日本のドラマの海外発信を目的としたドラマの祭典である『国際ドラマフェスティバルinTOKYO』。今年で13年目を迎えたが、そのイベントの一環として、2017年からはドラマ制作者によるシンポジウムが開催されている。
今年も、『ここから始まる新しいテレビドラマ~それぞれの戦い編~』と題したシンポジウムを開催。脚本家の大石静、尾崎将也、古沢良太、ディレクターの川上剛(NHK)、並木道子(フジテレビ)が登壇し、それぞれがドラマ制作に対し思うことや新たな試みについて語った。
フジテレビュー!!では、このシンポジウムを3回に分けてレポート。第3回は、尾崎氏が語る、現在放送中のドラマ『まだ結婚できない男』(フジテレビ系/毎週火曜22時~)の誕生秘話を紹介する。
はじまりは、思い付きの提案からだった!
尾崎が脚本を手がけるドラマ『まだ結婚できない男』は、2006年に放送された人気作『結婚できない男』の続編。
その誕生は、「練りに練った企画だったわけでは全然なくて。阿部寛さん主演で何をやるかと話している時、僕が“偏屈な男のラブコメはどうですか?”と思いつきで言ったんです」と、“たまたま”提案したことがキッカケだった。
しかし、最初はその案が採用されることはなかったとか。「その時、プロデューサーは、あるマンガ原作の企画を考えていたんだけど、うまく進まなくて。それで、プロデューサーが僕の提案を阿部さんに話してくださったんです。阿部さんが“それ、やりましょうよ”と言ってくださって、この作品が生まれました」と、やはり“たまたま”提案が通ったと明かした。
そうして誕生した作品は、阿部の演じる主人公・桑野の偏屈ぶりとコミカルな作風が受け、韓国でリメイクもされるヒット作となった。
13年ぶりの続編制作にあたっての姿勢については「13年経ったからといって、時代に合わせて変化させるということはあえてせず、前と同じ世界観で作ることを意識しています」と語った。
世界観と脚本の作りに古沢良太も絶賛!
ちなみに古沢は、「『ここ1年ほどで“先を越された”と思う作品は?』と聞かれ、「尾崎さんをヨイショするわけじゃないんですけど…」という前置きをしつつ、『まだ結婚できない男』を挙げた。
「前作も好きだったんですけど、本当に何も起こらないじゃないですか(笑)。ただ、主人公の人間性を見せるという一点で作っているのがすごいなと思うし、憧れます」と賞賛。これに尾崎氏は、「ありがとうございます」と照れながら応えていた。