3月24日(水)24時55分より、フジテレビでは、第32回フジテレビヤングシナリオ大賞『サロガシー』(※関東ローカル)が放送される。
坂元裕二、野島伸司、橋部敦子、浅野妙子、黒岩勉といった数々の人気脚本家を輩出してきた「フジテレビヤングシナリオ大賞」。昨年の第32回は、1567応募作品の中から的場友見さんの脚本「サロガシー」が大賞に選ばれた。
サロガシー(代理母出産)やLGBTを描いたこの作品で、ゲイである兄のために代理母として妊娠出産することを決意する主人公・江島環役に、モデルやCMに今注目の堀田真由が決定。堀田は、ドラマ初主演となる。
堀田真由は、2014年16歳の時、新人発掘イベント「オーディションフェス2014」で3万2214人の中から選ばれ芸能界デビュー。連続テレビ小説『わろてんか』(NHK/2017年)、『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ)、『危険なビーナス』(TBS)などに出演。FOD『いとしのニーナ』では、ヒロインを演じている。
また『坂上どうぶつ王国』(フジテレビ)にもレギュラー出演、2020年3月号より女性ファッション誌「non-no」専属モデル、4月に結婚情報誌「ゼクシィ」の13代目CMガールに選ばれ、タレント・女優・モデル・CMと多方面で活躍している。
今回、堀田が演じるのは、兄のために代理母出産を決意する主人公・江島環。実は彼女の生い立ちに、そうなるべき理由が秘められており、建築士として男性社会でバリバリ働きながら自分の生きる意味を模索している。行動力と強い意志を持ち、自分の本当の幸せはどこにあるのかを探し求めるその姿を体当たりで演じていく。
共演に、細田善彦、猪塚健太、松本若菜、斎藤工が決定!
本作は、先日発足したフジテレビ、BSフジ、ニッポン放送3波連合プロジェクト「楽しくアクション!SDGs」の関連番組のひとつとして放送される。
今回の大賞作品は、代理母出産、LGBTなどセンシティブな題材だが、登場人物を身近に感じる人物像として丁寧に描き出し、人間的魅力で飽きさせずに展開していく構成が巧みであり、かつ医療制度、法律、社会通念、倫理観など様々な問題に真摯(しんし)に向き合っていることなどが高く評価された。
審査委員長の澤田鎌作(フジテレビ第一制作室)は、当作品を大賞に選んだ理由を「最終選考ではフルスイングでホームランを狙える将来の4番バッター候補を選ぶ、という方針のもと議論を重ねた。一見、奇をてらった設定のようでいて、その人物造形は非常に丁寧で、代理出産の問題やLGBTの方々が直面している状況に対し真摯に向き合い、現状の問題点を浮き彫りにした上でエンターテインメントとして物語を構築できている」と語っている。
ゲイである兄・江島聡役には細田善彦、そのパートナー・水野圭人役に猪塚健太。兄の元恋人の医師・西岡麻友役に松本若菜、そして環の会社の先輩・神谷晃役を斎藤工が演じることが決まっている。
<『サロガシー』あらすじ>
建設士として現場で働く独身の江島環は、同性愛者である兄・江島聡のために、代理母出産(=サロガシー)することを決意する。妊娠4ヵ月を過ぎたころ、事後報告として両親に妊娠の事実を告げる。「お兄ちゃんの子」だと言う環に両親は取り乱し、父親は聡に殴りかかる。
そこで初めて聡は「俺はゲイだ!」と告白。環は、兄のパートナー・水野圭人の精子と自分の卵子で、二人の子どもを代理母出産するのだと説明する。幼い頃から兄ばかり可愛がり、環の女性性に過剰なほどの嫌悪感を見せてきた母親は、理解できないと詰め寄り、環の反発心はますます強まるのだった。
兄妹は、兄の元彼女である医師・西岡麻友が勤める産婦人科に通う。当初、麻友は、聡から「妹が俺の彼氏の子を妊娠した」と言われとまどったものの、その生き方に理解を示し二人を応援する。しかし母子手帳の“お母さんの名前”欄はずっと空白のまま…。
一方、聡は産まれた子どもを引き渡す時の妹の心理的負担を考え、環の母性本能の目覚めを心配していた。 仕事を続ける環。会社の先輩・神谷晃を中心とした男社会と対立し悔しい思いをすることもあるが、同僚の野池幸四郎はそんな環の良き理解者として見守るのだった。妊娠9ヵ月を迎えたころ、環は切迫早産で倒れ緊急入院してしまう…。
<堀田真由 コメント>
――ヤングシナリオ大賞受賞ドラマの主演に決まった時は、どんな気持ちでしたか?
作品を読み脚本にひかれたので、このドラマの主演に選んでいただいたことをうれしく思います。以前から女性だからできる表現や、まだ知られていないようなことを演じてみたいと思っていましたので、目標がひとつかないました。
自分ではない役を演じるのはどの作品も難しいのですが、今回は自分の周りにいない人物像ですし、子どもを産んだ経験もないので、大きな挑戦になります。
前回のヤンシナ受賞作品ドラマもリアルタイムで見ていたので、「毎年ドラマ化するこの賞を今年は自分が演じるのだな」と思い、その名に恥じぬような作品にスタッフのみなさんと一緒に丁寧に仕上げていきたいと思います。
――台本を読んでどう思いましたか?
代理母出産は聞いたことがありましたが、「サロガシー」という言葉を初めて知りました。
社会的なテーマですし、サロガシーというワードでどこか難しいと感じるかもしれませんが、ひとつの家族の形であり、誰かの希望になるようなやさしい話だと感じました。
このドラマを見た方が、どこか目をそむけていた世界に興味を持ち、考えるきっかけになり、選択肢が広がればいいなと思います。そしてその選択が世の中にも受け入れられるよう、多くの人に知ってもらう機会として、今、この題材を演じることが大事なのだと思います。
――サロガシーについてどう思いますか?
サロガシーというのも決断のひとつ。同性愛者だけでなく、結婚し子どもが持てない夫婦などいろいろな形があるけれど、子どもを持ちたいと願う気持ちは素敵だと思います。
「これは私の望みでもある」という主人公のセリフがあるのですが、誰かの意見ではなく自分で選択し前向きに生きる決断です。
情報も限られていますし、万人が肯定的な意見になるのは難しいですが、まずは「サロガシー」という言葉を知るだけでもすごく大きな一歩になると思います。
いつかそういう方の決断が「そういう選択したんだね」と普通に言えるような、やさしい世の中になればいいなと思います。