東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで9月21日に開幕した「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」。初日を目前に控えた20日に行われた内覧会に、芸能界きってのアート好きとして知られる藤井フミヤが来場した。
ジャン=ミシェル・バスキアは1980年代のニューヨーク・アートシーンにすい星のごとく現れたアーティストで、わずか10年の活動期間に3000点を超すドローイングと、1000点以上の絵画作品を遺し、27歳という若さで急逝。
その作品はエネルギーにあふれ、20世紀モダニズム美術の流れをふまえただけでなく、ジャズやヒップホップ、アフリカの民族や人種問題などもテーマとして制作した作品は高く評価され、20世紀美術最大の巨匠として確固たる地位を築いた。
会場に到着したフミヤはまず、オリジナルTシャツを購入し、“正装”に着替えて作品群と対面。一つ一つの作品を熱心に鑑賞した後、インタビューに答えてくれた。
藤井フミヤ「鳥肌が立つぐらい驚きました」
Q.熱心にご覧になっていましたが、「バスキア展」をご覧になった感想は?
あまりの作品の多さに、鳥肌が立つぐらい驚きました。一生に一度だね。見られないよ、これだけのものは。
Q.特に印象に残った作品は?
(バスキア展の)フライヤーにも掲載されている、前澤友作さん(株式会社ZOZOファウンダー)所有の作品はとても有名だから、実際に見た時は「あ~、これか」と感じましたね。きっとみなさんもあの作品が一番印象に残るんじゃないですか。
Q.バスキアは1960年生まれ、フミヤさんが62年生まれと、同世代ゆえに思うところもあったのでは?
そう考えると、本当に若くして亡くなってしまったんだね。バスキアが亡くなった27歳の時、僕は25歳。バリバリアイドルやってた頃だ(笑)。
Q.太く短い人生でしたね。
確かにそうなんだよね。アンディ・ウォーホルもキース・ヘリングもバスキアも、皆その時代を生きていたんだよ。あの頃のニューヨークは、でたらめだったからね。若者がいきなり大金を手に入れちゃったら…想像できないよね?
Q.フミヤさんもこの夏、16年ぶりの個展「FUMIYART(フミヤート)」を開催されましたが、バスキア展で刺激を受けたり、ご自身のアート活動にとり入れたいと感じられたことがあれば教えてください。
作風はまったく違うんだけど、あれだけ大きな作品を見ると自分のアトリエがほしいって思っちゃいますね。あれぐらいのキャンバス作品が描けるような…。
あとは、バスキアの作風を見て、「彼には才能がある」と気づいてたくさん描かせたギャラリスト(美術商)がまず偉いですよね。ギャラリストの存在があったからこそ、あれだけの作品が残っているという。しかも、ごく短期間で制作しているわけだから、その才能を見つけた人もすごいと思う。
Q.これからバスキア展をご覧になる方へメッセージをお願いします。
「みんな、見に来たほうがいい」とまず伝えたいですね。六本木ヒルズというスポット、そして、52階にあるこの会場も“THE東京”を感じられる場所なので、地方の方にも観光がてらぜひ来ていただきたい。バスキアのDNAが地球上のあらゆるところにばら撒かれていることを知ることができるので、絶対に見たほうがいいです。
フミヤも話したように、バスキア作品過去最高額となる123億円で前澤氏が落札した「Untitled」以外にも、世界各国から集められた約130点が展示。その溢れ出るエナジーと独創的な色使いは一見の価値がある。
また、グッズ売り場で販売されているアイテムも見逃せないものばかり。フミヤもTシャツ以外にも、長傘や折り畳み傘などを購入し、会場をあとにしていた。
Artwork © Estate of Jean-Michel Basquiat.
Licensed by Artestar, New York