King & Princeと作り上げた『Theater』制作の経緯、ソロとコラボ楽曲との違いを語ってくれたAyumu Imazuさん。SNSを使いこなすZ世代のアーティストが感じるバズとバイラルヒットの関係とは…?

Ayumu Imazuが思う“バズらせる”ということ「数字を追うばかりでは伝わるものが少なくなってしまう」

――昨今のヒット曲は、SNSでバズることでバイラルヒットにつながる流れが多く見られます。現在26歳のImazuさんは、SNSを使いこなす世代のど真ん中でもあり、自身の『Obsessed』や『HOWL』もバズからバイラルヒットとなりました。音楽を作る側として「バズる」ということをどう捉えていますか?

「バズる」ということを、ひとつの「仕掛け」としてプロデューサー目線でどう見ているかといいますと、“音楽は音楽としてやるべき”なので(最初からバズらせることを)「考えてはいけないのだろうな」とは思っています。

現に、音楽らしさがなくなってきている曲も多くあります。それはそれで時代に合っていますし、楽しんでいるリスナーもたくさんいますが、自分が伝えたい音楽、やりたい音楽はそこではないなと感じています。

作りたい音楽だけを作ることも大事ですが、SNSの存在が必要不可欠な時代において、スマートに時代に合った音楽を提供するのもアーティストの仕事のひとつです。でも、難しい問題なので、そこに対しては毎日思うことが変わるかもしれません。

Ayumu Imazu

――Imazuさんは、Z世代を代表するアーティストと言われ、SNSを上手に使いこなしている印象があります。

そんなことはないです(笑)。(SNSに対して)「考えすぎだな」と自分に言い聞かせるときもありますし、音楽を仕事にするということは、数字の世界でもあるので、それが自分の首を絞めるときもあります。でも、数字を追うばかりでは伝わるものが少なくなってしまうので、そこのバランスは自分の中でも日々バトルしています。

――SNSを含め、音楽を取り巻く環境が目まぐるしく変わっています。忙しい中で、どうやってキャッチアップしていますか?

僕も26歳になり、年齢的にも感覚的にもフレッシュな状態ではないので、そこは無理をしたくないなとは思っています。

――バズを意図的に生み出し、バイラルヒットにつなげることは可能だと思いますか?

いろいろなきっかけが重なってバズが生まれるのだと思いますが、本気でバズを狙うことで作れるものはあると思いますし、現にそういう成功例もたくさんあります。ただ、僕は作れないと思います。本気で狙ってしまうと、本来の意図とは違うものになってしまいそうな気がします。

――2023年にTikTokでデモ音源がバズった楽曲『Obsessed』のときはどうでしたか?

あのときは狙っていませんでした。曲自体はすごく好きですが、シングルで出す勇気がなかったので、みんなの反応が見たくてデモ音源を公開したらバズっただけなんです。友達でダンサーのTAIGAが振りをつけてくれたものが「踊ってみた」動画として広がっていきました。どちらかと言えば『HOWL』(※)のほうが、「ここをもうちょっとキャッチーにしたらチャンスがありそう」という感覚で作りました。

(※)2025年に配信リリース。TVアニメ『カラオケ行こ!』の主題歌に起用され、「踊ってみた」動画やダンスチャレンジが次々と投稿されて話題に。

――バズることで、SNSを通じて曲が世界に届く状況をどう感じていますか?

最高だと思っています。いろいろなきっかけで曲が世界に届いたり、他の国でヒットして戻ってきたり、そんな現象が画面の中で行われるなんて、すごい時代ですよね。新しい音楽を見つけるきっかけも、もうネットやSNSでしかなくなっているような気がしています。

――バズと同じように「エモい」というのが、若者の音楽を聴く上でのキーワードにもなっています。

「エモい」というのは、結構カギといいますか、大事だなとは思っています。今は楽曲をリリースするだけではなく、雰囲気の合った動画でしっかり楽曲の世界観を提示することで共感を得られやすい。曲を聴いているのに、匂いや情景までも浮かんでくるような、そういう感情から「エモい」という言葉があるのではないかなと思っていますし、自分もそういうきっかけで曲を好きになったりもします。曲を作るときには、自分がエモい気持ちになっているのが一番いいですね。

――最近「エモい」と感じたことを教えてください。

現在、ニューアルバム『CLASSIC』のツアー中(「Ayumu Imazu The CLASSIC TOUR 2026」)なのですが、その場でリクエストを受けて弾き語りをするというパートがあります。そこで結構マニアックといいますか、僕がこれまでリリースした隠れ名曲をリクエストされることもあって。そういうときはすごくうれしいですし、エモいですね。

――2026年も下半期に入りましたが、この流れはずっと続いていくと感じますか?

僕が全然知らない世界ですごく盛り上がっているものもありますし、またその逆もあります。「みんなが聴いているアーティスト」という存在がなくなってきたので、それぞれの「好き」がバラバラになってきている感覚があります。いつかどこかのタイミングで、またみんながひとつになれるような音楽が生まれる、そんなきっかけができたらいいなと思っています。

Ayumu Imazu

撮影:河井彩美

「Ayumu Imazu The CLASSIC TOUR 2026」

2027年1月31日(日)にかねてより目標として掲げてきた日本武道館公演の開催も決定。
ツアーの詳細、最新情報はオフィシャルサイトへ。
https://ayumuimazu-official.com/