いや、もう、なんて素敵な最終回!!

どこまでもリアルで、だけどファンタジックで、だからといって混沌とはしてないし、考えさせられる深みもあるのに、ちゃんと笑って泣けるエンターテインメントに仕上がってる…すべてが美しく丁寧に紡がれた、なんて素敵なドラマなの!!

ってもう、これだけで「試写室」、終わっちゃったよ…。

うん、だってね、きっとね、みなさんね、『その女、ジルバ』に関しては、信頼感しかないでしょう?だから、やっぱり、その信頼をね、決して裏切らない、見事な出来栄えになってるんですよ。もう何が素晴らしいかって、最終回に、全部!『その女、ジルバ』の全部!!全部が詰まってるんですよ!!!

まずは、もちろん、主人公、新を演じる池脇千鶴さんの凄みよ!

思い返せば、2ヵ月前…。このドラマがスタートした時の新を思い返してみてくださいよ…。あんなに疲れてて、覇気もなく、希望もなくて、決してかわいい!とは言えないほど、どこまでもリアリティたっぷりな、四十(シジュー)女性を完璧に作り上げた新…の池脇千鶴さん。え、これって、役作りなの?どうなの!?触れていい?の??どうなの!?って、ちょっと…、いや、かなり戸惑っちゃった…僕…。そして「あの主人公の女の子は、ホントに池脇千鶴ちゃんなの?」って、「土ドラ」を毎週欠かさずチェックしている実家の母から、心配の電話が来るくらい(うん、僕に確認とられてもね…)、ザワザワさせた新…の池脇千鶴さん。回を追うごとにそれは見事な役作りだった…もうみるみるうちに猫背が背筋ピーンってなるわ、表情も徐々に自立した女!になってくるわ、美しいわで、終盤なんて、最初はあんなに勝ち目なさそうだったスミレちゃん(江口のりこ)に対し、立派にアドバイスしてたからね…。容姿的にも人間的にも、かなり大きく成長しましたよね…。

で、最終回の新はってーとね…、もう凄い!の一言。先週の、前回…、っていうか、くじらママ(草笛光子)との対峙が圧巻だった神回…を経たからでしょうか?…いや完全にそう、それを経たからなのです…くじらママの思いも引き継ぎ、「BAR OLD JACK&ROSE」の誰よりも、強く、たくましい新になっているのです!!前半に待ち受ける、その強くたくましい新の表情を見たとき、ハッとしちゃいました…。凄い…。こんな大御所のメンバーの中だっていうのに、誰よりも年上!みたいな、とてつもない高みにいる女性の表情になってる!!それを、池脇千鶴さんは、僕みたいに、ノホホンと、何の気なしに見てる人…にも、ちゃんとわかるように表現してるし、だけどわかりやすいだけ、大げさ!ってわけでもなく、絶妙な塩梅で、これまでの一歩一歩を、着実に美しく、強くなっていく様を、丁寧に見せてきて…からの、最終回の、この成長した表情!!なんですからね…。ホント池脇千鶴さん、凄い女優だよ…。あの頃(僕の“想ひ出”…『リップスティック』の真白ちゃん)の池脇千鶴ちゃんも、あの時点でもう、僕の心を鷲掴みにするとてつもない女優さんだったわけだけど、僕はあの頃から歳しかとってないってのに、池脇千鶴さんはさ…、あれからまた、とてつもない女優さんになっちゃったよね…。

で、凄いのは、その今回の序盤を経て…からなの!強い新から、リアルな新…弱気になる新に戻ったり、悩む新たになったり…そして、最後はやっぱり…っていう表情の変化!!その変化が、この最終回だけで、存分に楽しめるのです。で、その変遷が、最後の最高に素晴らしい新の表情に繋がる…ってわけなんですよ…。だからもう、お話の流れはもちろんなんだけど、その、池脇千鶴さんの、表情を追うだけでも、見ごたえ、たっぷり!!見逃さないで!!

で、このドラマの、このドラマだからこその味…と言えるのが“歴史”の部分ですよね。ここに関しては、多くは語れませんが…。第7話に登場したキーマンの白浜(竹財輝之助)が、再び登場し、“ジルバ”の歴史を、再び壮大に紐解いていき、最終回の大ハッピーエンディングへ橋渡しをしてくれます…。また、くじらママとマスター(品川徹)の、セリフを語らずとも、その“存在だけ”で、伝わる“歴史”の重み…。そこへ、今、私たちが生きているリアルな“今”に、物語が追い付くことで、さらに“歴史”に深みが増していくのです…。

そしてやっぱり、このドラマは、主人公や“歴史”パートを担う「BAR OLD JACK&ROSE」のメンバーだけじゃない、“見守らずにはいられない”キャラクターたちの最終回も、見どころ満載!こないだから、主役級の活躍を見せるスミレちゃんと石動さん(水澤紳吾)夫婦は、最終回にも大きく絡んできます。で、今回は爆笑!…っていうより、ほんとにほっこり…、させてくれるし、そのことで物語も大きく動き出します。また、ちゃーんと、みかさん(真飛聖)の“その後”も描かれて、それがすごく何気ないんだけど、ホッとできてさ…。で、僕がずっと見守りまくってきた、新の弟・光(金井浩人)…率いる、笛吹家の皆さま!!も再登場!!新のお母さん(増子倭文江)が心配していた、一人娘の“夜のお仕事問題”が、とてつもなく微笑ましい解決を迎えるのと共に、忘れかけていた、笛吹家の“因縁の相手”…が、最後の最後に絡んできて、それまでもう涙で潤みまくってたのに、一気に爆笑!へとかっさらっていきます!

ホント、最後の最後まで、こんなに真剣に見入っちゃって、笑って泣いて、考えさせられて、最終回は悲しいのに嬉しくって、だけどやっぱり最後は何もかもが幸せすぎる!大ハッピーエンディング!!あぁ、もう、ホント、女は(男もって言わせて!)四十からだよね!!!

で、そんな風に、「女は四十から!」「年齢なんて関係ない!!」つってたくせに、次週!!永遠の28歳…「雨宮リカ、28歳です」再降臨!!『リカ~リバース~』でお楽しみください!!!って、どんだけ台無しにするのよ「オトナの土ドラ」!!!でもでも、台無しっつっても、いい意味でだよ!?いい意味での台無しだよ!?(いい意味てなんやねん)四十だってオトナだし、永遠の28歳だってオトナだよね!!もう最高だぜ「オトナの土ドラ」!!一生ついていきます!!!

text by 大石庸平(テレビ視聴しつ 室長)