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草彅剛×星護＝『世にも奇妙な物語』

こんなビッグニュースに心躍らないドラマファンはいないでしょう。

11月11日（土）に放送される、土曜プレミアム『世にも奇妙な物語‘23秋の特別編』に草彅さんが出演します。

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本作といえば、「♪トゥルルルル、トゥルルルル」のテーマソングと、ストーリーテラー・タモリさんの「異世界に突き落としますよ」と言わんばかりのシニカルな佇まいでおなじみの人気シリーズ。

1990年4月からレギュラードラマとして放送を開始し、その後は特別編という形で年に2度放送されています。

今回、約11年ぶりに本作に登場する草彅さんが「永遠のふたり」で演じるのは、大学教授を殺害した犯人として疑いをかけられる助手の坂本一。

坂本は自身の無実を訴え、教授秘書の安藤リカ（大西礼芳）を人質にとり、研究室に立てこもります。

そこへ、警察の指揮を執る警部の二宮（江口洋介）が到着。説得を試みるも坂本はこれに応じず、警察が突入に踏みきったタイミングで意を決し、とあるボタンを押すと世界が一変し…という物語。

草彅さんと江口さんの共演は、当時28歳だった江口さんが若き社長、21歳だった草彅さんがその会社の社員を演じた『結婚しようよ』（1996年／TBS）以来、なんと27年ぶり。

それほどの時間を経て、共演を果たしたふたりの胸にはどんな思いが去来したのでしょうか。江口さんの軽妙なお芝居のなかに、答えの一端があるように感じてうれしくなります。

その江口さんと草彅さんのちょっと変わった“絡み”は必見です。

演出を手がけるのは、草彅さんが「個人的に思い入れのある監督」と評する星護さん。ふたりは、約12年ぶりのタッグとなります。

草彅さん×星監督といえば、ご承知の通り、『いいひと。』（1997年）、『僕の生きる道』（2003年）、『僕の歩く道』（2006年／すべて関西テレビ・フジテレビ系）、さらに、映画「僕と妻の1778の物語」（2011年）と多くの名作を生み出してきた強力コンビ。

『僕の生きる道』で、余命を宣告された主人公の秀雄が新婚旅行で行った温泉宿で「死にたくない」と泣きじゃくる場面――思い浮かべるだけで目頭が熱くなります。

『僕の歩く道』で自閉症の主人公・輝明が、パニックに陥ると「ツール・ド・フランス」の歴代優勝者を復唱していたことから、今も「ツール・ド・フランス」と聞くと、輝ちゃんを思い出すのは私だけではないはず。

さらに蛇足ですが、『僕の歩く道』で輝明が飼育員として働いていた動物園は、二本足で直立する姿が一大ブームを巻き起こしたレッサーパンダの風太くんがいる千葉市動物公園でした。

話を『世にも奇妙な物語』に戻します。

主人公の坂本が立てこもった研究室は古い洋館。怪しい霧が立ち込め、今にも何かが起こりそうな雰囲気。「ガーゴイル像はどこ？」つい、探してしまいます。

ガーゴイル像とは星監督が自作品にたびたび登場させるもので、『放課後』（1992年）や『ヘルプ！』（1995年／ともにフジテレビ）など、観月ありささん主演作品でも定番になっていた銅像。

今回もどこかに登場するのではないかと、期待が高まります。

人質をとった立てこもり犯と刑事、そして、機動隊員たち。1分1秒を争う緊迫した事態を、登場人物のアップを多用したカットがより緊張感のあるものに仕立て、さらに、セピアがかった映像が時代や時間帯などを曖昧なものにし、“世にもワールド”へといざないます。

また、今作の重要なアイテムになっているのが、二宮警部が研究室で発見したスマホに残された動画。

坂本がなぜこんな行動に至ったのか、そして、研究室内部で何が行われていたのかの一部始終が、坂本自身の手によって記録されたものです。

これは草彅さん本人が撮ったものだそうで、自撮りならではの臨場感あふれる映像に、きっと釘付けになることでしょう。

今作で、草彅さんが表現する、追いつめられた者の困惑、悲哀、怒り、絶望、そして一縷（いちる）の希望といった感情の数々は、やはり圧巻で魅了されます。

“世にも”らしいゾクッとしっぱなしの展開とともに、ご堪能ください。

見終わった後は、「永遠のふたり」というタイトルについて、改めて考えさせられること請け合いです。

そのほか、北村一輝さん主演「地獄で冤罪」、溝端淳平さん主演「トランジスタ技術の圧縮」、西野七瀬さん主演「走馬灯のセトリは考えておいて」も、土曜プレミアム『世にも奇妙な物語’23秋の特別編』として放送されます。

text by 荒垣信子

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