『テイオーの長い休日』より、前川泰之さんからコメントが到着しました。
船越英一郎さん主演の土ドラ『テイオーの長い休日』(7月8日/カンテレ・フジテレビ系)第6話が放送されます。
このドラマは、仕事がなくなった“2サスの帝王”熱護大五郎(船越)が、ある事情を抱えた女性マネジャー・吉田ゆかり(戸田菜穂)とともに、人生のリベンジに奔走するヒューマンコメディ。
第5話では、俳優の移籍問題を取り上げ、熱護(船越)は、挑戦することに及び腰だった付き人・萩原匠 (今井悠貴)を挑発し、あえて送り出し、「熱護語録の連発!」、「『仕事は大きさで選ぶな。人で選べ』と言った(匠の)お母さんの言葉が深い」などの反響が寄せられました。
そんなドラマの中で悪役として登場し、「出世」だけを目的にしたキャラクターが、第6話で熱護と対峙する、大手事務所「トレランス」の専務・寿彰(ことぶきあきら/前川泰之)。
寿は、社長になることだけを目的に、汚いやり方も是として突き進む男。SNSでは「最終話で寿がギッタギタにやっつけられるのを期待して待ってるw」などのコメントも。
そんな前川さんに、話を聞きました。
そんな伊集院を演じる白石さんに、話を聞きました。
<前川泰之 コメント>
――寿をどんな気持ちで演じていますか?
寿という人間は、いろいろと策を練る人で、相手の人によって、あれこれ態度を変えたり、そういうことも平気でできちゃう人なので、いろいろな表情とか側面を見せるのがいいんじゃないかな、と思って演じました。
攻めるところは攻めたり、クールなところはクールだったり、おちゃらけるところはおちゃらけたり…いろいろな側面を見せておけると、寿の根本にあるものが際立ってくるかなぁ、と。
ただ、そうやって寿という役を演じるなかで、「人間って、こういうことなのかな」と思ったことがあるんです。それは、人が社会生活とか、生きていくなかで、ほかの人に見せているところというのは、実はほんの一部分でしかないんじゃないか、ということなんです。
人間って、人の前で見せている自分というのは、ほんとに何割でしかないと思うんです。
だからこそ、寿という悪役を演じるにあたっては、見えていないところを意識しながら、外に出す部分を強調していくことで、あとで 「ああ、そういうことか!」 と見る人にもわかってもらえるかなと思いながらやっております(笑)。
(人間の深さを意識している?)いやいや、そんなことないです、ほんとに(笑)。今回も船越さんとか、大ベテランの先輩と一緒にやらせていただいていて、考えている深さとか、言葉の端々に感じられる深さとかが、もう段違いで…。
「うわぁ、やっぱちがうなー」 などと思いながら、日々勉強させていただきました。そういう経験をさせていただけたのは、ものすごくありがたいですね。
――熱護の生き方から学んだことも、たくさんあったとか。
そうなんですよ!熱護さんって、俳優として強烈な生き方をしているじゃないですか。その端々を見るだけでも、「あ、確かにそうだよね」 と気づかせてもらうというか、自分に対する戒めを含めて、そうだなと思ったことがあります。
二つあるんですが、まずひとつは「手を抜くな」という戒め。熱護さんの言葉のそこかしこに出てくると思うんですが、仕事に対してとか、役を作るといったことに対して、絶対に手を抜いちゃいけない。
それは、他者からの評価に応えるためにそうするのではなくて、結局は自分との闘いみたいなことになってくる。
僕らも現場に臨むにあたって、どれだけ準備をしていけるか…もちろん、現場のその場でもいろいろと勝負をしなきゃいけないんだけど、そこに至る前に、どれだけ自分で準備をしていけるか、が大きな分かれ目になっていくと思うんですね。
手を抜こうと思えば、「あ、これはこれくらいでいいか。これくらいで行けるんじゃないか」ということもありがちですけど、でも、やっぱり、もう 「これ以上ない」 というところ
くらいまで準備をして現場に臨まなきゃいけないよなぁ、と。これは、熱護さんの姿勢を見ていて、すごく思いました。
役者って、ほんとに、自分の性格や性質と闘うようなところがある職業だと思っています。僕自身は、けっこう、のんびり屋でマイペースなところがあるんですが、この 「手を抜かない」 というところは大事だと思い知らされました。
もうひとつは、時代の流れに関することです。
僕自身、実はここ数年、生き方とか、仕事に対しての向き合い方が、難しくなってる気がしていまして。
選択肢が増えたりだとか、情報発信の仕方が増えたりだとか…役者として、お芝居していくことだけを突き詰めていければいいんだけど、そうではない…お芝居をする以外の部分がたくさん出てきたな、と感じています。
そういうなかで、「あぁ、俺、こんな活動もやった方がいいのかな」と思い始めたりして…。僕、わりと、考えがちょいちょいブレたりすることがあるので、熱護さんを見ていると「あぁ、こうやってブレずにやっていける人は、うらやましいなぁ」と(笑)。
しかも、最終的には、自分の考えとか、自分の中の価値観、自分がやりたいかやりたくないか、というところで判断しないとダメだよね、ということにも気づかせてもらいました。
僕、何年か前に、ようやく役者としてちゃんと見てもらえるようになったと思ったときがありまして。そのときに、「よっしゃ!これで俺も安泰か」と思ったら、そこからババっとバラエティにも出るようになったときに、内心「俺、こっちを望んだわけじゃないんだけどなぁ」
なんて思っていた時期がありました(笑)。
それはそれで、知名度とか認知度とか、お芝居以外の部分でみなさんに知っていただくためでもあるんですけど(笑)。
僕は、2005年か2006年くらいに役者としてデビューしたんですが、その当時には、Twitterも、facebookもまだ日本のどこにもない時代でしたからね。
俳優業をやっている人が、SNSで情報発信するようになったのは、もう本当に最近。それも、最近、急激に誰もがやるのが当たり前のようになっている。
今の時代が、メディアなり…媒体がすごく増えて、そういうなかで役者の仕事をして生き残っていくのも大変だし、そういう不安を抱えたなかで、気持ちが転びそうになる。
そんなときに、この、熱護大五郎という人の生きざまを見ると、自分がいままで大切にしてきたことを、そう曲げちゃいけないんだということに気づかせてもらえたような気がします。まぁ、熱護さんみたいには、なかなかできるものではないですけど(笑)。
とはいえ、僕は、フジテレビの『痛快TV スカッとジャパン』とかめっちゃお世話になりましたからね(笑)。ま、時代や世代によっていろんな手段や方法はありますし、僕は、否定も肯定もしませんし、良い悪いではないと思っています。
――最後に、視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。
第5話から第6話にかけては、このドラマシリーズの中でも“第二章”として位置づけられている、大きな転換点となっています。
今まで第1話、第2話、第3話、第4話をご覧いただいているなかで、視聴者のみなさんが謎に思っていたところが、いくつか解き明かされる回でもあります。
登場人物のそれぞれが、自分なりの正義とか哲学のようなものを持って生きていて、それがゆえに互いに衝突したりすることも起きている。そこで人は、どうやってその衝突に決着をつけていくのか。
そういうところを見ていただけると、業界の中だけのことでなく、もっと普遍的な何かに気がいていただけるかもしれません。
あと、寿が、熱護大五郎さんと真正面から向き合って、話をするシーンが出てくるんですけど、そこでのセリフが、僕はすごく心に刺さってしまいまして…もう、見ていただけると、すぐにわかっていただけると思いますが、とてもいいシーンになっています。
実は、僕は今年50歳になるのですが。そんな人生のひとつの区切りを迎えるタイミングで、こんな感じ入る言葉がたくさんある作品に参加させていただけたのは、もう、ほんとに良いご縁だったなと思っています。
『テイオーの長い休日』第6話は、7月8日(土)23時40分より、東海テレビ・フジテレビ系で放送されます。
<第6話あらすじ>
匠(今井悠貴)が去り、所属が熱護(船越英一郎)だけになったオリプロ。
そんななか、ゆかり(戸田菜穂)は匠と人気俳優・伊集院(白石隼也)のW主演映画に、熱護を売り込んでいた。
匠のバーター仕事など断るだろう熱護を何とか説得しようとするゆかりだったが、なぜか熱護は二つ返事で出演を了承する。
翌日から寿(前川泰之)の陰湿な嫌がらせが始まる。いつ熱護が爆発するかとヒヤヒヤするゆかりだったが、なぜか大人しい熱護で…。
むしろ、同じトレランスの伊集院が寿への不満を爆発させてしまうことに。そんななか、寿が突然更迭されて…。
公式HP:https://www.tokai-tv.com/teio/
公式Twitter:https://twitter.com/tokaitv_dodra
公式Instagram:https://www.instagram.com/dodra_tokaitv/