2018年より毎年、エンターテインメントのバックステージに長期密着し、好評を得てきた『連続ドキュメンタリー RIDE ON TIME』。そのSeason5の第3弾として、A.B.C-Zの特集がスタートした。
番組は、昨年12月に上演された、A.B.C-Zが演出・主演を務める舞台「ABC座 10th ANNIVERSARY ジャニーズ伝説 2022 at Imperial Theatre」の初日開演前のメンバーの様子をはじめとする仕事現場に密着。デビュー10周年を迎えた彼らの、舞台にかける思いに迫る。
初回、1月13日(金)の放送は、Episode1「Father」。
「ジャニーズ伝説」は全世代で助け合い作り上げられる舞台
2022年12月5日、舞台「ジャニーズ伝説」初日。雨が降りしきるこの日、A.B.C-Zの姿は帝国劇場にあった。
「塚ちゃん(塚田僚一さんの愛称)って雨男だよね」「(舞台の初日と千秋楽に)ことごとく降るもんな」と、会話を交わす橋本良亮さんと五関晃一さん。話題の中心である塚田さんは、鍛え上げられた筋肉をむき出しに、共演する後輩たちへ「15分前です!」と声をかけ、士気を上げる。
そして、舞台の本番直前、戸塚祥太さんはある控室に向かい「ジャニーさん行ってきます」と、恩師であるジャニー喜多川氏の写真へ挨拶し、気合を入れていた。
2012年に持ち味のアクロバットを見せるため、ジャニーズ初のDVDデビューを果たしたA.B.C-Z。彼らがデビュー当初からグループとして大切にしてきた仕事が、メンバー自ら演出を手掛けるミュージカル「ジャニーズ伝説」。
ジャニーズ創成のエピソードを描くこの舞台。河合郁人さんは「最初はジャニーズ伝説という舞台ではなかったんですけど、2年目くらいのときに、『初代ジャニーズの資料が家から出てきたから、これを使いたい』という話から、ジャニーズ伝説をやろうと急に言われた」と、裏話を明かす。
また、「最初は、ジャニーさん役はなかった」といい、戸塚さんが「ジャニーさん自身が『自分のことは出さないでよ』(と言っていた)。ちょっとバレないように出してみようと」と語るように、メンバー間で話し合い、改良を重ねていったという。
そして、河合さんは「初代ジャニーズのあおい輝彦さんにも声で出演していただいて、ジュニアの仲間もたくさん出ているので、全世代が助け合って作っている舞台」と、表現した。
冒頭で紹介された、初日公演の舞台裏について、SNSでは「ジャニーさんたちの楽屋があるのいいね」「ジャニーさんの楽屋に挨拶しに行くトッツー(戸塚さんの愛称)を見て泣いた」と、感激する人が続出。また、「観劇した日のことが鮮明に思い出される!」「舞台裏の5人が見られるのうれしいな」というコメントも見られた。
戸塚祥太の風貌は“ジャニーさん”そのもの
今回で7度目の上演となる「ジャニーズ伝説」のステージで、“ジャニー喜多川”を演じるのは戸塚さん。番組が稽古場を取材すると、帽子・メガネ姿の戸塚さんが稽古に励む姿が。生前のジャニー氏を思わせるような装いに、共演する7 MEN 侍(ジャニーズJr.)の佐々木大光さんも「めっちゃ“ジャニーさんだ!”と思いました」と語る。
戸塚さんがこれまで務めた主演舞台は10本以上。一つひとつの役柄に真摯に向かってきた。そんな戸塚さんは「ジャニーさんから褒められたことがなくて。でも、唯一褒められたのが芝居だった」という。
今や多くの後輩がいるが「もう、後輩ジャニーズの層の厚さ、半端ない」と語り、事務所の中でも中間の立ち位置にいるA.B.C-Zとして「先人たちのことを、後輩の世代にも伝えたいし、下の子たちのことも先輩たちに教えたい。バトン(を渡す立ち位置)だよね」と思いを明かした。
ジャニーズが60年以上続いた理由は…?
1966年、アメリカに渡った初代ジャニーズは、有名プロデューサーからの楽曲提供を受け、全米デビューという大きな成功をつかみかけていた。しかし、ある理由から日本に帰国することに。苦渋の決断を下したジャニー氏と初代ジャニーズに思いをはせるたびに芝居は変わる。
稽古場では、あるシーンの心情について話し合いが行われていた。「意見がみんな違ってきてると見せるにはいい(場面)かなと思った」という河合さんに、戸塚さんは「15歳の子どもだって考えると、自分をコントロールできないと思うから。『そっか、(日本に)帰ってきた年に解散したんだ』と、それだけアメリカでの出来事は大きかったんだ(ということを表現したい)」と、同調する。
番組スタッフから「この舞台ではどこが大事になってくる?」と聞かれ、「今もあるジャニーズのすごさは、ジャニーさんが挫折しても続けてきたからこそ今に続いている。続けることは素晴らしいことだと伝えられたら」と話す河合さん。
そして、なぜジャニーズは60年もの間、上を目指し続けてこられたのか。戸塚さんは「“執着”だと思います。作ることに対して、ナンバーワンになることに対して、ジャニーさんがずっと執着していたんだと思います。じゃなきゃ、走りきれない」と語った。
SNSには、「舞台と真摯に向き合っていることがすごく伝わってくる」「こうやってたくさん話し合って、作り上げているんだね」などと、長く続く舞台でも手を抜かず、丁寧に作り上げるA.B.C-Zの姿に思いを寄せるファンの声が多く見られた。
次回、1月20日(金)は、「ジャニーズ伝説」に出演する佐藤アツヒロさんが語るジャニーズ、そして塚田さんはアクロバットへの思いを明かす。