3月27日(土)、シンフォニー音楽劇「『蜜蜂と遠雷』~ひかりを聴け~」が開幕。その前日3月26日(金)に開幕直前取材会が行われ、中山優馬、ヒグチアイ、奥村颯太(関西ジャニーズJr.)、大東立樹(ジャニーズJr.)、パーマ大佐、黒田こらん、木村優一、湖月わたる、池畑慎之介、音楽監督の千住明が登壇した。

「『蜜蜂と遠雷』~ひかりを聴け~」は、恩田陸氏による原作「蜜蜂と遠雷」(幻冬舎文庫刊)を音楽劇化したもの。原作は2017年の年間ベストセラーとなり、直木賞や本屋大賞を受賞。音楽をテーマにした小説として累計100万部を超えた数少ない作品で、2019年10月には映画化もされている。

ここでは、開幕直前取材会でのコメントの一部を紹介する。

──まずは、意気込みをお願いします。

中山:この作品は、お芝居あり歌ありと、いろんなものが詰まっています。オーケストラの皆さまと融合できるということで、今までこういった経験がないものですから舞台の幕が開くまでどういう景色が見られるのか、未だにはっきりしていないところがあります。

素晴らしい音楽と素晴らしい原作の世界観を皆さまにお伝えできたらと思います。こういった大変な世の中、劇場に足を運んでくださるお客さまのお時間を無駄にしないように精一杯努めたいと思います。

ヒグチ:舞台は初めてなんですけれども、初めてを経験できることはとても幸せなことだなと思います。来てくださる方も、先ほど中山さんも仰られたように、歌やオーケストラの音楽、そして芝居というものを経験できる初めての機会となると思います。その初めてを皆さまにも経験していただけたらと思います。

奥村:僕は、こういった外部の舞台に立たせていただくのは初めてになります。今、関西ジャニーズJr.の子たちも外部の舞台に立たせていただく機会が増えてきて、とても勢いがありますので、僕もその勢いに乗ってさらに加速していけるように頑張っていきたいと思います。

大東:僕は、この作品が大好きです。舞台も原作も大好きで、オーケストラの皆さんが演奏をしてくださっている音楽もとても聴き心地がよくて、大好きです。そしてキャストの皆さんやスタッフの皆さんが、心が温まる言葉をくださることがすごくうれしいです。そんな思いを込めて全力で演じさせていただきます!

パーマ大佐:僕もヒグチさんと同様、初めて舞台に参加させていただくということで、不安もたくさんありましたが、自分も小さい頃にピアノを習っていたということもあって、作品の中の登場人物や高石明石に共感する部分がたくさんありました。そういった部分を出しながら演じることができたらいいなと思います。

作品自体も温かいんですが、共演者の皆さんやスタッフの皆さんが温かくて、また音楽も温かいので、そういった温かみをこういったご時世だからこそ、皆さんにお運びできたらいいなと思っています。

黒田:前作の「『蜜蜂と遠雷』リーディング・オーケストラコンサート ~ひかりを聴け~」では、語りを担当させていただいたんですが、今回は、高島明石さんの奥さんを演じさせていただきます。パーマ(大佐)さんとは、実年齢が20歳離れているんですけれども(笑)、夫を献身的に支える妻として演じさせていただきたいと思います。

木村:私は、「蜜蜂と遠雷」リーディング・オーケストラコンサートでは、マサル役を担当させいただいたんですが、今回はマサルの師匠、そして湖月さん演じられる嵯峨美枝子の元夫という別の立場から、この「蜜蜂と遠雷」を読み直し、また別角度から作品の魅力をお届けできたらと思います。

最後の千住先生が作曲された「ひかりを聴け」をシルヴァーバーグの立場でまた歌えるということで、楽しみにしております。

湖月:今回、初共演の方がたくさんいらっしゃって稽古場からとても楽しくさせていただいたんですけども、個人的に池畑慎之介さんは、宝塚の初舞台のときからずっと舞台を拝見させていただいていて、私の退団公演も観に来てくださって、そんなピー様と今回お芝居をご一緒させていただいて本当に幸せです。

そして優馬さん、木村優一さんとベートーヴェンの名曲「悲愴」をオーケストラの皆さんと一緒に歌わせていただけるということで、心を込めて歌わせていただきます。

池畑:(自身が演じる)菱沼忠明は、映画のほうではあまり出てこなかったんですけれども、今回はストーリーテラーという導く役をやらせていただけたらなと思っております。

8年ぶりの舞台となります。なんと、このメンバーの中でとうとう一番年上になってしまいました(笑)。2年前、アポロが月へ飛んで行ったピーターも飛べなくなったピーターパンになってしまいました(笑)。今回は皆さんと一緒に楽しいお芝居を、そして最後の博多座まで健康に留意しまして、皆さまに温かいお芝居をご覧いただけたらと思っております。

──新たなジャンルということですが、実際に舞台に立ってみていかがですか?

中山:未だに完成が見えていないといいますか。舞台ではよくあることと言えばそうなんですが、お客さまが入っていただいてようやく完成するという感覚はあるんですが。

今回は、千住さん率いるオーケストラの皆さまと、素晴らしい音楽と役者人の芝居の融合がこれからどうなっていくんだろうと、ほんとに不思議な感覚です。初めての経験になることは間違いないです。

──オーケストラの方々との共演はいかがですか?

中山:オーケストラの皆さまと一緒に合わせたのは、ほんの数日なんですが、もうびっくりしています。その力の偉大さといいますか。先ほども稽古を客席で見させていただいたんですが、その音楽を聴けるというだけでも十分の価値がある作品だと思いました。

──ピアノを弾くシーンもありますが、かなり練習をされたのでしょうか。

中山:ピアノを弾くということが大事な要素になってくる作品ですから、練習はさせていただきました。

作品の中で僕がピアノを弾かせていただくところはもちろんありますが、ピアノの川田健太郎さんが素晴らしい音色をオーケストラの皆さんと披露していくださるので、僕らとしても、一番はお客様さま音楽を楽しめる状況までお芝居を持っていけたら、ベストだと思いますし、オーケストラの皆さまにもお芝居を助けてもらいながら頑張ってきたいです。

──千住先生は、中山さんのピアノをご覧になっていかがですか?

千住:びっくりしました。これだけ弾けるんだと。素晴らしいですよ。ほんと病みつきになってくれたら新しい世界が待っているんじゃないかなと思います。

──病みつきになりました?

中山:いや(笑)。今のところはずっと客席で聴いていたいです(笑)。

──最後に意気込みをお願いいたします。

中山:音楽が間違いなく楽しめる作品だと思います。そして、そこにお芝居や歌、舞台芸術といったものが一つになったとき、本当に果てしない世界に連れて行ってくれるというか、果てしない景色を見せてくれるんですよね。それが僕たちは楽しくて。その景色というのは劇場でしか味わえない景色なので、観に来てくださる皆さんと共有したいなと思います。

そして、作品を進めていくうえで、まずは何よりも来ていただく皆さまの安全と安心を確保しながら、徹底的に安全対策を進めながら、作品を楽しんでただけたらと思います。

最新情報は、シンフォニーシンフォニー音楽劇「『蜜蜂と遠雷』~ひかりを聴け~」公式サイトまで。