『あなたがしてくれなくても』第9話完全版

吉野みち(奈緒)は夫・陽一(永山瑛太)から、新名誠(岩田剛典)は妻・楓(田中みな実)から、それぞれセックスに誘われたものの、拒んでしまう。

体を重ねることを望んでいたはずだったのに、皮肉にも自分から拒んでしまったことに動揺するみちと新名。陽一と楓もまた、今まで自分がしてきたことが返ってきたかのように、相手のつらさを思い知っていた。

<ドラマ『あなたがしてくれなくても』これまでのあらすじ完全版>

陽一は、カフェの壁に飾られたパズルの欠けている1ピースを自作してはめ込むが、パズルの色は周囲に合わない。オーナーの高坂仁(宇野祥平)は「他のもので適当に埋め合わせてもこうなるんだ」と言うと、妻に浮気がバレた、と話し始める。

前回バレた時は家を買って許してもらったという高坂。その夜、陽一はみちに、賃貸契約を更新しないで、マンションを買わないかと切り出した。

すでに内覧の予約も入れたと言う陽一が見せたマンションの間取りは1LDK。子どもが産まれた時のことを考えていないことがわかる陽一の提案に、みちは不信感を抱く。

楓はマンションを出てホテルで生活すると新名に連絡し、彼の気持ちを試そうとする。だが、新名からの返信はなかった。「帰って来い」という返事を期待していた楓は悲しみに沈む。

マンションの内覧の日、陽一はみちの気持ちをくんで2LDKの部屋を見せてもらうことに。不動産屋の圧にも負けずにいろいろと尋ねる陽一を頼もしく思いつつ、みちは子ども部屋へ。「もしレスじゃなかったらどうなっていたのかな?」。そう考えるみちに寂しさが込み上げていた。

川沿いの遊歩道を歩いていたみちは、新名から声をかけられる。ベンチに座る2人。新名はビールを買いに行き、みちに缶ビールを1本差し出した。

みちは、新名の転職先が有名企業だと知って驚く。話しているうちに気持ちが溢れそうになったみちは、一緒にビールを飲むのを止めようと提案し、笑みを作って帰って行った。

新名が帰宅すると、楓が戻ってきていた。迎えに行かなかったことを謝る新名。楓は「帰ってきてごめんね」と返した。

あくる日、みちは上司から、昇進試験を受けるよう指示される。後輩・北原華(武田玲奈)は、営業推進部のみんなで応援する、とみちに声をかけた。

一方、楓は、興信所から得た資料をもとに、陽一の店を訪れる。毎日おいしいコーヒーが飲める奥さんがうらやましい、と切り出し、「奥さんってどんな方ですか?」と陽一に尋ねる楓。すると美人客に浮かれていた高坂が、ずっとそばにいて陽一を支えてくれている良い子だと返した。

自分の夫が浮気していることなどを話した楓は、夫婦は他人同士なのだから案外わからないものだと言うと、「裏切られたらどうするんですか?」と陽一に問いかけた。「それはそれで俺のせいなんで」と返す陽一。

楓はその言葉にハッとなり、逃げるようにして店から出て行く。

楓の様子がおかしいことに気づいていた編集長の川上圭子(MEGUMI)は、何でも頑張りすぎで、負けず嫌いの楓が好きだと言って背中をさする。

こらえていた涙が溢れ、「ごめんなさい」と謝ることしかできない楓。圭子は、そんな楓にまだ負けていないのだから謝るなと告げると、「自分の心を壊してまで一緒にいることに何の意味があるのかな?」と問いかけた。

新名は、一時退院したものの、夫に尽くしてまた体調を崩し、再入院することになった母・幸恵(大塚寧々)を見舞う。幸恵は、大切な人が家の中でも外でも、その人らしくいてくれることが自分の生きがいだと言うと、夫婦の足並みがそろわない時はちゃんと立ち止まるよう助言。

「お父さんと結婚して、私は幸せなの」。新名は、そう言って笑う幸恵を優しいまなざしで見つめた。

陽一は、マンションの件はどうするのか、とみちに問いかける。そんな陽一に、意を決して「陽ちゃんは本当に子ども欲しい?」と尋ねるみち。「欲しくない」という陽一の言葉にショックを受けたみちは、寝室で泣き崩れた。

最後の出勤日を迎えた新名は、営業一課と推進部の部員たちに別れの挨拶をする。だがそこに、みちの姿はない。それに気づいた華は、今夜ラーメンを食べに行こう、とみちを誘った。

仕事を終えたみちがラーメン店を訪れると、そこにはなぜか新名が。華から届く「ちゃんとサヨナラしてきてください」というメッセージ。みちと新名は、かつて一緒にラーメン店を訪れたことを思い出していた。

店を出たみちと新名は、別れの挨拶をかわし、別々の道を歩き出す。しかし、ふと足を止めた新名はみちを追いかけ、彼女の手を握って走り出した。

みちの手を引きバスに乗り込もうとする新名。しかし、バスを見送った2人。もう逃げたくない、という思いからだった。

新名が帰宅すると、楓が転職のお祝いを用意して待っていた。そこで新名は、離婚しようと楓に告げる。楓は、あっさりとそれを受け入れ、離婚に同意。

一方、陽一は、帰りが遅いみちを心配して、探しに行こうとしていた。そこに戻ってきたみちは、話があると切り出す。

「子どものこと?子ども作ってもいいよ」と、言う陽一に対して、みちは「作ってもいいなんて言われて私が喜ぶと思った?もうその場しのぎの言葉いらないの」と返し、「私と離婚してください」と告げて…。

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