3月21日(日)14時からフジテレビでは『ザ・ノンフィクション ふたりの1年生 ~新米先生と海の向こうから来た女の子~』が放送される。
語りは、池田エライザが担当。先生と生徒の絆の物語を、優しく包み込んだ。
試行錯誤の日々に奮闘する2人の1年生
『ふたりの1年生 ~新米先生と海の向こうから来た女の子~』は、教師1年目の担任と中国からやって来た少女の、心の交流を描いたドキュメントだ。
2019年9月、新型コロナウイルスが来る前の小学校…ピカピカの1年生の教室。
担任は、社会人になってまだ半年の新米教師、橘川先生(23)。ただでさえ大変な教師1年目に担任まで…。
そんな新米先生のクラスの中に、授業についていけず、クラスにもなじめない1人の女の子がいた。中国からやってきた小さな留学生、ナイヒちゃん(7)。入学から半年が過ぎても、日本語が分からない…そのため、友達もできず、クラスの中で孤立していた。
「ナイヒちゃんに楽しい学校生活を送らせてあげたい…」新米先生は試行錯誤の日々。心を通わせ、共に成長しようとする“2人の1年生”。そんな中、世界を襲った新型コロナによって、学校は閉鎖されてしまう。
新米先生と海の向こうから来た小さな女の子の2年間の心の交流を見つめた…。
<池田エライザ インタビュー>
新米教師と小さな女の子のVTRに、池田はどんなことを感じたのか。初挑戦となったナレーションの感想や、自身の学生時代のことなどを収録後に語ってもらった。
――『ザ・ノンフィクション』の語りは、今回が初めてということでしたが、実際に収録をしてみて、いかがでしたか?
うまくできていたのかわからないですが、収録は楽しかったです。もっと気が散漫になって、映像を見る余裕もないんじゃないかと思っていましたが、映像と共に語ることができたというか、不思議な体験でしたね。集中して楽しくできた気がします。
――語りを担当する上で、何か意識したことはありますか?
うまく読もうとすると、感情が乗らずのっぺらぼうになっちゃうので…。諦めが肝心ですね(笑)。“邪魔にならないように”と意識しました。また、「頑張れ」とか「えらいね」という気持ちが、見ている人とリンクしたらいいなと思っていたので、“伝えること”に重きを置いて、物語を後ろから押しているような感覚でやりました。
――今回の放送内容について、感想をお聞かせください。
大人になりどんどん入ってくる情報が増え、情報過多になっていくと、視野が狭くなってしまって…。自分が子どものころに「絶対に忘れない」と思っていたことが、自分から抜けてしまうことに危機感を感じていました。
今回、ナイヒちゃんを介して、自分が子どものときに感じていた「大人になったら体現しようと思っていたこと」を思い出させてもらいました。
――それはどのようなことですか?
私も子どものころに“ハーフだから”とかではなく、コミュニケーションについて、性格とかその人の持っている性質を言語化して、フランクに友達と仲良くなれない自分がいたんですよね。自分の中では、今も抱えている問題ではあるんですけど、すごくコミュニケーションを重く捉えちゃって…。
最適な言葉がいつもわからなくて、子どものときに「大人になったら、たくさんいろいろな言葉を使って、みんなと深く交流していきたい」という思いがありました。
たくさんの言葉があるから、改めて思いやりを持って、もっと言葉を考えて伝えていけるはずだなと、今回のVTRを見て、気付かされました。
――語りの途中で、「泣きそう…」と言葉をつまらせるなど、感情移入している様子がうかがえましたが、共感した部分はありましたか?
そんなところを聞かれるんですか?恥ずかしい(笑)。共感というよりは、ナイヒちゃんの悩みは、コミュニケーションがとれないことだけじゃないはずで。めいっぱい愛されたいときに、思うように手に入らない寂しさって、みんな子どものころに感じたことがあるんじゃないかなと思うんですけど。
それをナイヒちゃんはいっぱい背負っているような気がして、胸がギュッとなったというか。家の事情もあるので、お母さんに「もっと愛してあげなさいよ」とは、言えないじゃないですか。
お母さんもナイヒちゃんの将来を思って苦労されているわけだから、「今つらいだろうな、苦しいだろうな」ということに、心が動いたというか…。ナイヒちゃんの未来が良い方向に向かっていくといいなと、祈るような気持ちになりました。
先生に助けてもらった幼少期「良い先生に恵まれていました」
――池田さんには、学生時代を支えてくれた恩師の方はいますか?
小学校にも中学校にもいましたね。どうしてもコミュニケーションがうまくいかなくて、保健室にいた時代があったんですけど。そういうときに「親に心配かけちゃうから、教室に戻らなきゃ」って思うんですけど、気持ちは暗いままの状態で。
そういうときに先生が、教室と保健室をつないでくれていて。ハーフなので、家と学校で文化の違いはありましたし、そういうことを先生はいつも噛み砕いて他の生徒の子に伝えてくれていたなと感じます。
たくさん耳を傾けてくれて、「きっとこういうことを言いたいんだろうな」って理解してくれて。ときには「それは間違って伝わっちゃうよ」ということを教えてくれたりもしましたね。私は「嫌なことは嫌」「違うことは違う」と言っていたので、すごくストレートに発言する子どもだったんだと思います。なので、すごく助けてもらいましたね。良い先生に恵まれていました。
――池田さんも昔コミュニケーションをとるのが苦手だったところが、物語と重なって感情移入したのですか?
共感したところはあります。でも、周りと馴染めなかったり、伝え方が分からない子って海外からの留学生だけでなく、日本国内でもあることだと思っていて。そういうときに先生の存在ってありがたいなって。大人になるといないじゃないですか、そういうことを考えさせられたなと思います。
――見どころをお願いします。
不思議なもので、今の風潮として、よその家庭に対する見方がちょっとずつ厳しくなりすぎている気がするんですよね。
いろいろな家庭があって、いろいろな人生があって。言いたくなるのは分かるんですけど、そういうことじゃなくて、ナイヒちゃんと先生の心のやりとりにフォーカスを当ててもらえたら、伝わってほしい部分が伝わるかなと思います。
「自身の心を整える時間」という風に見ていただけたら、今回はすごくステキな放送回になっているんじゃないかなって思います。
収録後、池田が語りの一部を披露してくれた。