佐藤栞里 仕事を始めた小学生時代に父から言われ「今でもすごく心に残っている」言葉
12月17日(日)14時~『ザ・ノンフィクション』※関東ローカル
佐藤栞里さんが、自身の父親との関係を話しました。
佐藤さんは『ザ・ノンフィクション「娘に遺したいもの~”余命半年”の父より~」』(12月17日14時~/フジテレビ※関東ローカル)の“語り”を担当。
昨年末、末期がんを患う男性の妻から、番組に一通のメールが届いたことから取材が始まりました。医師から余命宣告を受けた健司さんは、小学生の一人娘に伝えたい思いをYouTubeで発信することにしました。
自分がいなくなった後も、愛する娘と妻が困らないように、できる限りのことをしようと奮闘しているのです。その深く大きな愛情と、健司さんを見守りつつも心配する妻、娘の日々をカメラが見つめます。
収録後には、ナレーションを担当した佐藤さんにインタビュー。自身も「愛情たっぷりに育ててもらっている一人娘」ということで、VTRを見た印象や自身の父親との関係などを聞きました。
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着々と“終活”を進める夫と、「生き急いでいる」と戸惑う妻
2022年12月、番組宛てに一通のメールが届きました。
それは「がんで余命半年を宣告された夫が、娘のためにYouTube動画の制作を始めました」というもの。
島根県の山間の町に暮らすその異色のYouTuberは、加治川健司さん(54)。末期がんを患い、医師から「余命半年」と宣告。そこから100本を超える動画を制作し配信しています。そこに映っているのは、一人娘の風花さん(11)への「メッセージ」です。
「失敗したら怖いからやめておこう…そんな理由で踏み出すことを躊躇(ちゅうちょ)したときは、お父さんを思い出して」
「お父さんは逝くときに後悔しないために選択は全部自分でしてきました。自分で選択して意志を貫いてほしい」
人生について、生き方について、そして命について…娘が成長した日に読んでほしいと、日々メッセージを記録しています。
健司さんが始めた“終活”は、ほかにも。風花さんが結婚したときに持参できるアルバム作り、また、家計の助けになればと闘病記も出版しました。「自分がいなくなってから、妻と娘が困らないように」との思いからですが、いなくなった後のことばかり考えている夫に、妻・靖子さんは「生き急いでいるのでは…」と戸惑いも感じています。
そんな折、風花さんが「北アルプスに一緒に登りたい」と言い出しました。そこは、健司さんが青春時代に何度も登った山。がんが進行する中での山登り。親子の挑戦の行方を見つめます。
<佐藤栞里 インタビュー>
――ナレーション収録を終えた感想を聞かせてください。
お話をいただいて、最初は正直、「私、大丈夫かな」とも思いました。ご家族のためにも、番組のみなさんの思いを背負えるんだろうか…と不安があったのですが、台本を読み、VTRを拝見して、想像以上に明るく愛にあふれたご家族だったので、私が悲しむというのも失礼な話なんですが、私も前向きといいますか、そこまで悲しい気持ちにならずに読むことができました。
――余命宣告された健司さんは、娘の風花さんに伝えたい思いをYouTubeで発信しています。そういった父の気持ちをどう感じましたか?
結婚相手の条件だったり、レストランに入ったらすぐに非常口を見つけておくように、とアドバイスしたりするお父さんの気持ち…私も風花さんのように、愛情いっぱいに育ててもらっている一人娘なので、すごくよくわかります。
健司さんはきっと風花さんにこういう思いで言ったんだろうというのが、もうひしひしと伝わってきました。
台本を読んだときも、健司さんの気持ちで一回目、風花さんの気持ちで二回目、妻・靖子さんの気持ちになっての三回目が、一番みなさんの気持ちになって読めた気がしました。
――健司さんと風花さんの関係は理想的な父娘に見えました。佐藤さんとお父さんとの関係はいかがですか?
風花さんがバレンタインデーに作ったスイーツをお父さんにあげて、それを食べたあとのお父さんの表情が、こちらまでちょっと赤くなっちゃうっていうくらい、すごく柔らかくてやさしい表情だったのが印象的でした。素敵な関係ですよね。
うちもとっても仲がよくて…私もまだ反抗期が来ていないので、両親は「いつ来るんだろうね」なんて話しています(笑)。
父はおしゃべりなほうなので、一般的なお父さんよりも思いを伝えてくれているとは思うんですけど、それでも健司さんを見ていたら、「父にももっとこういう思いがあるかもしれない」と感じ、私も、風花さんのようにもっとコミュニケーションを取ろう、と思いました。
それから、健司さんは病気をきっかけに、思いを伝えたい、残したいと思ったかもしれませんが、そういう大きなきっかけのようなものがなくても、近くにいる大切な人にほど、思いは言葉で伝えなきゃいけないと思いました。
見てくださる方にも、そんな思いになってもらえたらいいなという気持ちで、ナレーションに臨みました。
――健司さんは余命半年を宣言されたことで、いろいろな活動を始めます。自分やお父さんだったら…と考えましたか?
考えようとは思っても、なかなか同じ立場には立てないといいますか。自分がというより、父が…と考えたら、やはりまだ伝えていないことがありすぎるなと感じました。…つらい。
実家は東京なので、すぐ帰れるけど、忙しいことを理由に帰っていなかったり、「今日は言わなくてもいいか」と先延ばしにしたりしていることもあったな、と気づかされました。帰らねば、です。
――“娘に遺したいもの”というサブタイトルにかけて、佐藤さんがお父さんから“もらった”と思えるものはありますか?
私は小学生のころにお仕事を始めたというのもあると思うんですけど、そのころから「謙虚でありなさい」と言われています。
「仕事がうまくいかなくてもそうだし、もしうまくいったとしても、それは決して自分ひとりの力ではない。いつも必ず周りに支えてくれる人がいるはずだから、謙虚でありなさい」ということを教えてもらいました。それは今でもすごく心に残っています。
――前回(22年9月)初めて『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した際、「家族LINEが盛り上がった」と話していました。今回もご両親は喜んでくれそうですか?
前回、一緒には見られなかったのですが、テロップで「語り:佐藤栞里」と出たところを写真に撮って送ってきてくれました。
両親がこの番組のファンということもあって、名前が表示されたのもすごくうれしかったみたいです。
今回のことはまだ内緒にしているんですが、今度の日曜日(オンエア日)にご飯たべよう、と連絡はしているので、会って、今日感じた気持ちを伝えられたらいいなと思っています。
<ナレーションの一部を先取り公開>
<予告動画>
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