りました。
今村さんは「親にとっても初めての経験だから困ると思うが、まずは何が起きているのか観察するしかない。重要なのは、保護者と子供が安心できる環境を作ること。また、子供が言葉で伝えてきたことは氷山の一角にすぎないことも覚えておいてほしい」と訴えました。
ママ友の子供が不登校になったという千秋さんは、「最近は、無理に学校に行かせなくていいという風潮だが、ママ友はこのまま中学、高校も学校に行けず、大人になってしまったらどうしようかと悩んでいた。その気持ちはよくわかるし、正解は見つからないと思う」と、当事者の思いを代弁しました。
「原因を探るより好きなものを見つける手伝いを」ユージが保護者へアドバイス
文部科学省がまとめた不登校の主な原因には、「いじめ」「友人関係との問題」「教職員との関係」「進路にまつわる不安」「家庭内不和」「生活リズムの乱れ」「無気力・不安」などがありますが、今村さんは「これは学校の先生が原因として把握して、教育委員会に報告したもの。これだけが本当の理由とは限らない」と言い添えました。
例えば、ここでは「無気力」が「不登校の原因」とされていますが、そもそも「無気力」になった原因があるはずだという今村さん。
ユージさんは、「原因を見つけるのは難しい一方で、好きなものを見つけたときの子供の表情なら親にはすぐにわかる。子供と一緒に好きなものを見つけるほうに、寄り添ったほうがいいのかも」と提案しました。
不登校になる前に子供が発信するSOS…親はどう対応する?
認定NPO法人「カタリバ」がまとめた、不登校になる直前に子供たちが発する「SOS」の例(学校や友達の話題が減る、食事中の会話が減る、食欲がない、トイレやベッドにいる時間が長くなるなど)も紹介されました。
今村さんが「このほかに『頭が痛い』『お腹が痛い』と訴えるケースが多かった」と言うと、ユージさんは「朝、お腹が痛いと言って学校を休ませると、元気になることがある」と不登校未満の子供の「あるある」を。
千秋さんは「ママ友の家の場合、家庭環境にも問題はなく、親は原因が思い当たらなかったので、『無理やり学校に行かせるパターン』と『そっと様子を見るパターン』の両方やってみたらしい」とママ友の経験を語り、今村さんは「保護者の方がだいぶ頑張りましたね」と寄り添いました。
虻川さんが「お腹が痛くなるほどのストレスは相当だと思うけれど、自分が思春期のときには親に言えなかったかも」と親が気づけないケースも多いのではないかと指摘すると、今村さんは「初めてのことで、親も気づくのは大変」と同意しました。
「学校に通う」はゴールではない!行きたくない気持ちをまずは受け止めて
今村さんは「子供が『学校に行きたくない』と言い始めたときが、親にとっては『スタート地点』だが、子供にとっては頑張った末の『ゴール』かもしれない」と考え、子供の「行きたくない」を受け止めたうえで、保護者は「どこまでなら背伸びして挑戦できるか」という「ストレッチゾーン」を探す手伝いをしてほしいと語りました。
また、「同じ時間に学校に行ってみんなで教室に並んで、全員が機械的に同じ課題に挑戦する」という、学校のシステムそのものを負担に感じている子供も多いのではないかと推測。
今村さんによると、「学校に『通う』ことがゴールではない」と保護者が理解したうえで、「オンラインの授業なら受けられる?」など「背伸び」の仕方を見つけていくのが理想なのですが、実際にはそれも非常に難しいとのこと。
「学校に行きたくない」と子供が言えない状況を作ってしまった…保護者の後悔
番組が取材した「親コミュ」の参加者の一人は、「学校に行きたくない」と子供が訴えたときに「子供が学校を休んだら、自分も仕事を休まなければならない」と追い詰められ、「週1で在宅ワークにするから、それ以外の日は学校に行こう」と子供に提案。子供もなんとか学校に行っていたそうですが、ある日パッタリ行くことができなくなったといいます。
母親は「子供が『学校に行きたくない』と言えない状況を作り、言っても無駄だと思わせてしまった。そこで初めて、自分が子供を追い詰めていることに気づいた」と涙を浮かべ、「自宅で毎日過ごすうちに子供が笑顔を取り戻し、学校に行きたくなくなった理由も話せるようになった。今では不登校は大したことはないと思えるけれど、そこに行き着くまでが大変だった」と率直に振り返りました。
今村さんは「『毎日学校に行く』など、『常識』だと思っているものを変えていくのは、とても大変。周囲からもいろいろ言われるので、子供を真ん中にして考えるのではなく、親は社会常識を意識して考えてしまう」と、保護者の思いを代弁。
それでも「『理解してくれなくて苦しいときもあったけれど、親が考え方を変えてくれた』という経験を経て、親子関係が良くなることもある」と言い添えました。
学校だけが「学びの場」ではない…他者との関わりを途切れさせないためには?
今村さんが支援の現場で感じたことを視覚化した、「心のエネルギーのグラフ」も登場。今村さんの経験によると、エネルギーが下がって不登校になっても、その後エネルギーが溜まって回復して行く人のほうが多いのだそうです。
三木さんは「エネルギーが減った子供と向き合いすぎて、親のエネルギーも下がってしまう。そうならないためにどうすればいいのか、考えなければいけない」と、今後の課題を指摘しました。
エネルギーが回復して子供の気持ちが外へ向いたときの、学びの場も紹介(不登校特例校、フリースクール、オンラインスクールなど)。
今村さんによると、文科省も学校以外の場所で学び続けられる環境作りを応援しているそうですが、金銭的な負担は各家庭に求められる状況が続いているのだとか。
千秋さんは「昔は『不登校=変わった子』という認識だったが、『学校に行かないパターンもあるよね』というのが常識になれば、親も余裕を持って対応できるかも」とコメント。
ユージさんが「学校ではもちろん勉強もしてほしいけれど、いろいろな人がいる小さな社会を見てきてほしいという思いもある。そういう学びならオンラインでも可能では?」と言う通り、近年では「メタバース登校」も登場。認定NPO法人カタリバではアバターで学校に参加して授業を受けたりできる「room-K」という取り組みを行っているそうです。
今村さんは「人は人と関わりながら生きていくもの。不登校になった人にとって『外に出る』ことは大きなハードルだが、自宅の部屋から人と繋がれる環境があればそのハードルが下がり、人と人との関わりを途切れさせないことができる」と、「room-K」の利点を語りました。
「room-K」以外にも、近所の囲碁教室など、さまざまな「居場所」が不登校の子供のために開かれているそうで、「親が1人で抱えると『キー!』となってしまうが、学校に行かなくても人と関わることのできる場所があることを知ってほしい」とメッセージを送りました。
また、以下、オンエアはされませんでしたが、7月には世界で初めて「不登校生 動画選手権」という大会が開催。不登校当事者から「学校へ行きたくない私から学校に行きたくない君へ」というテーマで60秒の動画を募集したこの大会には、不登校を経験した人や現在不登校の人から多くのメッセージが集まりました。
最優秀賞には、フリースクールで友だちと居場所ができたことを表現した動画が選ばれ。動画を制作した、ひなたさんは「学校以外にも自分の居場所はあると伝えたかったです。不登校は恥ずかしいことではないと思います。」と不登校に悩む人たちにエールを送っています。
視聴者からは、「今週の月曜日から学校が始まり、毎日泣きながら登校している。学校に行くと普通に遊んでいるそうなのだが…」というお悩みも到着。
今村さんは「だいぶ“来ている”状態に思える。親が、頑張っている子供を認められることも大切なので、経験者に話を聞くなどしてほしい」とアドバイスを。
また、「低学年の子が不登校になり、自分も仕事を休んでしまっている。このまま仕事を続けられるのか?」という視聴者には、虻川さんが「頑張りすぎずに、みんなの力を借りてやっていけたらいい」とエールを送りました。
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