中村時蔵さん、梅枝さんが祖父・父・子の三代共演も話題の『錦秋十月大歌舞伎』の見どころを語りました。
東京・歌舞伎座で上演中の『錦秋十月大歌舞伎』に出演している中村時蔵さんと息子で小学5年生の中村梅枝さん。
時蔵さんは、女方として人気を博す中村萬壽さんの長男として1987年に生まれ、1991年6月、3歳のときに歌舞伎座『人情裏長屋』の鶴之助で初お目見得。2024年に六代目中村時蔵を襲名し、花形女方をけん引する一人として、また上品な二枚目や和事の立役(男役)も勤めるなど幅広く活躍しています。
時蔵さんの長男・梅枝さんは、2020年11月、5歳のときに国立劇場『彦山権現誓助剣』毛谷村の一味斎孫弥三松で初お目見得。2024年に祖父の初代萬壽の襲名、父の六代目時蔵襲名と同時に自身も五代目中村梅枝を名乗り、親子三代での同時襲名と初舞台が大きな話題となりました。
めざましmediaは、そんな時蔵さんと梅枝さんにインタビュー。『錦秋十月大歌舞伎』の見どころや気になる親子関係について聞きました。(前後編の前編)
中村梅枝 『盛綱陣屋』の切腹の場面で難しさを実感
――『錦秋十月大歌舞伎』で出演されている演目とお役について聞かせてください。
時蔵:私はまず第二部の『近江源氏先陣館』の『盛綱陣屋』で、早瀬という役を勤めさせていただいております。戦の真っただ中、最前線にいる主人公の佐々木盛綱を裏で支える女房の役です。
女方としては珍しく、薙刀を使ったり、弓矢を射ったりする場面もありまして、ほかの女方にはあまり見られない所作もある面白いお役でございます。
第三部では『義経千本桜』の『渡海屋・大物浦』という、平家が滅亡していく瞬間を切り取ったお芝居に出ております。序盤は船を斡旋する船問屋の女将・お柳として登場しますが、それは仮の姿で、実は時の安徳帝の乳母・典侍の局(すけのつぼね)であるというお役です。
非常にスケール感のあるお芝居でございますので、役としてもそのスケールに負けないような深い懐と器の大きさを求められる、女方の中でも屈指の大役でございます。
――梅枝さんはどのようなお役を演じていますか?
時蔵:まずは名前からね。
梅枝:中村梅枝です。
時蔵:そっちじゃなくて、役名を言ってください(笑)。
梅枝:第二部の『盛綱陣屋』で、高綱の一子・小四郎を勤めています。子役の中でも大役だと聞いているので、たくさんの方に観てほしいです。
――見せ場も多いお役だと聞いていますが、大変だと感じている場面はありますか?
梅枝:やっぱり切腹の場面です。尾上菊之助さんが丑之助時代に小四郎を勤められ、「切腹の場面が難しい」と話していました。
時蔵:そんなやりとりがあったんだね。
梅枝:苦労しそうだなと思っているので、うまくできるように頑張りたいです。
――菊之助さんに聞いてみたいことはありますか?
梅枝:今まで勤めたお役の中で、小四郎は何番目くらいに難しかったのかを聞いてみたいです。
時蔵:なるほどね。
