吉岡里帆 インタビュー

――ママさん、その家族、お客さんと、さまざまな方が出てきましたが、印象的だった人、エピソードはありますか?

のぼるちゃんと(なじみ客の)高野さんが2人でお花見に行くシーンがとても印象に残っています。たくさんのものを失ってしまっても、ああやってそばに誰かいてくれるだけで、明日を生きる希望になる、本当に人と人との関わりの重要性を感じました。

のぼるちゃんが「(布団の上で)気づいたら死んでたというのがいい」と口にしたとき、高野さんが「そういう話は聞きたくないな」「今日もいい1日にしちまえ」っておっしゃったのが、本当に名言だなって。ひとりの友人として、すっごくあったかい、優しい返しですよね。高野さんがのぼるちゃんのそばにいてくれてよかった、と思いました。

それと、私は京子ママが好きで。京子ママのあの笑顔と、酸いも甘いも知り尽くし、来たお客さんを全部包み込むような懐の深さは、見ていても心穏やかにさせてもらえる、そんな包容力に驚きました。

京子ママはどんなに暗い話、悲しい話をしたとしても、全部笑い飛ばしてくれるんです。お客さんたちは、そんなママだから、ふと話したくなったり、聞いてほしくなったりするんだろうなと思います。

――お客さんにとっての塙山キャバレーのように、吉岡さんが心のよりどころにしている場所はありますか?

私はやっぱり、マネージャーさんですかね。ずーっと一緒にしますし、この手の質問をされると、一番に思いついちゃいます。そのくらい一緒に大変な現場を乗り越えてきていますし、ひとりでは乗り越えられないものもたくさんあるので、本当にありがたいな、と思います。

やっぱり、何気ない話ができる人がそばにいてくれるというのは、本当に大事で。誰かにちょっとした話ができるってことが、何でも前向きにとらえられる秘訣だな、と思いました。