田中雅功(たなか・がく)と髙田彪我(たかだ・ひょうが)からなるフォークデュオのさくらしめじが、2ndミニアルバム「ボタン」を3月10日にリリースした。
SNSを中心に話題となったシンガーソングライターのひらめとコラボレーションしたリード曲の「ストーリーズ(feat.ひらめ)」を始め、TwitterやYoutubeで恋愛系の投稿が共感を呼んでいるニャンと歌詞を共作した「別れた後に僕が思うこと」、ステイホーム期間中に田中と髙田がインスタライブのコラボ配信をするなかで作り上げた「会いに行こう」と、現在19歳という彼らには身近なツールであるSNSと関連の深い新曲を3曲収録。さらに中学生のときにCDデビューした彼らの初期の楽曲をアコースティックバージョンで再録した3曲を含む、全6曲が収められている。
フジテレビュー!!では、そんなさくらしめじの2人にインタビューと動画企画を実施。インタビューでは今作に込めた思いをたっぷりと語ってもらい、動画企画では、事前にTwitterで募集したファンからの質問に回答。前後編に渡って公開する。
前編のインタビュー&動画はこちら
後編のインタビューでは、リード曲「ストーリーズ」についてや、初期の楽曲を再録したことで気付いた思いなどを明かし、動画では、新年度を迎えるこの時期にぴったりな質問にも答えてくれている。
いい意味で聴く人任せでいいんだなって
――再録曲は2人とも中学生だったときに歌った曲もありますが、改めてどんな気づきがありましたか?
彪我:それぞれの楽曲で、「こういう意味だったのかな?」と思うことがたくさんありました。特に「きみでした」(2015年リリース)は、オリジナルバージョンのときは、初めて恋をした男の子が「これを恋って言うのかな?」というイメージで歌っていたんですけど、今回、改めて歌詞を読み直してみたら、失恋という見方もあるな、と。終わった気持ちに対して「あれは恋だったのかな?」という切ない思いを歌っている曲なのかもしれないって。
今までインタビューとかで「この曲は聴けば聴くほどいろんな思いが感じられるんです」みたいなことを言っていたんですけど、それを自分自身で感じました。それは大きな進歩だな、と思います。
雅功:だからと言って、僕らがもともとしていた初恋の初々しさを歌っているという解釈が間違いというわけでもなくて。そう考えると、本当に聴く人それぞれの解釈があるんだろうな、と。
今回僕らは話し合った上で、失恋の解釈で歌ったけど、聴く人はそれにとらわれることはないんだ、と改めて気付けました。いい意味で聴く人任せでいいんだなって。だからどう捉えたか、もっとみんなの考えを聞いてみたいな、とも思いました。
自分たちのままで歌う方が良かった
――今作のリード曲「ストーリーズ」は、とてもキャッチーで、耳に残る曲ですよね。
彪我:この曲はフィーチャリングにひらめさんを迎えさせていただいたのですが、もともと僕たちの中でSNSに関連付けた曲がほしいな、という気持ちがあって。ひらめさんはSNSを通して人気になった方で、SNSにかけた曲も歌っているので、そういうところで僕らとコラボしてもらえたら面白いのかな?と思って、お願いをさせていただきました。
“ストーリーズ”には、インスタグラムの“ストーリー”と私の恋の物語という“ストーリー”の意味もあって、どちらにも解釈できるところに心惹かれました。
雅功:もともと僕らとしては女の子目線の曲を歌ってみたいな、と思っていたんですけど、1作目から男の自分たちが書くのは違うのかな?と思って。それで女の子目線で書いてくださる方を探していたら、ひらめさんが僕らの「きみでした」をTikTokに上げてくれているのを知って、「これはお願いしたい!」と。熱烈アタックをしたところ、OKをいただくことができました。
それでリモートで打ち合わせをさせていただいて、そこでSNSをテーマにした女の子目線の曲を書いてほしい、とお願したら、恋のストーリーとインスタのストーリーをかけるという原案をくださって。僕も彪我も「これはめっちゃいい」って、大盛り上がりしました。
――女性目線の歌詞を歌ううえで、意識したことはありましたか?
雅功:レコーディングの前に彪我と話し合って、女性目線の歌詞を、男の僕たちが感情的になって歌うのは違うんじゃないか?ということになって、できるだけフラットに、お話を読むような感じで歌おうと決めたんです。
でもいざレコーディングの日になって、そうやって歌ってみたら、「これはもっと(感情的に)いってもいいんじゃないか?」と感じて。女性目線だから、とかって、関係ないんじゃないかと2人とも思って、今の感情がこもった歌い方に変えました。
僕らが録ったあと、同じ日にひらめさんのレコーディングもあって、それを聴いたときに、たぶん最初のままのテイクだったら、ラスサビのあの熱量は出てなかったし、こんなグッと来る歌にはならなかっただろうな、と。彪我と「変えて良かったね」と言い合いました。
彪我:無理に女の子というのを表現しようとするより、自分たちのままで歌う方が良かったんだな、と思いました。
雅功:あと今回、アレンジを村山☆潤さんにお願いしたのですが、それがもう神ってて。ひらめさんからは弾き語りの形で曲をいただいたんですけど、その時点で僕らは「めっちゃキャッチーだ!」って、大盛り上がりだったのに、アレンジした音源を聴いたときはひっくり返りました(笑)。
恋のポップさや、その中にあるもどかしさみたいなものがアレンジによってより表現されていて。僕らも歌うときに、このポップさをもっと広げたいな、というふうに思えました。
エンターテインメントとしてのさくらしめじをもっと見せていきたい
――もう1曲の「会いに行こう」は、ステイホーム期間中にお2人が自宅からインスタライブのコラボ配信を使って、ファンの方と作り上げた楽曲ですよね。
彪我:自粛期間中も僕らはカバー曲をやったり、こうやって曲を作ったりしていたんですけど、さくらしめじはどんな状況でも常に動き続けている、ということを見せたくて。そういう意味を込めて、この「会いに行こう」は歌っていますし、そこから今回の「ボタン」の制作にもつながっています。
雅功:僕らはずっと動き続けていきたいと思っていますし、今回の「ボタン」でも、そして4月に久しぶりにお客さんを前にしてやるワンマンライブでも、新しい形を皆さんに見せていきたいと思っています。
僕らも今年、二十歳にもなりますし、エンターテインメントとしてのさくらしめじをもっと見せていきたいです。
まだまだどこか不安や寂しい気持ちを抱えている人は多いと思うので、そんな方々にさくらしめじを見ていただいて、少しでも楽しく、晴れやかな気持ちになっていただけたらと思います。これからの僕らに注目してください。
彪我:僕らはどんどん大きくなっていきますので、応援よろしくお願いします!
撮影:小嶋文子
<さくらしめじの2人がファンからの質問に答えた動画はこちら>
2ndミニアルバム「ボタン」
2021.3.10発売
<収録曲>
1. きみでした (Acoustic Version)
2. またたび (Acoustic Version)
3. かぜいろのめろでぃー (ボタン Version)
4. 別れた後に僕が思うこと
5. ストーリーズ (feat.ひらめ)
6. 会いに行こう
詳細はさくらしめじ公式サイトまで。