2024年9月21日、大相撲秋場所14日目、千秋楽を待たずに2度目の優勝を決めた関脇・大の里(24)。             

さらに、三役(関脇・小結)で臨んだここ3場所の勝ち星の合計が大関昇進の目安である33勝を超え、史上最速、初土俵から9場所での大関昇進を確実にしました。

出世の速さに髪の毛が追い付かず、大銀杏が結えない“ちょんまげ姿”で看板力士へと駆け上がった大の里。

22日に行われた優勝後の祝賀会では…。

関脇・大の里:

優勝して大関に上がるっていう、やっぱり気持ちも違いますしうれしいですし、またより一層頑張らないとだめだなという気持ちにもなります。こういう経験を何度も何度もできるように頑張りたい。

そして語ったのは自身の原動力にもなっている“ふるさと石川県への思い”でした。

関脇・大の里:

大変な被害があって石川県が。ああいう状況になっていることに土曜の朝に知って、絶対今日僕が優勝したいって土曜日の朝決めていたので。土曜日に決められてよかったです。

優勝を決めたその日、地元・石川県に大雨特別警報が発表。能登地方では大規模な土砂崩れや河川の氾濫など甚大な被害がもたらされました。

ふるさとが被災 地元の声援を胸に…

大の里が初土俵を踏んだのは2023年5月。

その半年後の2024年元日、ふるさとが能登半島地震に見舞われます。

左から遠藤、大の里、輝

その翌月、大の里は同じく石川県出身の力士、遠藤・輝とともに、被災者を勇気づけようと県内にある避難所を訪問しました。

関脇・大の里(2024年2月):

お相撲さんを見て喜んでもらえたらうれしいので。直接来て元気を与えられたので、次はしっかり準備して大阪場所、またみなさんに明るい話題を届けられるようにがんばりたいと思います。

そして2024年5月、新小結として臨んだ夏場所。

初土俵から1年、大の里は史上最速7場所目で初優勝を果たします。

地元の声援を胸に、新関脇として迎えた今場所。

初日から11連勝の快進撃。12日目に初黒星を喫するも単独トップのまま迎えた14日目。2度目の待ったなしからもろ手突きで大関・豊昇龍をあっという間に「押し出し」。2度目の優勝を果たしました。

愛弟子の優勝について、師匠で元横綱・稀勢の里の二所ノ関親方は…。

元横綱・稀勢の里 二所ノ関親方:

地道にやり続けていますよね。見ていても、稽古場からもそういうものも感じますし、つまらないということを一番やっていますしね。引き続きうるさく言っていこうと思います。

強い大関と言われるくらいの大関になってほしい。

大関昇進が確実となり、今後さらなる飛躍が期待される大の里。その強さについて、相撲取材歴36年、相撲ジャーナリストの横野レイコさんに聞きました。

相撲ジャーナリスト 横野レイコ氏

相撲ジャーナリスト 横野レイコ氏:

192cm182kg、この恵まれた体を使った前に出る力がすごいんですよ。何よりも、師匠に聞いたら「大の里は素直」だと。「誰よりも上に上がりたいという気持ちが強い」と。「心が一番の武器だ」と言っていました。

今場所では「おっつけ」という新しい武器を開花させたんですけど、今場所はすごく調子も良かった。全部がうまくかみ合ったと思います。

そして若い力士がたくさん出てきていますが、その中での筆頭が大の里関。大関はあくまで通過点で、協会の中では横綱という声が早くもあがっているくらい期待は大きいですね。


(『めざまし8』 2024年9月23日放送より)