前回ラストの笑撃、“ぉはよございまァ~す!!”から引き続いて、冒頭から全力ロマンティック浮かれモードのスミレちゃん(江口のりこ)…。何だか、モジモジしてて、テンションもおかしいし、時折我に返って冷静になるも、やっぱり何だか変…。どうした!?スミレちゃん!!って、どうしたもこうしたも、どうせ、今日もお花畑全開なのッ!!ってことなんだろ!?わかったよ、もういいよ、スミレちゃん、顔に出てるよ!!落ち着けよ!!って、心の中でツッコんだ次の瞬間、僕がツッコんだ通り、ちょっと落ちついた面持ちのマジ顔風になり、だけども感情を抑えようとするもできず、口元震わせながら放った“ある一言”が超衝撃!!
画面に向かって“えーッ!?”って、静まり返った誰もいないリビングに“えーッ!?”って、声響き渡っちゃいましたよ。もうね、ちょっとね、完全にね、油断してましたよ。びっくりさせないでよスミレちゃん!!いや、石動(いするぎ)さん(水澤紳吾)!!!!!
っというわけで、前回のあらすじもそこそこに、冒頭2分、速攻で訪れる笑撃からの衝撃、油断禁物です。寝る前にリラックスティでも飲もうかしら…(どんな生活)なーんて人、口になんか含んでると絶対吹き出しますので、要注意!
そしてそこからは、もう、怒涛のスミレちゃんラッシュ!!幸せすぎて天を仰ぐスミレ、反転して逆に不安になるスミレ、そんな最中、本当に不安になっちゃう出来事勃発で右往左往するスミレ、BAR「OLD JACK&ROSE」のメンバー(特にエリーさん…中田喜子)の余計な想像でさらに不安になるスミレ…などなど、四十(シジュー)を過ぎてからの恋愛はこうも幸せに満ち溢れるのかって部分と、四十を過ぎたからこそふと我に返って現実的になっちゃう部分と、四十を過ぎたから余計にこじらせちゃう部分と…、なんだけど、やっぱり四十関係なく、恋愛しちゃうと、素直になれない、まっすぐ前を向けないもんだよなぁ(みつを)って部分と…、そこにさらにプラスして、スミレちゃんは家族を知らずに育ったって部分も重なり…、事象だけ見るとスミレちゃん、ただの情緒不安定なのに、こっちの感情全部、スミレちゃんに持ってかれてるもんだから、うんうん、わかるよ、わかるよねーって、共感しまくりになるのです。
で、こっちはどうしてもそういう性格なんで、ロマンティック浮かれモードのスミレちゃんを全力でツッコミたい!何はしゃいどんねんスミレちゃん!!って言いたいモード入りまくりだってのに、全然そうはさせてくれない、こっちの茶化しを一切封じてくる、深みモードにスッと突入してくるもんだから、それこそが『その女、ジルバ』の『その女、ジルバ』たる所以っすよね。
もうね、何はしゃいどんねん!こじらせてんなー!ってシーン満載で、笑えるシーンてんこ盛りなんだけど、『その女、ジルバ』だからこそ、そう浮かれてばかりはいられない、リアルで切ない部分もちゃーんと紛れ込ませて、スミレちゃんと視聴者が同じ気持ちで一喜一憂できるから、深ーく心に沁みるドラマになってるんですよね…。
そして四十女子でこじらせてて、そこに“家族を知らない”という重さまで加わった、一筋縄ではいかなすぎるスミレちゃんの心を、スルスルとほぐしてくれるのは、やっぱりくじらママ(草笛光子)っていうね…。ホントに何か大きな出来事を起こすでもなく、何気なくて、優しい、ある意味ありきたりな言葉…ではあるんだけど、そのシーンの前で“くじらママの歴史”も挟んでくるもんで、その“歴史”込みの、圧倒的存在感の、草笛光子さんが見事に演じてくれるもんだから、説得力しかないのです。新はもちろんそうだけど、ホントにスミレちゃんも「OLD JACK&ROSE」に出会えてよかったね…。
で、もうそっからは「オトナの土ドラ」史上最も幸せなんじゃないか!!多幸感しかない大ハッピーシーンへ突入!!前回予告でチラ見せしたみかさん(真飛聖)も登場!!…実家に帰ったはずなのに、なぜ「OLD JACK&ROSE」へ顔を出したのか?それは、みかさんロスになってる僕みたいな、視聴者サービス的、とってつけた感ある場面なのか?まあそれでもいいんだけどね?なんていうまたしても僕の邪念を吹っ飛ばす、ちゃんと、意味ある場面、だからこそみかさん戻ってくるよね!!っていうお膳立て、ちゃーんとあって、よりみかさんの再登場に興奮できます。そんぐらい、何もかもが、大ハッピーシーンなのです!!
で、僕、そこでふと気付いたんだけど、「OLD JACK&ROSE」のあのフロア、他のクラブ?的なところと比べて、仕切りもやたら少なくって、結構広々とした空間だよな…。だけど、まあ、それは、時々みんなでダンスを踊ったりするから、広々とした空間にしてるんだよね…。なんて勝手に納得してたんだけど…。きっと、この、大ハッピーシーンの、“あれ”、二人のあの“ロード”、作りたかったから、あんなに広かったんだね!!…え?ネタバレ?かな?まあいいや、そんなの関係ねぇ!ハッピーだから許して!!もう何なの!?セットまで気が利いてるじゃん!もしこの回を見越してセット設計してたんだとしたら天才的だし、そうじゃなかったとしても、良いドラマっていうのは、そういう奇跡、起こすもんだよね!!ああ、なんて素敵な大ハッピーシーン!!乞うご期待!!
…なんだけど、その大ハッピーシーン。最後の最後に訪れる、ホントにホントの、衝撃の振りだったなんてね…。その大ハッピーシーンがあまりにも幸せすぎて、もう最高じゃん、今回もなんて幸せな気持ち…今夜もぐっすり眠れそう…なんて思ってたのに、最後の最後がなんちゅう衝撃!!毎週毎週衝撃しかなかった“オトナの土ドラ”のあの感覚(ちょっと言い過ぎ)、思い出しちゃったよ…。
なんだけど、心配ご無用。『その女、ジルバ』そういうドラマじゃないんです。衝撃を与えたいドラマじゃないってのは当然だから、次回予告ですぐに、しっかり、その辺の心配を拭ってくれて、ドラマ終盤に向けて、かなり深刻なテーマ…この作品には避けて通れない“老い”について、真正面から描いてくれそうな予感…。今週は、最初っから最後の最後まで、油断禁物、お見逃しなく!
text by 大石庸平(テレビ視聴しつ 室長)