4月8日(木)22時よりスタートするフジテレビの木曜劇場『レンアイ漫画家』。顔出しは一切せず、女性名のペンネームで活動する天才少女漫画家と、“ダメ男ホイホイ”と呼ばれる崖っぷちアラサー女子の笑えて、ほろっとくるコミック・ラブストーリーだ。

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本作で民放連続ドラマ単独初主演を果たす鈴木亮平にインタビュー。高校時代から引きこもりがちでありながら、少女漫画で大ヒットを飛ばす主人公・刈部清一郎(かりべ・せいいちろう)を演じる。

これまでさまざまな作品に出演してきた鈴木だが、意外にも王道恋愛ドラマは初めてだといい、「ドギマギする感じが新鮮で、ちょっとうれしくて、楽しい」と照れ笑い。そんな鈴木に作品の魅力や“胸キュン”がテーマとなっている本作で自身がキュンとしたシーンなどを聞いた。

<鈴木亮平 インタビュー>

──まずは、清一郎の役柄を教えてください。

清一郎は、今で言う「鬼滅の刃」に負けないぐらいのヒット作を出している天才少女漫画家。ものすごく売れっ子ですが、家に閉じこもっていて、人とのコミュニケーションが苦手という役です。

──共感できるポイントはありますか?

僕は世界遺産が好きで、趣味の一つに“妄想旅行”があります。清一郎も、世の中のことを何も知らないのに、漫画ではエジプトの話、宇宙の話などをしていて、想像の世界がものすごく広がってる人。趣味は共通しているなと思います。

好きなジャンルも似ていますね。書斎のセットには本が並んでいるんですけど、それはもうまさに僕のツボに全部刺さる本ばかりで。世界遺産の本はもちろん、民族衣装とか、マニアックな本ですね。撮影の合間もセットの中でずっと本を読んでいますし、待ち時間どころか、何日でもいられる空間でした。

あと、共感ではないのですが…清一郎は漫画を描くために、吉岡さん演じるあいこに疑似恋愛をさせて、「相手のどんなことにキュンとしたのか」などを報告させます。役者をしていると、想像だけでは埋めきれないことがあって。もし自分の代わりに役と同じ体験をしてくれる、あいこみたいなアシスタントがいたら、どんなに楽かと思いながら演じていました(笑)。

──少し不愛想で、天才と呼ばれているがゆえにとっつきにくい部分もある清一郎ですが、演じていて魅力的に感じた部分はありますか?

彼の魅力は、ギャップだなと僕は思います。家の中で、あいこやレン(岩田琉聖)に対して王様のように振舞いますが、一歩家から外に出ると、社会に慣れていないので戸惑いが激しくて。オドオドしている姿は、かわいらしく映るのではないでしょうか。僕は勝手に、清一郎を「やさぐれかわいい」と呼んでいます(笑)。

──その“男性のかわいさ”を出すのは、難しくはありませんでしたか?

今までのドラマの定石でいくと、最初は“すごく怖い人”でいたほうが、後半でかわいさが見えたときにギャップがわかりやすいと思うんです。でも、監督から「1話から、かわいさを覗かせてほしい」というリクエストがあって。そう言われても…と少し悩みました(笑)。

でも、監督に「本当は恋したいと思っておいて」とも言われて。「恋愛なんて、ケッ」と妬んでいるような、そんなリアクションを見せることが多い清一郎ですが、実は誰よりも恋をしたいと思っていて、その本音がチラチラと見えるように意識して演じました。

男性って、若いときには「かっこいい」と言われたいのですが、30代を過ぎて何かの拍子に「かわいい」と言われるとうれしく思うようになるんです。それは、「ダメなところを見せてもいいんだ」ということがうれしさにつながるのかと思うのですが、その気づきが今回、清一郎を演じる上で生かせたかなと思います。

──キラキラ王道の恋愛ドラマに出演されるのが、ご自身にとっては新しい挑戦とのこと。撮影をしていて、恋愛ドラマの面白さなどは感じていますか?

一番うれしいのは、キレイな夜景の中などでお芝居させてもらえること。「こんなロマンチックな中で、どんなお芝居をすればいいんだっけ?」と、ドギマギする感じが新鮮で、ちょっとうれしくて、楽しいですね。

ただ同時に、「あれ?これ俺でいいんだっけ?」ということも、何度も思いながらやっています(笑)。同年代の役者は、キラキラした恋愛ドラマを経験してきて今の年齢になっている人が多いですけど、僕はそこをあまり経験せずにきているので。青春を今やり直させてもらえている感じでしょうか。ちょっと気恥ずかしいと感じながらも、新鮮に楽しみながらやっています。

──相手役となるあいこ役の吉岡里帆さんは、どんなイメージの方ですか?

真面目に作品と向き合ってお芝居される方ですね。一緒にお芝居をしていくうちに、悩みとかもお互いに打ち明けることもありましたし、お芝居も相談しながら作り上げていきました。

特に、胸キュンシーンは「どうすればもっとキュンキュンするのか」とか、「抱き合うところの手の位置って、これでいいの?」とか。本当にかっこつけずに相談ができたので、相手役が吉岡さんでよかったなと思うところですね。

──台本を読んで、実際に役を演じていて、「女性って、ここでキュンとするんだ」と驚いたポイントはありましたか?

ありました!清一郎が不格好に、でも一生懸命、苦労しながらすごく重い荷物を2階に運ぶシーンがあって。僕は、ちょっとコメディだと思って演じていたのですが、女性スタッフの方から「すごくキュンとしました!」と言ってもらえて、「そういうものなんだ」と発見がありましたね。

女性は、不器用だけど一生懸命気持ちを伝えようとするとか、言葉に出さないけど自分のために一生懸命やってくれてるということにキュンとするんですかね。勉強になりました(笑)。

──鈴木さんご自身がキュンとしたシーンはありましたか?

僕ちょっと変わってるんですよね…。あいこに目で文句を言われるっていうシーンがあるんです。睨まれるというか。清一郎としては、年下の女性からそんな扱いを受けたことがなかったので「は?」と思うんですけど、僕は、そこにかなりキュンとしていて(笑)。

なんというか、ちゃんと向き合ってくれている感じがうれしいんです。睨むって遠慮がないじゃないですか。いいですよね~(笑)。吉岡さんには「変ですよ」って言われましたが、男性はわかってくれるんじゃないかな…。

あとは、部屋着のシーンもキュンときました。無防備というか、よそ行きじゃない姿は、家でしか見られないですしね。

──鈴木さんが今、キュンとしてることは?

トルコにギョベクリ・テペ遺跡という遺跡がありまして。それは、人類の今までの定説だったものをひっくり返すような、古い遺跡なんですけど。そういう考古学的な発見にはキュンときますね。

あと、最近ようやく犬のかわいさが分かってきました。母親が苦手だったこともあって、今まで犬を飼ったことがないのですが…年齢なんですかね?道行く犬を見ると、すごく優しい目で見てしまう自分がいて(笑)。

とは言っても、まだ触りたいと思うまでには至っていないのですが。純粋で、汚れていない、無償の愛を飼い主に与えてもらっている感じが、かわいいなと。もしかしたら今後、飼うことも…あるかも?と、本気で考えるようになってきています。これは、すごい変化ですよ(笑)。

撮影:河井彩美