二宮和也さんが、ともに主演を務める中谷美紀さんと大沢たかおさんとの共演について語りました。

二宮和也さん、中谷美紀さん、大沢たかおさんトリプル主演のドラマ『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』は、人々が思い思いに過ごすクリスマスイブの1日を1クールかけて描く、謎と愛と奇跡の物語。それぞれ別の人生を歩む3人の男女の物語が並行して進んでいき、最後に運命の交錯を果たします。

本作のなかで、横浜で起きた銃殺事件の容疑をかけられる記憶喪失の男・勝呂寺誠司を演じる二宮さんが取材会に出席。3つの物語が同時進行で進む本作に取り組むうえで意識していること、役作りについて、クランクインした感想などについて語りました。

「“逃亡編”をブラッシュアップして、仕上げていきたい」

<二宮和也 インタビュー>

──本作の企画を聞いて、脚本を読んで、面白そうだなと思ったポイントはありますか?

3つの話が同時に進んでいくので、うまく伝わったら面白くなるんだろうなと感じています。

今、1日の話を3ヵ月かけて描くことが大きく取り上げられていますが、クリスマスの日の1日の話ではありますが、台本を読む限り、過去を振り返るシーンもありますし、あまりそこは気にならない作品だと思っていて。

そこに縛られず、とにかく自分が任されている“逃亡編”の内容をブラッシュアップして、しっかりとした内容に仕上げていきたいなと思っています。

──オリジナル作品ならではの楽しさや難しさを感じることはありますか?

生み出す人は大変だと思いますね。脚本家の方であったり、監督やプロデューサーの方であったり。ゼロから1を生み出すのは大変なのかな、と。

面白さに関しては、原作があってもなくても、僕はあまり変わらないと思っているので…何よりも、見てくださる人たちの感情をちょっとでも動かすことができたら、エンタメとしては正解なんだろうなと思っています。

──3つの物語が同時に進行していく本作。そのうちの1つの主演を務めるうえで、意識していることはありますか?

当初、僕はもうちょっと3つの話が分離しているイメージだったんですよね。だから、最初の打ち合わせで「“逃亡編”は白黒でいいんじゃないか」と、画質の話もしていたんです。でも、作り上げていく段階で3つがかなり入り組んだ話になってきたので、その話は無くなったんですけど。

ただ、衣装とか、「こっちのチームはこのイメージ」というこだわりはあるので、それは作品を見ていただくなかで徐々に伝わるんじゃないかな、と思いますね。

──それぞれの物語のカラーが出てくるということですか?

出てくると思います。だから、演じる人よりも見る人のほうが大変かもしれない。演じるほうは自分のことだけやっていればいいけど、撮る人と見る人は3倍あるわけだから。こんがらがりそうですね。

──大沢たかおさんと中谷美紀さんと、3人での主演することに関してはいかがですか?

単純に楽しみです。僕はお2人のパートがどうなっているか撮影が別々なので知らないですし、視聴者としても楽しめるんですよね。だから、出来上がりを待っているところです。

共演に関しては…単純に「3人を揃えました」という感じのシーンだったら、僕はいらないと思っていますし、そこに向けて整合性を高めて、必然性があればぜひ共演したいです。

必然性がなければ、この作品で3人が揃わなくてもいいかなと思っているんですよね。共演自体は、また次の機会もあるはずですから。

──キャストが発表された際のコメントで、中谷さんも大沢さんも、俳優としての二宮さんを絶賛していました。

先輩方に褒めていただけるのは、ありがたいことです。本当に恐縮ですとしか言いようがない。僕は、ドラマでも、映画でも、お2人を見て育った世代ですから。今回、同じフレームに入る機会は少ないと思いますが、そんなお2人と一緒にものが作れるということは非常に感謝ですし、うれしいです。

同じ月曜9時という場所に立って、一端を背負わせてもらえている以上、下手なことはできないし、大沢さんにも、中谷さんにも、完成したドラマを見たときに「面白いね」と言ってもらえる作品にしなきゃいけないな、と身が引き締まります。

──それがプレッシャーになっていませんか?

それはないですね。連続ドラマって、撮影が大変なんです。その大変ななかの癒しが、今作で言うとお2人のパートだと思っていて。僕もお2人の癒しというか、週一の楽しみの一つになれたらいいな、と思っています。

クランクインはとにかく走った!「疲れたな、が感想です」

──勝呂寺誠司を演じるうえで、意識していることはありますか?

記憶喪失なのですが、僕自身は全部知っているので、それに準じてやっていくのみですが…物語の進行上、どこまで寄り添っていくか、裏切るならどこか、ということを考えて作っていかなければと思っています。

──誠司を演じるために準備したことはありますか?

今回は特にないです。自分の名前も知らない人なので。言っていることが本当なのか、嘘なのかも分からないですし、とにかくフラット。物事に対していちいち驚くとか、喜ぶとか、悲しむとか、怒るとか、そういうことはたぶんないんじゃないかな、と思っています。

それよりも、他の2つの物語との対比をどこまで出せるか、ということのほうが重要な感じがしてますね。

とは言いつつ、記憶喪失について「こういう感じなんですよ」ということは先生に教えていただきました。でも、それをそのままやったところで、見ている人がイメージする“記憶喪失の人”にハマらないんじゃないかと思っていて。「この人は記憶喪失なんだ」と分かるような表現はどうしたらいいか、相談をしながら作っているところです。

もし記憶が戻ったときに、誠司は「戻った」と素直に言うのか、戻っていないフリをするのか。そこも含めて構築していきたいなと思っています。

──クランクインした感想を聞かせてください。

走っているだけだったので、「疲れたな」というのが感想ですね。でもそんなに走ったわけでもなくて。僕はちょっとの距離でも疲れちゃうものですから(笑)。

監督も何回も一緒にやっている方なので、現場であれこれ話もしました。「それやったらダメだよ。そのあと全然違うことになるから」ということなど、いろいろと相談しながら撮影ができていますね。

あとは、芝居場が3つあって、スタッフは大変だと思うんです。あまり長々と「ここはこうじゃないか」ということをやっていると、他のパートにも影響が出てくる可能性があるので、なるべくサクサク進められたらと思いました。

──「始まったな」という感じはありますか?

まだ全然その感じはありません。人と芝居をやってみないことには、どういう質感になっていくのかが分からないですし。

──番宣で出演するバラエティ番組の収録で中川大志さんや中村アンさんと会ったと聞きました。何か作品について交わした会話があったら、聞かせてください。

役の話よりも、内容の話というか…何をどこまで知っているか、ということと、それぞれが台本から読み取っている相関図を共有しました。レストラン編のメインに出ている人が地方テレビ局編にも出てくるというようなこともあるので。

──最後に、逃亡編の見どころ、ポイントを聞かせてください。

ポイントなんてものは、ないんじゃないのかと思っています。それよりも、どこまで説明を減らせるかが大事で。

ドラマの放送時間は1時間ですが、そのなかで3つの物語が進行していて、1時間が説明だけで終わってしまうと「何がやりたかったんだ」という話になるので。でも、削りすぎても訳が分からなくなって見てもらえなくなる可能性もあって。そこの裁量が課題だと思っています。