10月8日(木)ドラマ『絶望できない男』最終話が放送されます。
2025年6月に刊行された、奥川拓二さんのノンフィクション・エッセイ本『絶望できない男』(講談社刊)をモチーフとした本作。
関西を舞台にどん底を味わった男の泥くさい“生身”の姿を映し出し、しゃべくりとハッタリを武器に転がり続ける、泥だらけのジェットコースターコメディとして描いています。
SNSを開けば誰もが何者かになれたような気分に浸れ、AIがすぐ「きれいな正解」を教えてくれる現代。
本作の主人公・奥本拓夢(大東駿介)は、1980年代後半から2000年代という“あの頃”を舞台に、決してスマートとはいえない無様な失敗を繰り返し、泥にまみれながらも這い上がろうとする“生身の泥臭い生き様”を見せてきました。
先日、大阪・十三のキャバレーで無事にクランクアップを迎え、奥本をエネルギッシュに演じ切った大東駿介さん、彼をときに厳しくも深い愛で包み込んだ元カノジョ・春永洋子役の相武紗季さん、そして、型破りな奥本を真っ直ぐに支え続けた奥本の後輩・水野秀真役の八村倫太郎さんによる特別対談コメントが到着しました。
<大東駿介&相武紗季&八村倫太郎 コメント>
——無事にクランクアップを迎えましたが、第4話(最終話)の見どころを教えてください。
大東:4話は特に、絶望の淵からスタートなので。なかなか思い出すとしんどかったですね。
相武:見どころは最後の怒濤の奥本(大東さん)の締めの語りじゃないですか。人生走馬灯に流していくっていう。自分の人生を、コマで見せるんじゃなくて、自分のしゃべりで追っていくっていく感じ、最後に怒涛のしゃべくりを披露していて(笑)、そんなドラマはないと思います。
最後のシーンはどんなスポ根作品よりも熱血で、熱いものがあるんじゃないかなと思いますね。
大東:熱いですよね(笑)。
大東:このドラマは僕たち二人の愛の物語でもありますからね。
相武:それもありますねぇ。洋子の存在をしっかりと実感できる4話という感じがします。ほんと4話は濃度がギューッて詰まってます。
八村:僕も4話は、お二人の愛の物語というイメージがあります。水野としては、お二人と再会するシーンはなんだか緊張しちゃいました(笑)。普段なら噛まないセリフを噛んでしまいましたし、しかも尊敬するお二人の前だったのでさらに緊張してしまって…。
でも、その緊張感もリアルな再会の空気感に繋がったのかなと思いながら演じていました。奥本のもとに戻って来られて、水野はうれしいだろうなと思って。その喜びや緊張は、水野という役としてだけではなく、八村自身としても全く同じ気持ちでしたね。
大東駿介 どん底を糧に変えた男がたどり着いた答え「生き恥は財産」
大東:このドラマを通して「生き恥は財産」と感じてほしいと、これまで伝えてきました。でも、絶望っていうのは、そこから抜け出さなかったら絶望かもしれないですけど、それを糧にしちゃえば、あまり訪れないものなんだなと感じるんです。
だから『絶望できない男』っていうのは、そこで立ち止まらない人間のことなんだなと実感しましたね。僕自身、絶望を糧にして生きてきました。
でも、奥本は、自分一人ではそうできなかった瞬間もきっとあって。やっぱり周りにいる仲間の存在も大きいし、それも含めて人生。人も、絶望も、出会うものすべてが自分を作る人生なんだということを実感しているし、それを僕自身の人生でもすごく感じるんですよね。
だから、もはや“絶望すらも愛せる”っていうか。「あれなかったら今の俺おらんよな」って。まさにこのドラマはそれを体現していると思います。
相武:私もやらかしは、たくさんありますけど、そのやらかしがなかったら頑張ってこられなかったんですよね。絶望しそうなときに絶望しきらずに、自分でギリギリのところで這い上がっていく胆力みたいなのは大事だなと思うし。そういうことに、なかなかいま直面しない生活になってきているのかなとも思います。
大東:あと、やっぱりあれじゃないですか。守らないといけない人がいたら、絶望できないじゃないですか。
相武:できないですね。確かに。絶望してられないんですよ。
大東:洋子はまさに「絶望してられない女」ですよね。
相武:そう、絶望なんて考えていられない女(笑)。
相武:私自身、子育てをしているんですけど、今の子どもたちっていろんな面で本当に満たされていて、すごく守られているなぁって思うんです。
私が子どもだったころよりもさらに守られているので、この子たちが絶望みたいなものを経験せずに大人になっていったとき、本当に強くなっていけるのかなっていう不安もあって。
このドラマの舞台って、1980年代後半から2000年代ですよね。まだネットでのつながりもそこまでなくて、リアルで人と接する機会がずっと多かった時代。しかも“ザ・大阪”が舞台で、人と人とのコテコテの人情があふれているじゃないですか。
だからこそ、このドラマを子どもたちに見せて、やっちゃいけないギリギリのラインで生きてきた人たちの濃い人生に触れたとき、何を感じるのか聞いてみたいなって思うんです。「このドラマ見てどう思った?」「どう感じる?」って。
そこからいろいろと話を広げていけたらなって。きれいなことばかりじゃ生きていけないからこそ、こういう世界を見て知ることや、親子で話すきっかけにすることも大事なのかなって、思ったりしています。
八村:そうですね。今の相武さんのお話のように、実際に僕たち20代の若い世代がこのドラマを見ても、すごく感じるものがあると思います。
神奈川県出身の僕からすると、舞台となっている“ザ・大阪”のコテコテな世界観や、大東さんと相武さんが現場で作ってくださる「関西ノリ」の気さくで温かい雰囲気がすごく新鮮で、生まれ変わるなら関西がいいなって思うくらい好きになりました!
現場で大東さんに演技の相談をしたときも、「それって挑戦しているってことだから、ハッタリはどんどんやったほうがいいよ」と言っていただき、そのアグレッシブさにすごく学ばせてもらいました。自分に自信がなくても、とりあえず勢いでポーンと言って、あとから自分をいくらでも追いつかせればいいんですよね。
奥本って、到底真似できない破天荒な人に見えて、実は「どうやって人と接して助けてもらうか」という繋がりをすごく大切にしていて。
僕自身も、20歳ぐらいまでは「何でも一人でやってきた」と勘違いしていた時期がありましたけど、絶対に一人じゃ無理で、壁を乗り越えるには周りに助けてもらうことが不可欠だと痛感しました。
だからこそ、一見すごいことをやっている奥本の人間くさくて身近な部分にすごく共感します。
若い世代って失敗を恐れがちですが、このドラマのように、自分を信じて泥くさく挑戦し、人と人が助け合いながら生きていく姿の素晴らしさを、同世代の人たちにもぜひ受け取ってもらえたらうれしいですね。
『絶望できない男』最終話は10月8日(木)25時25分から放送されます(関西ローカル)。
