『女神(テミス)の教室~リーガル青春白書~』最終話完全版
裁判官の柊木雫(北川景子)が青南法科大学院(通称、青南ロー)に派遣されて初めて教えた学生たちは無事に卒業。
そして柊木が藍井仁(山田裕貴)とともに受け持つ実務演習を選択した照井雪乃(南沙良)、真中信太郎(高橋文哉)、水沢拓磨(前田拳太郎)、天野向日葵(河村花)は、難関の司法試験を突破して法曹界へと歩み出していた。
<ドラマ『女神(テミス)の教室~リーガル青春白書~』これまでのあらすじ完全版>
しかし、桐矢純平(前田旺志郎)だけは、まだ司法試験に挑戦中で…。
再度受けた司法試験の合格発表が近づく中、桐矢は青南ローでともに過ごした仲間たちの職場を訪ねた。
弁護士になった水沢と真中、裁判官の雪乃、司法修習の向日葵と会うが、みんなそれぞれの職場で悩みを抱えていて、桐矢は自分のことを聞いてもらえる余裕はなさそうだとあきらめてしまう。
一方、柊木は学院長・守宮清正(及川光博)から、ある任務を与えられる。
文科省の官僚との話し合いに行った守宮は法科大学院の存在意義を問われ、ロースクールにはロースクールの人材育成の役割があると答えた。しかし、その役割と具体的な成果を見せてほしいと官僚に詰められる。
そこで守宮は、柊木にも次回の法科大学院等特別委員会に出席して、ロースクールの意義を語ってほしいと言うのだ。
柊木はさっそく、ロー時代の同期で弁護士の安藤麻理恵(佐藤仁美)と検事の横溝太一(宮野真守)に特別委員会で話すことを相談。
すると2人は、「責任重大だ」「原稿料いくら?」とからかいながらも柊木の背中を押した。
そんな時、桐矢は相談に乗ってほしいと青南ローの仲間たちを居酒屋に呼び出す。
集まった真中たちはお互いの職場での愚痴を言い合い、いつしか学生時代の雰囲気に戻っていくが、呼び出した桐矢がなかなか現れない。
心配した真中たちが探しに行くと、肩を落として歩く桐矢を見つける。
集まった仲間たちに桐矢は司法試験の問題が全然解けなかったと打ち明けた。それでも踏ん張りたいからみんなに会いに行ったが、楽しそうではなかったと桐矢は続ける。せっかく法律家になったのだから壁を乗り越えてくれと吐き捨て、桐矢は去っていった。
真中は桐矢が自分たちを集めたのは、悩みを抱えた仲間が話し合うことで前を向けるようにしてくれたのではないか、と気づくが…。
柊木が大学へ出勤すると藍井に会う。
法科大学院等特別委員会で話すことを相談しようとする柊木だが、藍井は答えない。それより、以前は毎日自習室に向かう桐矢を見かけていたが、最近は見かけないと話す。
合格発表前に怖気付いたのかと言う藍井に、柊木は桐矢なら1人ではないので大丈夫だと答えた。すると、藍井は「ローにはそういう価値もある」と言って去っていく。
自信を喪失している桐矢は、雪乃から法廷に来いと呼び出された。
そこで雪乃は被告人に質問をする。そして、頑なだった被疑者から話を聞き出すことに成功した。
裁判後、感動したと話す桐矢に、雪乃は喝を入れられて目が覚めたと言う。すると、そこに仕事終わりの真中、水沢、向日葵もやって来る。そして、自分たちはこれからも良い法律家を目指すので、桐矢も司法試験をあきらめるなと勇気づけた。
一方、柊木は守宮と法科大学院等特別委員会に出席。
自身がロー出身の出来の悪い学生だったことなどを話し始めた柊木は、法律家に最も重要だと思うのは人を知ることだと話す。法科大学院はそうした法律家が資質を育む場所だと言う。
ロースクールでの素晴らしい出会いが今の自分を作り、武器になっていると言い、「これからも学生たちに伝えていきたい。そのチャンスが欲しい」と柊木は結んだ。
この柊木の話で法科大学院の縮小は、しばらく様子を見るということになる。
司法試験の結果発表の日。電話も待つ柊木に桐矢から合格の報が入った。
藍井に報告すると、当然だと言われてしまう。なぜだと聞く柊木に、藍井は「あなたが桐矢は大丈夫だと言ったんだ」と答えた。信じてくれていたんだと喜ぶ柊木に、藍井は単なる通過点だと話す。
こうして、実務実習で柊木が最初に教えた5人全員がプロの法律家の道へと進んだ。