剣崎元春 (大倉忠義)が目覚めたのは、10年前の澪(広瀬アリス)と出会った日であり、以前、タイムスリップした時は沙也佳と初デートをした日だった。元春は家にこもり、二人と会うことを避け、再び現在へ戻る。すると元春は見知らぬ部屋で目覚めた。状況を確認すると、目論見通り自分は独身で、どうやら大阪で生活しているようだ。仕事は商社の営業マンに変わっていた。携帯の連絡先には、澪や沙也佳、津山も入っていない。
このまま澪たちに出会わず、ひとりで淡々と毎日を過ごしていけばいい。そう思う元春だったが、ある日仕事の関係で東京へ出張することになる。仕事を終えた元春は、妹のなぎさ(川栄李奈)と木田尚希(森田甘路)の現状が気になり、二人の店に行くが、二人はいない。
元春が木田に連絡すると、なぎさと二人でフードトラックを経営していた。二人は結婚していないが、なぎさは木田の子どもを宿している。元春が二人と話をしていると、沙也佳がやって来た。どうやら、なぎさたちの店の常連のようだ。
元春を見つけた沙也佳は、うれしそうに話しかけてくる。大学時代に好きだったのに元春に避けられていたようだと言う沙也佳。沙也佳はまだ独身だったが、チェロと生きる生活を楽しんでいる様子。元春は「沙也佳なら、自分よりもっといい人が見つかる」と言う。そんな元春と別れた沙也佳が歩いていると、スケートボードをする上原邦光(小関裕太)とぶつかりそうになって…。
次の日、元春は小池良治(生瀬勝久)と出会った公園へ。すると、かつてよりキチンとした身なりの小池と会う。小池は再会した元春に、自分も時間旅行者だと話しだす。
心臓血管外科医だった小池が最初に過去に行ったのは、手術ミスを取り戻すためだった。しかし、ミスは避けることができたが、完璧な手術を求めるあまり妻や子どもたちが小池の元を去ってしまった。仕事をする意味を見失った小池は、結果を知っているギャンブルに手を出すが、全てのレースが知っている通りにはならなかった。そのため、小池は何度も過去へ戻るようになったという。
そんな時、元春に出会い、人生を諦めているようにしか見えないと言われたことで小池は気づく。諦めていたから、何度過去へ戻ってもうまく行くわけがないと。そして、小池は考え、諦めたくないもの、過去をやり直して取り戻したいものを思いついたという。
元春が過去へ戻った時、小池もジャンプした。そして、取り戻したのは…家族だった。その時、母親に連れられた子どもが、小池を呼んだ。元春は、幸せそうに子どもと遊ぶ小池を見つめた。
公園を出た元春は、自然とあおい銀行へと足が向かう。銀行の前まで行くと、ちょうど津山(松下洸平)が出てきた。津山は薬指に指輪をしている。どうやら、元春が最初に過去を変える前の生活に戻っている様子だ。
元春は銀行の中へ。すると、勤めていた時の行員はいるが澪の姿はない。複雑な気持ちで元春が帰ろうとすると、行員姿の澪が立っていた。用事を尋ねる澪に、元春は思わず口座を開設したいと言ってしまう。
元春が順番を待っていると、見覚えのある客が澪の窓口に来た。振り込め詐欺に騙される寸前の藤原順子(朝加真由美)だ。あの時と同じように焦る順子に、澪は振り込め詐欺と思い行員に助けを求めるが誰も気づかない。すると澪は、元春にサインを送ってくる。それも、あの時と同じものだ。元春は澪を助けて、順子を救う。
銀行の仕事を終えた澪に元春は会う。やはり、澪は元春を知っていた。運命の人だから、と言いきる澪だが、実は元春と最後に別れた日、様子がおかしいことに気づいて後をつけていた。そして、料金所をくぐった元春を追って、澪も母の久恵(片平なぎさ)から受け取った500円硬貨を使って過去へ飛んだのだ。
だが、高校生に戻った澪は、元春を探したが会えなかったという。そのまま澪は現在に戻ったが、元春の消息はつかめないままだった。それでも、いつか元春と会える未来を信じて澪はずっと待っていたと伝える。澪はようやく会えた元春と一緒にいる未来しか思い浮かばないと思いを告げた。
元春の心は大きく揺れる。二度も澪から逃げて傷つけたことを後悔する元春。すると、澪は三度目の正直もあるし、会いたくなければなんで銀行へ来たのかと詰め寄る。
元春は必死に言い訳をする…だが、言い訳も尽きてしまう。そして、元春は、ついに澪にずっと会いたかった、好きだからだと告白。元春は、澪を取り戻すのではなく、自分自身の気持ちを取り戻さなくてはいけないと気づいたのだ。そうして元春は、澪にプロポーズ。もちろん、澪が断るわけはなく…。
元春と澪は結婚した。それから4年、二人の子供ももうけた。元春と澪は、お互いを思いやることができる、幸せな家庭を築いていた。