5月21日(金)、映画「女たち」の公開祈念プレミアムイベントが行われ、主演の篠原ゆき子、倉科カナが出席した。
この作品は、日本映画界を代表するプロデューサー奥山和由が、 初めて女性のために製作したコロナ禍でふさぎ込んだ時代に風穴を開ける最新作。
自然豊かな緑がまぶしい山あいの小さな田舎町を舞台に、それぞれに事情を抱えた女たちが繰り広げる、ギリギリの女たちの生き様を描いた映画となっている。
映画の出演に関して、篠原は「他の現場で(プロデューサーの)奥山さんとご一緒させていただいて、突然『篠原さんで主演映画を撮ろうよ』っておっしゃってくれて。すごくうれしいけど、真に受けないようにしようと思っていたんですけど、本当に企画を進めていただいて…。初めて映画の企画がゼロの段階から携わらせていただきました」と笑顔で明かした。
倉科はオファーを受けて役作りのために髪をバッサリと切ったそうで、「こんなに切ったことはないですね…。(自分が演じた)香織ちゃんという役は、女であることを憎んでいるような役でもあって…。香織ちゃんが生活しているのを想像したときに、朝起きて、髪を結びますとか、コンディショナーをしていますとか、そういう生活をしているのが全然想像つかなかったので、髪の毛一つでも役のニュアンスが出ると思うので(切った)」とコメント。
「笑顔でいるけど謎めいている役」という倉科は、「私も、よく笑っているけど目が死んでるとか言われるので」と、役との共通点を語った。
本格的な共演が初めてだという篠原は、倉科の印象を「天真爛漫で笑顔なイメージがあったので、香織の役と倉科カナさんがあまり結びつかなくて、『どうなるんだろ?』と思っていたんですけど、顔合わせでお会いしたら『あっ!この人、闇があるかも!』って思いました」と笑いながら語った。
続けて篠原は「女としての痛みというか、笑顔で乗り越えてきた何かがあるんじゃないかと感じました」と説明。
倉科は「今は自分をコントロールできるので、香織という役は昔の自分を見ているような感じでした。(劇中の)香織ちゃんのようにお酒をガーっと飲んで…。一歩踏み出せば別の世界に行ってしまえるような感覚を…」と感慨深そうに語った。
40歳独身で性格の悪い母親(高畑淳子)の介護をしながら、パートタイムで働く美咲役を演じた篠原は、撮影のストレスで円形脱毛症になったことを告白。
理由を「コロナ禍での撮影で、スタッフや共演者の方と食事に行ったりできず、役と離れる時間がなかったので、ずーっと美咲役のまんま、群馬の富岡で1ヵ月弱、撮影のため暮らしていたので…」と回顧。
倉科は「(篠原と高畑のシーンは)すごい戦いを見ているような…。怪演と怪演がぶつかり合っていて、これは撮影は相当なウェイトだったろうなと…」と語り、篠原も「本当に大変でしたよ…。この前(本作の)モスクワ映画祭のオンラインの記者会見があったんですけど、記者の方から『あのお母さん役の女優さんは、体にハンディキャップがある方なんですか?』って聞かれて」と高畑の熱演ぶりが伝わるエピソードを披露。
また、篠原は「(高畑は)いつもフレンドリーで優しいんですけど、自分と美咲役との境界線があいまいになってきていて、母親役と高畑さんとの境界もあいまいになってきていたので…。高畑さんが撮影前に『あれは、こうよね?』みたいな質問をされたときにガーっと泣いてしまって、『怖い…』って」と緊張感のある現場だったことを明かした。
最後に倉科は「私はこの作品を通して、生きることってとっても苦しいし、ままならないことも多い。ただ、本当に泥臭く生きていくしかないんだなと感じました。この作品をたくさんの方に見ていただいて、小さな希望を見つけていただければうれしいです」とアピール。
篠原は「今、コロナ禍で本当に、この作品を公開できるのかわからない状況で、もっとシビアにこの先がわからない人がいっぱいいると思うんです。でも、もしかしたら明日はいいことがあるかもしれないし…。私もこんなステキなところに立たせていただくなんて思ってもいなかった人生なんで、もしかしたら明日いいことがあるかもしれない。そのことをどんどん繋げて生きていってほしいです。よかったら劇場に見に来ていただけたらと思います」と、涙を浮かべながら呼びかけた。
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映画「女たち」は6月1日(火)より、TOHOシネマズ シャンテ他全国公開。
©「女たち」製作委員会
配給:シネメディア、チームオクヤマ
最新情報は、映画「女たち」の公式サイトまで。