『いちばんすきな花』第2話完全版
小学校の同窓会に参加した潮ゆくえ(多部未華子)は、当時仲の良かった友人の結婚式に自分だけ呼ばれていなかったことを知る。
その後、実家に帰省したゆくえは母・みきこ(神野三鈴)から、同窓会でどうせ愛想笑いをしていただけだろうと言われ、さらに、みきこから人間に一番必要なのは社交性や愛嬌、気配りだと言われるが、ゆくえはいまいち納得がいかない。
コンビニのバイト終わりで帰ろうとする佐藤紅葉(神尾楓珠)は、バイト仲間たちが自分のイラストを褒めておけばシフトを代わってくれると話しているのを聞いてしまう。だが、紅葉が彼らを責めることは無い。
春木椿(松下洸平)が実家の花屋に帰宅すると、母・鈴子(美保純)と弟・楓(一ノ瀬颯)が出迎えた。椿の新居での生活を尋ねる鈴子に、椿は結婚はしないと告げる。
友人の結婚式に参加した深雪夜々(今田美桜)は、新婦の両親への手紙に涙ぐむが、帰り道、他の友人たちに感動している演技が上手いと言われてしまう。彼女たちは感動の強要と醒めていたのだ。夜々は、そんな友人と話を合わせるが…。
夜々がアパートに帰ると相良大貴(泉澤祐希)がいた。恋人ではなく「友だちからで良い」と言う相良に、夜々はなぜ友だちのほうが格下のような言い方なのかと告げて逃げる。
夜々が公園に入るとそこには、紅葉がいた。相良に追いつかれると、とっさに紅葉の腕をとり、恋人を装う夜々。すると相良は紅葉に、夜々は顔だけの女だと言って立ちさった。
夜々と紅葉は、2人きりになると気まずい雰囲気に。すると夜々は椿の忘れ物があると言いだし…。
その頃、ゆくえは学習塾で望月希子(白鳥玉季)に答案を返していた。
そこに、小野寺学(菅原大吉)が入塾予定の穂積朔也(黒川想矢)を連れてくる。すると希子は教室を出てしまった。
面談を終えたゆくえは自習室にいた希子に、朔也が同じ学校の同じクラスだと伝える。教室に行ったほうが良いかと尋ねる希子に、ゆくえは席があるなら行っても行かなくても同じだと答えた。
夜々と紅葉は、椿の家を訪ねるが会話がもたない。すると、紅葉がゆくえに連絡をする。
ゆくえは、前回訪ねた際に3人のトラウマを掘り返してしまったことを叱られると覚悟して椿の家へ。しかし、紅葉が勝手に呼んだだけだと知って胸をなでおろした。
ゆくえは、苦手な同窓会に出席したことを話しだす。苦手なのに出席したのは、行かなくても他人の感情を勝手に想像して傷つくから同じだと言うゆくえ。
そして、中学生の時に見たちびっこ相撲大会の話に続ける。大人の体格の子と小さい子の戦い。周りの大人たちは大きな体格の子を“恵まれている”、小さい子を“可哀想”だと言う。
ゆくえもそう思って観戦したが、結果は小さい子が勝利。周囲は感動していたが、ゆくえは負けた子が相撲を続けられるのかと考えて泣いてしまったと明かした。
みんなと同じ気持ちになれないことが怖い。ゆくえにとって、そういう気を使わずに2人でいられる友人が赤田鼓太郎(仲野太賀)だったのだ。だが、赤田はゆくえの元から去ってしまった。
椿、紅葉、夜々は、それぞれに気を使わなくて良い友人を求めていた。
椿の家からの帰り道、夜々はゆくえに自分のことを話しだす。
交換ノートをしたことがあるかとゆくえに問われた夜々はやっていたし、そういうものはすぐに回したと答える。夜々は嫌われたくなかっただけだったものの、それがグループのメンバーにとっては「圧力をかけられている」と思われていたことを後に知ったと言う。
夜々は自覚も希望もしていないのに、グループの中心的な存在にさせられていたのだ。
ゆくえは、男子にもそんな仲良し儀式的なことがあったのかとふと思う。すると、ゆくえと夜々は「あの2人に聞いてみますか?」と意見が合った。
一緒に乗っていたバスからゆくえが先に降りる。夜々は、ゆくえが座っていた席にボールペンを見つけて…。
一方、春木家には紅葉が残り、後片付けを手伝っていた。学校の授業の話になり、椿が教室移動のある教科が苦手だったと言うと、紅葉が同意。椿と紅葉も「あの2人に聞いてみますか?」となった。
片付けを終え、ハンカチを取り出した紅葉は、忘れ物をしていくとその場に置く。微笑む椿に、紅葉は忘れ物を取りに来る時は、またあの2人を誘って来ると言って帰っていった。
みんなが帰り、静かになった家に椿がいると玄関のチャイムが鳴る。扉を開けると、そこには「忘れ物をしちゃって」と言う元恋人の小岩井純恋(臼田あさ美)がいて…。