人気芸人3人が、賞レースへの思いを語りました。

4月9日(日)の『ボクらの時代』は、プライベートでも仲の良い、ヒコロヒーさん、せいや(霜降り明星)さん、伊藤俊介(オズワルド)さんが登場しました。

せいや 陣内智則に言われた「自分ら…おもろいな」が忘れられない

せいやさんが、芸人を志したきっかけの話題では…。

ヒコロヒー:(相方の)粗品に、ゴリゴリ口説かれて?

せいや:もともとのホンマのきっかけは、小4くらいのときに、大阪ならではの、お笑いクラブっていうのがあったのよ。

伊藤:大阪だなー。

せいや:毎日、大喜利とか、黒板にみんなで書いて。

ヒコロヒー:へぇ、かわいいね。

せいや:そうそう。で、小6くらいで、NHKのお笑いコンテストみたいな。2000人くらいのお客さんの前で(披露する)みたいなんで、俺らが勝ち上がったの。そのときのMCが陣内(智則)さんやったの。

ヒコロヒー&伊藤:へー!

せいや:今でも忘れない。小学生の漫才やねんけど「ありがとうございましたー!」って終わって、そでにはけたときに、(裏で)陣内さんが椅子に座って「自分ら…おもろいな」って。

ヒコロヒー:(笑)。

せいや:俺、いまだに忘れへんねんけど。「うわ!芸人になりたい」って、一発目にあそこで思ったかもしれない。「かっこいい」みたいな。「芸人になりたい」って思った、はじまり。

ヒコロヒーさんが「もし、せいやの半生をドラマ化するってなったらさ、その瞬間の陣内さん、めちゃくちゃカッコイイだろうね」と言うと、せいやさんは「もうホンマに、菅田将暉さんとかにやってほしい」と希望しました。

ヒコロヒー「もう、賞レースに向けたネタじゃないネタを書こう」

昨年、「R-1グランプリ」のラストイヤーを迎えたヒコロヒーさんは、今の思いを語りました。

ヒコロヒー:丸10年、賞レースやってきたから。もう、賞レースに向けたネタじゃないネタを書こうと思っていて。

伊藤:うん。

せいや:ああ、そうか。

ヒコロヒー:「R-1」ってさ、ギャグの人もいれば、漫談の人もいて、いっぱい道具を使うような人もいてっていうなかで、コントで勝ち抜くってやっぱり、めっちゃ難しいことで。

せいや:ストロングやしね。

ヒコロヒー:それはもう、歴代の先輩方もみんな言っていて。それでもやっぱり、コントで挑戦し続けたい。半ば意地になって10年コントでやり続けたけど、ラストイヤーになって、私、コロナで出られへんかった…。

せいや:そうか、最後。

ヒコロヒー:めっちゃ残念な終わり方やったから。最後まで賞レースには縁がなかったなって。それで、単独でネタをやるようになったら…やっぱ、これはね、ネタ作るのは一生楽しいよね。

せいや:うん。「R-1」っていう呪縛がなくなったから、より楽しいよな、今。

ヒコロヒー:そうそう、余計ね。

3人は、賞レースにまつわる芸人へ向けられる視線についても語りました。

ヒコロヒー:私らが賞レースに挑戦しだしたときに、よく、いろんな人が「優勝したか知らんけど、でもフリートークが…」とか「あの人たちは、エピソードトークが…」とか。

せいや:うん。

ヒコロヒー:それがずっと嫌やってん。「この人たちは、ネタでファイナリストになって優勝してんねんから。なんで、そんなこと言う人がおんねん」みたいな。

伊藤:マジで、別モノですよね。

ヒコロヒー:マジで、別!

伊藤:「『M-1』優勝したから仕事もらえてる人」って言われるのも、めっちゃムカつくじゃないですか。

せいや:あー。でもだから、そこからどう行くかっていう。「M-1」やったら、旬が(ある)。結局、毎年更新しないと終わるもんな。

伊藤:そう。だって霜降りさんだって「M-1」優勝して。だけど、平場が面白いから平場の仕事が増えてるじゃないですか。だから、そこを一緒にされるとちょっと…。

ヒコロヒー:うん、うん。

せいや:めっちゃわかる。「M-1」優勝してからも、俺ら毎月単独ライブもやってるし、ネタもめっちゃ作ってるのよ。でも、何かやっぱり「優勝したから、ネタ番組出られてるやん」とか、その感じはある。

せいやさんは「今からでも『M-1』もう一回出て、優勝したるぞ」という気持ちでネタを作っていると明かしました。

伊藤俊介「『M-1』だけの人生になるのは違う」

「M-1グランプリ」に挑み続けているオズワルドですが、伊藤さんは心境の変化を明かしました。

伊藤:もう、去年がピークというか。

せいや:「M-1」熱?

伊藤:「M-1」の旬というか。何でしょうね、優勝したいですけど。出ますし。でも、みんなが応援してくれる時間は、去年でいったん終わったと思います。

せいや:一周まわって、リセットされたみたいな?

伊藤:それだけを考えて生きていくと、人生がつまらなくなってくるから。

せいや:確かになー。

伊藤:だいたい、夏に「旅行に行こう」とか、そういうのとかも「まぁ、でも『M-1』優勝してからだな」とか。

ヒコロヒー:そう、わかる!

せいや:わかるわ!

伊藤:例えば「ドラマの仕事が来ました」ってなって。「ただ、『M-1』もあるし、ちょっと拘束時間が長いから『M-1』優勝してからだな」って。こうやって、どんどんいろんなことを「『M-1』優勝したら」って断っていくと、もう、これだけの人生になるのは違うなっていうのはあります。

せいやさんも「ずっとチラつく。みんなが思っているよりも毎日『M-1』のことを考えてるよな」と共感。

伊藤:去年までは、マジでそのモードだったんですけど。

せいや:うん、うん。

伊藤:本当にしんどかったから。で、「しんどいって何だよ?」って思って。お笑いやってるのに。

せいやさんが「伊藤は今、いろいろ整ったというか、一個突き抜けたんや」と感心すると、伊藤さんは「そうですね。そっちのほうがいいネタもできるっていう感じですよね」とうなずきました。

この3人で、トーク番組ができたら

3人が思い描く理想の番組については、「トーク番組」で一致。

せいや:やっぱ楽しいよな。人の話聞いて楽しいし。それで、伊藤が面白い話をした。ほんなら、自分の引き出しが開くねん。思い出すやん。その瞬間が俺、好きやねん。

伊藤:あー、わかります、わかります。

せいや:「あ、俺も、こういうことあったわ」って、自分でも思ってもいない話が飛び出して。その瞬間が、一番オモロイ話ができるというか。

ヒコロヒー:うん。ホンマに、この3人でできたらなぁ。

せいや:めっちゃ理想。伊藤とかヒコロヒーもしゃべり好きやし。

ヒコロヒー:地味にね、粛々と。

せいや:そう、そう。

伊藤:うん。

ヒコロヒー:ホンマの一番の理想は、めっちゃ深い時間に30分とか、1時間とか。好きな人だけが見るというのを10年くらい続けて…。

伊藤:ああ、いいですね。

ヒコロヒー:10歳のときに見始めた子が、ハタチになる。「青春時代に見てました」「あの変な番組?」とか言われるのが…。

伊藤:それ、最高だな。

せいや:それ、最高よ。

3人は、芸人としての理想のあり方についても言及しました。

せいや:笑いがない現場を嘆くより、おもんない現場を自分の力でおもろくするのが楽しいというか。

伊藤:そうそう。さっきの理想の番組とか、トーク番組がベースにあるとしても、自ら企画を練って「こういう企画がやりたいんです」とかはないんです。

せいや:投げられた企画を、おもろくしたい。

伊藤:そう。投げられた企画で「あいつがいたら、面白くなるよね」って。

ヒコロヒー:めっちゃいい!

せいや:それは、芸人の理想像やな。

せいやさんは「『この人おってくれたら、現場がとにかく何とかなる』。そう言われたら、うれしいな」と続け、ヒコロヒーさんは「その信用よね」と盛り上がりました。

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