毎回さまざまなジャンルで活躍するゲストが集い、多彩な話題や事象を取り上げていくフジテレビのトーク番組『ボクらの時代』。
3月21日(日)は、3月26日(金)に放送となる、十三代目市川團十郎白猿襲名記念ドラマ特別企画『桶狭間~織田信長 覇王の誕生~』で共演する市川海老蔵、広瀬すず、松田龍平が登場した。
歌舞伎をやっていなかったら「旅人になりたかった」(海老蔵)
十三代市川團十郎白猿の襲名を控える海老蔵は「歌舞伎座に365日通わなくちゃいけないような人生」と自らの立場を表現。「選択肢はなかった」と言うが、もし歌舞伎役者になっていなかったら「旅人になりたかった」と語る。
海老蔵:どんな状況でも(歌舞伎座に)通い続けていたから、同じ場所に停滞している人物なわけよ。だから、たぶん僕は「時間が欲しい」「旅人をしたいな」という。
広瀬:逃げたくなったりする瞬間は、今まで…?
市川:歌舞伎の家で?逃げたことあるよ。
広瀬:逃げたことですか!?
市川:あるある。「勧進帳」という演目を、お正月にやる予定だったの。2日から。でも、その前日に逃げたことある。裸足で逃げたもん、俺。記憶なくなったの。ぶっ倒れて。
目覚めたときは「数日経ったと思っていた」が、本番当日で、父親のところへ行き「やらせてください」と頭を下げたという。「あのとき(舞台に)出てなかったら、今の僕はない」と振り返った。
「地元に帰りたい」と思っていた広瀬を支えた「負けたくない」
広瀬は「断りきれなくて」オーディションを受けて芸能界デビューしたが、2年ほどは「地元に帰りたい」と思っていたと明かす。
広瀬:やっている意味とか、何のためにとかは全然なくて。でも、今もそうなんですけど、私は「NO」と言えない人なんですよ。「NO」と言うのに、ものすごく勇気が要って、ビビっちゃうんですよ。
海老蔵:「NO」と言う方がいいよ。
広瀬:言えなくて、ズルズルズルズルやっていたんですけど。
海老蔵:「やっている意味が見いだせなくて」とおっしゃったけど、今続けてらっしゃるのは、何かやっている意味というのが、広瀬さん的に見えてきたんですか?
広瀬:わかりやすく評価されたりとか、わかりやすく「負けているな」って感じると、何でも悔しくなるんですよ。あと、今辞めても、中学校からお仕事して学校にもあんまりちゃんと行けてなかったので。やめたところで、何もないと思うと…。
市川:そんなことないよね。
松田:うん。
広瀬:できることで「負けたくない」っていう方が勝っちゃって。今は、楽しいし、面白いなって思うことも増えましたけど。
そんな広瀬の話に、海老蔵は「撮影現場でも、“負けたくない”オーラ、すごかった」「『負けないぞ、私!』みたいな」と納得の表情。
広瀬:(松田に)海老蔵さんに、ガッと見られると「絶対、先に目を離さないぞ」って思いません?
松田:(苦笑)。
海老蔵:(松田には)そういうのないよ!
松田:うん、すぐ逸らしちゃう。
広瀬:(笑)。
松田:やっぱり、海老蔵さんも同じってことかな。「勝負してる」っていう感じ。結構、会うとそれはすごく感じるかも。
すると、海老蔵は「僕ね、『負けたくない』っていうの、なくなっちゃった」と語り始める。
以前は「『負けたくない』の塊だった」が、「ここ数年は、負けることに対して、得るものの方が大きいかも」と心境が変化したという。
その話を聞いた広瀬も、悔しいことがあった際、映画で共演した天海祐希から「悔しいと思うけど、いっぱい傷ついて、負けるこの感情を味わった方がいいわよ」という言葉をもらい、そこから得るものがあると気づいたエピソードを明かした。
松田龍平 コロナ禍での生活に「そりゃあ、心配しますよ」
ブログ、Twitter、YouTubeなどSNSの活用が話題になっている海老蔵は、「ラッキーナンバーが24とか25なんですよ。だから、1日に24回は更新している」と明かし、2人を驚かせる。
松田:海老蔵さんのYouTube…。
海老蔵:本当だったら、僕は襲名披露があったわけじゃん?いろいろ考えていたことが全部コロナによって流れていくわけじゃん。そうしたときに、もうちょっと視点を変えなくちゃいけないというのがあって。YouTubeだけじゃなくて、NPO法人も作っちゃったし。バーチャルリアリティで歌舞伎の踊りで配信とか。もちろん、日本で伝統文化の歌舞伎をやることは、僕の中ですごく大事なことだし、必須なんだけど。
「もっと次のことも考えてる」と話す海老蔵に、「行動力がすごい」と、松田と広瀬は感心する。
一方の松田は、「全然仕事もしてなかったし、新しいことあんまりないかもなぁ」と、昨年を振り返った。
海老蔵:どのくらい休んでたの?
松田:舞台挨拶とかはあったけど、それくらいでほとんど何も仕事してなかったし。現場も『桶狭間』からはやってない。
海老蔵:ちなみに、それだけ仕事休んでて、給料も入らないじゃない。生活とか全然問題ないの?
松田:そりゃあ、心配しますよ。
海老蔵は、飄々とした様子の松田に「本当に?そんなふうに全然見えないよ!」と突っ込みを入れた。
子どもたちとドラマ初共演…子育ての楽しさと苦悩
『桶狭間~織田信長 覇王の誕生~』では、長女・市川ぼたん、長男・堀越勸玄と親子共演も果たした海老蔵。今回の出演は、子どもたち自身が決めたという。
広瀬:ご自身で決められたって話を聞いて「そうなんだ」と思って。
市川:お話をいただいて、一人ずつ「こんな役があるけどやってみたいのか、やりたくないのか」「テレビに出てみたいのか、出てみたくないのか」って話は、させてもらったの。2人共「やりたい」って。
広瀬:子育て、大変ですか?
海老蔵:大変だよ(笑)。
海老蔵は「子どもは、容赦ないからね」と言いながら日常のやりとりを明かし、「すごく楽しい」「仕事以外はなるべく家にいるようにしている」と、父親の顔をのぞかせた。
海老蔵:でも、ママがいないじゃん。だからどう対応していいかわからないことがある。けど、行くべき先は用意しておくけど、自分の子どもに才能があるかどうかって、正直わからないじゃん。(松田に)たぶんお母さんも同じようなことを思っていたと思うけど。お父さんが俳優だからさ、すげえ大変だったと思うよ。俺は今、それを感じちゃってるかなぁ。
松田:俺はでも、あんまりその感じはなかったですけどね。「自由に」という感じ。
海老蔵:なかった?うちはねぇ、結構、大変。でもね、いいやと思って。「歌舞伎をやりたくない」って言ったらOKだし。
海老蔵は、「全部OKにしておこうとは思ってる」と、歌舞伎の伝統を継ぐ家における子育ての覚悟も語った。