動画配信サービスFODで配信中のドラマ『ギヴン』。キヅナツキ原作のBLコミックで、2019年6月にフジテレビにてアニメ化、2020年5月にはアニメ映画化もされた人気作。今回は初のドラマ実写化となる。
高校生にして優れたギターの腕前を持つ上ノ山立夏(鈴木仁)と、天才的な歌声を持つ同級生・佐藤真冬(さなり)の恋模様を中心に、ドラムの梶秋彦(井之脇海)、ベースの中山春樹(栁俊太郎)を含めた4人組ロックバンド「the seasons」が織りなす青春群像劇だ。
フジテレビュー!!では、鈴木仁、さなり、井之脇海、栁俊太郎らバンドメンバーが集う、撮影現場の様子をレポートする。
緊迫の撮影も「カット!」がかかると、素顔がチラリ
現場は、首都圏のとあるライブハウス。数々の大物アーティストが演奏してきた老舗とあって、年季の入った内装や何気なく置かれた機材、壁に掲示された張り紙などが雰囲気を作り上げている。ライブスケジュール表には、「given」の前身「the seasons」の名前がしっかり書かれている。
廊下から一歩楽屋へ入ると、メンバー4人の息遣いが感じられるセットが。壁際には衣装がかけられ、ギターなどの楽器類はもちろん、スマートフォンをはじめとした小物、春樹のタバコなど細部にもこだわりが見られる。
この日は、物語も終盤に差し掛かった第5話の撮影。4人で初のライブ出演を控える中、楽屋が並ぶ廊下で、真冬と立夏がある出来事をきっかけに感情をぶつけ合い、はずみで大事なギターを床へ落としてしまう。そこへ春樹がやってきて…という緊迫のシーンだ。
感情を揺さぶる繊細な場面とあり、鈴木とさなりは監督の指示に耳を傾け、真剣な表情で撮影に臨む。立ち位置やセリフ、動作のタイミングなど細かな指導にもすぐに対応し、見る見るうちに緊迫感のある情景を作り上げる姿が印象的だった。
特に、大事なギターを手から落として「あ…」と声を漏らす場面は、声色の微妙なニュアンスが重要。監督のこだわりを、即座に反映させる表現力を見せた。
本来の予定では、鈴木とさなりの掛け合いの直後に、栁と井之脇がやってくるはずだった。しかし、廊下が予想以上に狭かったため、急遽、栁のみの登場に変更。井之脇は出番がなくなった形だが、茶目っ気たっぷりの笑顔で「お任せします!」と、残る3人に託して笑いを誘った。
そして重要なシーンを任された3人は、監督のイメージに応えるため、何度もテイクを重ねる。鈴木は「(立ち位置は)ここ?了解です!」と、積極的にチェックをして、役に丁寧に向き合っている様子が伺えた。
音楽監修・楽器指導のRandee氏は、実際の楽器指導だけでなく“バンドっぽさ”に重要な4人の佇まいに関しても指導をする。
「さなりくんはギターがある程度弾けていたので指導は楽でしたね(笑)。仁くんはギターはほぼ初めてだけど、のみ込みが早かったです。“天才的にギターがうまい高校生”役なので、『こんな感じならうまく見えるよ』とコツを教えると次の練習ではそうちゃんと見せてくる、見た感じは完璧に仕上げてきました。
栁くんは練習回数が少なくて一番不安でしたが、練習をすごくがんばってきてくれました。立ち振る舞いが最初からベーシストっぽかったですね。海くんはピアノをやっていたからか耳が良くて、譜面も読めるので「この音がこのハイハットなんですね」みたいなのをすぐわかってくれた。ドラムは一番練習量が多くて大変でしたが、かなりがんばってくれました」と、楽器だけでなくバンドとしての佇まいも「いい感じに仕上がっている」と答え、少ない時間の中で全員が真面目に向き合っていたと称賛した。
自分の出演シーンがひと段落すると、ふと素顔を見せる面々。鈴木は、待機場所の階段の段差を使って脚のストレッチをし、栁は“春樹”が解けたかのようにリラックスな姿勢に。
さなりはギターを奏でて、近くにいたスタッフと談笑。タイトなスケジュールで進む撮影現場を和ませるかのように、耳に心地よいBGMをかき鳴らし、アーティスト・さなりの一面を垣間見せていた。
バンド演奏シーンでは、さなりの歌声で空気が一変!
首都圏のライブハウスから場所を変え、この日は「the seasons」が初めてステージに立ち、真冬が歌声を披露するシーンの撮影が行われた。
全員が人見知りだとインタビューで口を揃えて語っていた4人だったが、練習で楽器を一緒に奏でるたびに徐々に打ち解け合い、バンドらしい雰囲気が生まれていったという。4人揃って楽器を持ち、ステージに立つ姿にはすでに“バンド感”が漂っていた。
そして、緞帳が上がり、真冬が意を決して歌い出すシーンのリハーサル1発目。鈴木、井之脇、栁の3人にも緊張感が漂い、さなりの歌声を待つ。監督からは「“うまく”よりも、心から出すように」と声が飛ぶ。
いざ、監督の合図でカメラが回るも、さなりは歌詞が飛んでしまい「緊張しちゃった」と照れ笑いを浮かべる。しかし、続く2回目のリハーサルでは、その“真冬”としての佇まいと真っすぐな透き通る歌声で場の空気を一瞬にして変えた。
そして、映像美に定評のある三木監督は、同じシーンを何度もカメラワークを変えて撮影を進めていき、4人もこまやかな演技でその指示に応えていく姿を見せ、撮影は進んでいった。
<密着レポの様子は動画でも!>
<『ギヴン』ストーリー>
プロ顔負けのギターの腕前を持つ高校生の上ノ山立夏(鈴木仁)は、大学生の梶秋彦(井之脇海)と大学院生の中山春樹(栁俊太郎)の3人でインストバンドを組んでいる。
以前はあんなに音楽にのめりこんでいたのに、何もかもがくすんで見え始めていたある日、立夏が校内で誰にも邪魔されないいつもの場所へ向かうと、壊れたギターを抱えた佐藤真冬(さなり)に出会う。
仕方なく弦を直してやると、真冬からギターの弾き方を教えてほしいと頼まれる。はじめは渋っていた立夏だが、真冬の透き通るような歌声を聞いて衝撃を受け、「バンドに入らないか?」と誘うが、真冬から断られてしまう。いつしか立夏は、真冬の存在が気になり始め…。
最新情報は『ギヴン』公式サイトまで。