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「第35回ヤングシナリオ大賞」は阿部凌大さんが大賞受賞!次の『silent』を生み出す“スター誕生スタイル”で選考_site_large

「第35回ヤングシナリオ大賞」は阿部凌大さんが大賞受賞!次の『silent』を生み出す“スター誕生スタイル”で選考

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今年のヤングシナリオ大賞の、大賞と佳作の受賞作が決まりました。

「第35回ヤングシナリオ大賞」受賞会見が、11月20日(月)にフジテレビ本社にて行われ、大賞と佳作受賞者の4人、審査委員長のフジテレビ・村瀬健プロデューサーが登壇しました。

「ヤングシナリオ大賞」は、坂元裕二さん、野島伸司さん、野木亜紀子さんなど、大勢の人気脚本家を輩出してきたコンクール。一昨年の大賞受賞者・生方美久さんは、現在放送中の木曜劇場『いちばんすきな花』、『silent』の脚本を手掛けています。

<『silent』村瀬健P×脚本家・生方美久が語る舞台裏「ことさらに演出をしない」>

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左から)内山哲生さん、島崎杜香さん、片岡陸さん、阿部凌大さん、村瀬健プロデューサー

今回、応募総数1,679編の応募の中から大賞に選ばれたのは、阿部凌大(あべ・りょうた)さんが書いた「高額当選しちゃいました」。

会見冒頭、村瀬プロデューサーは、2年前の生方美久さんの大賞受賞が『silent』のヒットに繋がった経緯を振り返り、今年から最終審査方法は「オーディションスタイル、“スター誕生”スタイルに変えた」と明かします。

審査委員が最終選考に残った人の中から「この人に会いたい、この人と一緒に仕事をしたい」と思う人と直接会ってもらうスタイルを採用し、「大賞を作って終わりではない、すぐ作品に繋げたい」という熱い思いを語りました。

「まず面白いものを作るというのが大前提」

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大賞を受賞した阿部凌大さん

阿部さんは「審査委員との巡りあわせで選ばれたことに感謝したい。作品だけでなく僕らの将来性にまでベット(賭け)していただいた、期待に応えられるように大きく育って、いつかこの賞自体への恩返しができれば」と、緊張気味にコメント。

「高額当選しちゃいました」は、児童養護施設育ちの幼なじみ4人が宝くじの共同購入をし、1等の7億円の当選を確認するが、翌朝にその宝くじは姿を消してしまい…。犯人捜しをするうちに、それぞれが抱えていた“本当のこと”が打ち明けられていく、という物語。

選考委員からは「二転三転しながら、いい意味でこちらの予想をどんどん裏切っていく展開も楽しめた。雰囲気に逃げることなく、ギミックをしっかり作り込んで面白いストーリーを作ろうとする気概というか姿勢を高く買った」と評価されました。

元々、お笑いが好きで、演劇制作にも関わっていたという阿部さんは現在24歳。今後の作品については、「まず面白いものを作るというのを大前提として、そのうえで自分にまだ足りない、人間を描く力であったり構成だったりといった必要なことを、目の前のものを一個一個必死にやっていけたら」と、展望を語りました。

初めて書いた作品で佳作受賞

片岡陸(かたおか・りく)さんが書いた「イージーライフ」(佳作)は、ストレスが溜まるたびに公園でギターを弾くコールセンターに勤める男と、喫茶店の店主との出会いを基に、様々な人間模様を描いた作品。

独学で学び、人生で初めて書いた脚本だということに「大きな可能性を感じて」の佳作受賞となった片岡さん。審査委員は「クレーム電話を通しての出会い、そしてそれを『歌声』に繋げていく設定が面白かった。それを見つめる目線も含め、センスの良さを感じた」と、評価しました。

現在、会社員で26歳の片岡さんは、「普段あまりドラマを見ない」と前置きし、「年末に『silent』をたまたま見たら面白くて、発売されたシナリオブックを読んで、2月の応募締め切りに向けて書いた」と、明かしました。

受賞について「自分にどこまでの器量があるのかわかりませんが、今後もある程度は縁や成り行きに身 を委ねつつ、いざ脚本を書く時分になれば、全霊を懸けて取り組んでいく所存です」と決意をコメントしました。

昨今の世界的な風潮を取り入れるセンス

島崎杜香(しまざき・もにか)さんが書いた「クロスロード」(佳作)は、無力感を抱えながら生きてきた会社員と、縁もゆかりもない田舎町で農家を営んでいる夫婦、幼なじみの男子高校生たちが織りなす、人生の分岐点とその交わりを描いた作品。

審査員からは「何種類かの『人生につまづいた人たち』を、計算された設定のもとで描く意欲作。彼らが交わったり、交わらなかったりする様を、絶妙にずらした時間軸で描くところに、昨今の世界的な風潮を取り入れるセンスを感じると同時に、それを形にする力も感じた」と、将来性も含めて評価されました。

現在、大学生で21歳の島崎さんは、2022年から脚本の執筆を開始。昨年の最終選考に残り、今回晴れて佳作を受賞。

「自ら命を絶とうとしている方の気持ちを完全に理解したり、その原因を根本的に解決することは私にはとてもできないと思いますが、誰かが人生を諦めようとするタイミングを一回くらいずらすことなら偶然にもできうる気がします」と、作品に込めた思いをコメントしました。

リアリティのある台詞や感情表現が、多くの女性審査員から共感

内山哲生(うちやま・てつお)さんが書いた「わたしたちの失恋」(佳作)は、大学生の恋人同士が別れ行く様子を丁寧に描いた物語。

審査員からは「リアリティのある台詞や感情表現が、多くの女性審査員の共感を得た。設定や展開に映画『花束みたいな恋をした』からの影響を感じるところもあるが、人の心を丁寧に描こうとする姿勢と好感の持てる視点に期待して、佳作に選出した」と評価を受けました。

現在、25歳の内山さんは、すでに配信ドラマでの脚本・監督デビューを果たし、キャリアをスタートしたばかり。「この世界に浸っていたい、見ていると胸のここら辺が熱くなって盛り上がっちゃうみたいな作品を作りたい」とこれからの作品への展望について語りました。

「第35回ヤングシナリオ大賞」は阿部凌大さんが大賞受賞!次の『silent』を生み出す“スター誕生スタイル”で選考_bodies

最後に村瀬プロデューサーは、「良い意味で今年は接戦だった」と統括し、「この4人それぞれとやりたい企画があります、僕の中では脚本家を4人見つけたみたいな気持ち」と、受賞者への期待感に目を輝かせました。

大賞受賞作「高額当選しちゃいました」は、2024年にFOD、フジテレビ系にて放送予定です。

<受賞コメント全文>

阿部凌大さん
この文章を書いているのは受賞の連絡を貰ってまだ一週間も経っていない今日ですが、およそ三週間ほどが経った授賞式の今も、恐らくはまだ実感が湧いていないのではと思います。こういうことを書くとなんだか良い子ぶっているようでもありますが、その代わりに湧き出てくるのは感謝の気持ちです。1年ほど前に体調を壊し、新卒で入った会社を退職し、それから自分の心も生活も支えてくれた両親と弟。励ましの声や思いをくれた友人や祖母や親戚、行きつけの美容院のおじさん。また今回、私の脚本だけではなく、恐らくは将来性や未来にベッドし、大賞を与えることを決めてくれた審査員の方々。

とにかくここから先は恩返しをする気持ちで頑張りたいです。まだまだ未熟な自分を、まだまだ伸びしろがあるのだと切り替えて、淡々黙々コツコツと毎日書き続けようと思います。そして少しでも力のある脚本家に成ることで、それがこの歴史あるヤングシナリオ大賞という賞自体への恩返しになるのだと思っています。 この度は本当にありがとうございます。またどうかお仕事をください。よろしくお願いいたします。

片岡陸さん
受賞の連絡をもらってから、誤字脱字のチェックを兼ねて、再度原稿を読み直してみました。なんというか、贔屓目に見ても、粗だらけの作品だと思います。正直、未だに恥ずかしいような気持ちがあります。一方で、そんな物語に何かを感じてくれた方がいる事実を改めて想い、まずは「世の中わからないもんだなあ」と冷静な感慨にしばらく耽ったものの、次第に、作品を通して身体の奥深い場所で誰かと繋がれたような、安堵にも似た感動で痺れるように鳥肌が立ちました。これはたぶん、初めての感覚です。本当にありがとうございます。今回の受賞を含め、身に起こる大抵のことは予想不可能で、つまり、全くもって手に負えません。自分にどこまでの器量があるのかわかりませんが、今後もある程度は縁や成り行きに身 を委ねつつ、いざ脚本を書く時分になれば、全霊を懸けて取り組んでいく所存です。

島崎杜香さん
「分かりやすく面白いドラマ」を書きたいという思いから、昨年度同様、最後に内容がつながるような構成づくりを一番大切にしました。自ら命を絶とうとしている方の気持ちを完全に理解したり、その原因を根本的に解決することは私にはとてもできないと思いますが、誰かが人生を諦めようとするタイミングを一回くらいずらすことなら偶然にもできうる気がします。『クロスロード』は、そうしてできた自分と誰かの小さな分岐点が、知らないところでそれぞれの前向きな未来につながっていることもきっとあるはずという思いをストーリーにしました。 脚本の実力以前に、さしたる人生経験もなく、知らないことも足りないものもありすぎますが、脚本を書くのは楽しかったです。好きだと思うことを見つけられた幸せと、いただいた佳作やお言葉に心からの感謝をして、まだ何もない分、必死に埋めていきます。見たい作品を書けるようになりたいです。よろしくお願いします。

内山哲生さん
「わたしたちの失恋」では、ストーリーよりも人間を丁寧に書くという点を重視しました。失恋間際の男女二人のそれぞれの感情の流れを丁寧に書き、誰しもが自分ごとのように思える作品になるように意識しました。また僕自身の人間に対する考え方をうまく入れこめた作品になったと思います。作品を書くにあたって一貫してやっていきたいと思っているのは、人間同士の関係を描くとき、一概にどっちが正義とか悪とか決めつけず、それぞれの立場から人間を書いていきたいと思っています。ラブストーリーでは、女性が主軸の物語を描いてみたいです。またヒューマンドラマは「彼女たちの時代」「ビーチボーイズ」のような人間誰しもが生きていく中で悩む答えのない問題をテーマにした物語を書いてみたいです。子供の頃から不気味な物語が大好きで、「世にも奇妙な物語」の脚本を書きたいです。またそういう物語を好きになったきっかけの作品である「あなたの隣に誰かいる」のような連続ドラマがやりたいです。

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