2月27日(土)に放送された『青春アカペラ甲子園 全国ハモネプリーグ2021冬』。大学対抗戦として、75大学164組のアカペラグループがその頂点を目指し熱戦を繰り広げた。

新型コロナウイルスの感染防止対策を徹底し、他県への移動を最小限に抑えるため、東京・大阪の2会場で収録された今回の決勝大会。東京会場の収録の裏側をリポートする。

緊迫感の中、各大学が個性を発揮

コロナ禍での大会ということで、大学の各チームは、出番の直前にスタジオに移動し、立ち位置につくとすぐにコメント、もしくは歌唱をスタートしなければならない。さらに、ビニールカーテンを挟んだ向かいには、過去『ハモネプ』に出演経験のあるHIKAKINや土屋礼央といった、アカペラ界では知らない人はいない憧れの存在が見守り、いやがおうでも緊張感が高まる。

それでもこれまで練習してきた成果を出し切るように、繊細に、パワフルに、それぞれのグループが個性を発揮し、会場のネプチューンやゲスト、審査員の心を震わせていた。

そんな中、「エイトロー」(国際基督教大学)のボイスパーカッション担当・ジェイさんは、歌唱前のトークで「HIKAKINさんに憧れていて…」と告白。HIKAKINが「僕、ジェイくんの動画見たことがあって」と明かすと、ジェイさんが「えぇ!?本当ですか!?」と顔を真っ赤にして動揺する微笑ましいやりとりもあった。

特別参加の「アナペラ」杉原アナが思いあふれ涙!

今回特別枠で参加することになったフジテレビアナウンサー(以下、アナ)の選抜チーム「アナペラ」(佐久間みなみアナ、永尾亜子アナ、久慈暁子アナ、杉原千尋アナ、藤本万梨乃アナ、藤井弘輝アナ、堀池亮介アナ)は、かなり緊張した様子でスタジオ入り。

特にリーダーの永尾アナはひと言もしゃべらず。その空気を察知したのか、藤井アナが「その靴って…」と、歌とは関係ない話題で声をかけ、緊張を和らげてあげる場面も。

いよいよ本番。アナペラは、「皆さんを元気づけたい」という思いを込めてコブクロ「YELL~エール~」を選曲。音程のチェックの時間をたっぷりととり、いざ、歌い始めると、会場がグッと世界観に引き込まれていく。

藤井アナは、数日前の練習でも見せていたダンスパフォーマンスを本番でも変わらず披露し、歌い始めこそ緊張していた他のメンバーも、徐々に楽しそうな笑顔を見せ歌唱。事前に「うまくやろうじゃなくて、届けよう!」と話していた7人の思いが、クリアカーテンを突き抜けるほど強く伝わる歌声だった。

ネプチューンの堀内健は「声の仕事をしているからか、(それぞれの)声が際立っていて。さすが!」、大阪会場のゲストでアカペラグループ・INSPiの吉田圭介は「声がキラキラしていた」と称賛。

残念ながら、結果は予選敗退となり、杉原アナは「(アカペラに)出会わせてくれたステキなこの環境に感謝です」と涙。一方、もともと歌が苦手だと話していた久慈アナは、「歌ってこんなに楽しいんだ!」とさわやかな笑顔を見せた。

約2ヵ月という短い練習期間で聖地に臨んだアナペラの7人。佐久間アナは、永尾アナとの本番数日前の会話で「『ハモネプ』が終わっても、一緒に歌いたいです!自分で企画出します(笑)」と語り、永尾アナも「続けていこう!」と賛同していた。

堀池アナは「歌の可能性は大きなと感じました」、久慈アナは「これからもっと“歌を楽しむ”ということをやっていきたい」と、今回『ハモネプ』に参加したことで、チームワークの楽しさ、歌の魅力に気づいた様子だった。

今大会は、浴衣で演歌風にアレンジした楽曲を歌った「あまがさ」(明治大学)が実力をいかんなく発揮して見事、優勝。収録後には、各大学のメンバーがお互いの健闘をたたえ合う姿が見られるなど、まさに“青春”と言える大会となった。