――今回の『ザ・ノンフィクション』は、きゃりーさんも以前から知っていると話していた坂田佳子さんを取り上げています。
三角公園で歌っていらっしゃる動画をSNSで拝見していたのですが、その時に見たのは、今回のVTRにもあったように、誰かにキレていたり、絡まれていたりする姿でした。
どんな感じの歌声なのか、何のためにあそこで歌っているのか、坂田佳子さんという人についても知らなかったので、今回、ナレーションを担当させていただいて知ることができました。
佳子さんは、エネルギーに満ち溢れていて、相当パンチが強い方。その波乱万丈な人生を紹介している今回は、本当にとっても『ザ・ノンフィクション』らしいというか、心温まる回だと思いました。
――佳子さんの魅力は、どんなところにあると感じますか?
とにかくピュアで心優しい方だと思います。口が悪くて誤解されることはあるかもしれないですけど、人の話を涙を流して聞いたり、悩んでいる相手に心から寄り添えたりするのは、生半可な気持ちではできないと思いますので、本当に純粋なんだろうなって。
私だったら(自分に)絡んできたおっちゃんとハグはできません。そのメンタルもすごいし、やっぱり、いろいろなことを経験してきて、彼女なりの考え方があるからできるんだろうと思いました。
みんなが簡単にできないことをできてしまうのも魅力だと思います。
――同じ“歌い手”として、刺激を受けたところはありますか?
私はステージに立つとき、自分が楽しんで、その楽しさがみんなに伝わったらいいな、ということを思っていて。佳子さんとスタイルが違うというのはあるんですけど、私のファンの方のなかにも闘病されていたり、私の楽曲を聴いて「生きたいと思った」と言う方もいらしたりするんです。
今回、佳子さんのVTRを見て、自分もより誰かの人生に寄り添えていたらうれしいな、と強く思いました。
私もいろいろなアーティストのライブを拝見していますが、佳子さんほど魂の叫びが聞こえる歌声にはなかなか出会わないので、今度、ぜひ生で歌声を聴いてみたいと思いました。
――「叫んでいる」という部分も大きいですよね。ああいった歌い方で声が枯れないのはすごいことですよね?
声もそうですし、あれだけ叫んで歌ったら体に負担がかかると思うんですよ。本当にミラクルだと思います。心配ですけど、佳子さんは飄々(ひょうひょう)とやっているので、ご自身のスタイルなんだろうなって。私だったら、体がもたないと思います。
――佳子さんは、悩みを打ち明けるファンにアドバイスをします。そういった言葉で印象的だったものはありますか?
おばあちゃんを亡くして落ち込んでいるお子さんに、その子の胸を指して「おばあちゃんはずっとここにおるんや」と言った言葉。
私も最近、大切な人を失くして、どうしても寂しい気持ち、会いたい気持ちが強いんですけど、佳子さんが「ここにいる」ともうめちゃくちゃ言い切っていたので、あのマインドになれたら、あの子もこれからの人生もっと強くなれるだろうと感じました。
ただ、その言葉も佳子さんが言うから心に響く。あの力強さと魂の歌声があるから刺さったと思います。あの場面は、今回のVTRでも衝撃を受けたシーンですね。
<ナレーションの一部を紹介>
<予告動画>
YouTube「FUJITV GLOBAL CHANNEL」で、『ザ・ノンフィクション』の予告動画を配信中!
8月13日(日)14時~「生きる歌 前編~三角公園の歌姫とわたし」予告