グローバル展開を進める日系企業が直面する共通の課題があります。
「海外拠点のセキュリティレベルが統一できない」
「本社のルールが現地に浸透しない」
「現地法人とのコミュニケーションに時間がかかる」
AWSを中心としたクラウドの技術支援を核に成長を遂げてきたクラスメソッド株式会社が、この課題の解決支援に本格的に乗り出しています。その戦略的な一手として選んだのが、マレーシアでの新拠点開設です。
なぜ今マレーシアなのか。日系企業のグローバル展開をどのように支援するのか。今回は、クラスメソッドで海外事業を統括している大森と、海外事業統括部で日本からグローバル拠点をマネジメントする人見にインタビューしました。
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お客様のニーズから始まったグローバル戦略
ー クラスメソッド海外事業のこれまでの過程を教えてください。
元々、クラスメソッドの海外拠点は「サポート体制の構築」を目的としてスタートしました。時差を活用して24時間365日のサポートを実現するため、ドイツのベルリンやカナダのバンクーバーにサポート拠点を置いたのが始まりです。
また、タイ、韓国、ベトナムにも拠点が立ち上がりました。ベトナムは開発拠点として、タイは現地の優秀な人材との出会いがきっかけでの設立です。各拠点の誕生は、どちらかといえば「ご縁」や「タイミング」によるものでした。日本市場で培ったコネクションから現地案件のお声がけをいただくこともありましたが、偶発的なチャンスに過ぎません。
「このままでいいのか」。そんな問題意識から、グローバル戦略の見直しを開始。せっかく生まれた海外拠点を点ではなく、繋がる線として各拠点同士でのシナジーを生み出すために、本格的なグローバル体制強化へと進化させてきました。
ー なぜ今、アジア圏への新規拠点設立に動いたのでしょうか。
クラスメソッドがAWSを軸としたクラウド特化の支援を開始し約14年。当初はまだまだクラウドの新しい技術を用いて、ピンポイントな課題解決のために支援するケースがほとんどでした。次第に支援範囲が広がり、お付き合いが10年以上にも及ぶお客様も増えてきました。そのような中で、「海外支社でも同じようなAWS支援を受けたい」「海外拠点のセキュリティやガバナンスを強化したい」といったご要望をいただく機会が増えてきました。
ASEAN地域のIT投資は急成長しており、AWS社もシンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア等に新リージョンを設けています。お客様のグローバル展開を支援するため、私たちも本格的な投資フェーズに移る必要があると判断しました。
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日系企業のグローバル展開を支援する3つの強み
ー 数ある企業の中で、クラスメソッドがグローバルで提供できる価値は何でしょうか。
まず、クラスメソッドは2022年にAWSから「SI Partners of the Year - GLOBAL」を受賞しており、この技術力がベースにあります。お客様からは「技術的な質問への回答が早く、的確」「AWSの最新情報をいつも提供してくれる」といった評価をいただいています。
この技術力を支えているのが、技術ブログ「DevelopersIO」を通じた10年以上の情報発信です。新しいクラウド技術を誰よりも早く検証し、惜しみなく情報発信してきました。この蓄積が、お客様の課題解決スピードを加速させています。
そして、グローバル展開において特に重要なのが、日本本社と海外拠点の「橋渡し役」としての役割です。両者の間に立ち、言語だけではなく、システムやクラウドの専門知識を持ち合わせたメンバーによる技術面も含めたコミュニケーションができることで、円滑な「橋渡し役」を実現しています。現地の事情を理解したクラスメソッドと、日本語で密にコミュニケーションを取りながら、自社の海外拠点との連携強化を図れることが、お客様から高く評価されています。
ー この強みは、グローバル展開においてどのように活かされているのでしょうか?
現地のエンジニアコミュニティ育成に力を入れています。韓国では、当社のエンジニアがAWSの専門書籍を韓国語で出版し、現地のAWSエンジニアから重宝されています。また、2025年7月には韓国の国立大学である江原大学と協力覚書(MOU)を締結し、グローバル専門技術人材の育成や地域創生の協力などを目的とした取り組みも進めています。
その他、「DevelopersIO」のコンテンツを各国の言語で発信する活動も進めています。英語を共通語としているマレーシアでは、英語での発信を増やし、優秀な人材育成と採用に繋げていきたいと考えています。
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なぜマレーシアなのか?お客様のビジネス展開を見据えた戦略
ー なぜ今、数あるアジア圏の中でマレーシアなのでしょうか?
お客様のビジネス展開を考えたとき、マレーシアは非常に重要な拠点だと考えています。
まず、マレーシアは国全体でIT投資やDX推進を強力に進めており、まだ「白地」が大きい成長市場です。AWSも注力してリージョンを設立しており、今後さらなる成長が見込まれます。私たちがお客様と共に成長できる市場だと捉えています。
加えて、政治的な安定性や災害リスクの少なさも大きな魅力です。お客様が安心してビジネス展開できる環境が整っており、隣国シンガポールの情報も入手しやすいため、ASEAN地域全体のハブとして機能します。
そして最も重要なのが、製造業の工場や日系企業の支店が多く集積していることです。お客様の海外拠点が既に存在しているケースが多く、現地に私たちの拠点があることで、お客様の海外拠点を直接サポートできます。
現在、現地政府ともコミュニケーションを図っており、お客様のビジネス展開をより強力に支援できる体制を整えています。
ー マレーシアでまず実現したいことは何でしょうか。
直近では、日系グローバル企業のサポートに注力します。マレーシアには製造業の工場や日系企業の支店が多く、日本のビジネスの延長線上でのサポートニーズが高いと考えています。
まず日系企業のご支援で成功事例を作り、それを起点として、現地のローカル企業へのビジネスに広げていくロードマップを描いています。さらに、現地のエンジニアコミュニティへの参画や、大学とのタイアップを通じて、技術コミュニティを構築・拡大していくことも並行して行っていきたいです。
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タイ法人のメンバーとの一枚
グローバル展開を成功に導く「橋渡し」の実践
ー 実際のグローバル展開支援の事例を教えてください。
日本の本社と海外拠点の連携には、企業の海外拠点との連携の方針によってさまざまなケースがあります。
- 本社が海外含め管轄するケース
- 海外拠点が独自で動くケース
- リージョンやエリアで連携するケース
企業による方針の違いはあれど、「リソース不足」「ノウハウ不足」「ガバナンス不足」といった、大きく3つの共通課題を抱えていらっしゃるケースがほとんどです。
私たちは、このような課題を抱えた日本本社と海外拠点の「橋渡し役」としての機能を追求しています。海外拠点においても、自発的に最新技術を活用し、クラウドや生成AIを活かしたビジネス拡大やオペレーション改善を行えるように伴走するパートナーとして、運用や体制支援をしていきます。
ー 具体的にはどのような支援を行っているのでしょうか。
あるお客様の事例ですが、そのお客様は本社とアジア・オセアニア・ヨーロッパ・北米といった各地域の現地法人で、情報システムの仕組み構築プロジェクトを進めていらっしゃいました。
私たちは、本社と各地域の現地法人との間に入って、プロジェクトを推進しました。具体的には、現地法人の方々が困っていることを代わりに本社に伝えたり、本社の意図を現地の状況に合わせて翻訳・調整したり、技術的な調査・検証を迅速に実施したりしています。
その結果、プロジェクトが非常にスムーズに進むようになりました。クライアントの海外拠点と直接やり取りすることで、お客様より海外拠点の事情に詳しくなってしまうこともあるくらいです。真の課題解決に貢献する伴走型パートナーとして、お客様からは非常に喜ばれています。
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マレーシアでの1枚
お客様と共に成長する。それがクラスメソッドのグローバル戦略
ー グローバル戦略として、中長期的にはどのような展開を考えていますか?
中長期的には、現地でのビジネスを本格的に伸ばしていきたいと考えています。
まず直近では、日系企業様のグローバル展開支援に注力します。そして、その先には現地のローカル企業へのビジネス展開も視野に入れています。そのためにも、現地のエンジニアコミュニティとの関係構築を進めており、これが長期的な成長の基盤になると考えています。
クラスメソッドは5年前と比較して売上が約4倍と、急速に成長しています。この成長を支えてきたのは、お客様と共に挑戦し、共に成長してきたからだと考えています。
グローバル展開においても、この姿勢は変わりません。お客様のグローバル展開を支援しながら、私たち自身もグローバル企業として成長していく。お客様と同じ目線で、同じ課題に向き合い、共に解決策を見つけていく。この「共創」の姿勢が、クラスメソッドの強みだと考えています。
ー 今後の具体的な目標があれば教えてください。
グローバルビジネスの成長は、会社のさらなる成長に直結するため、まずは海外売上比率を伸ばしたいという目標を掲げています。
グローバルに通用する技術力、スピード感、そして何よりもお客様に寄り添う「安心感」をブランドとして確立していくことが重要です。さまざまな課題を乗り越えながらも、この挑戦的な姿勢を貫き、クラスメソッドグループ全体でお客様のゴールに向かっていける体制を、より強固なものにしていきたいと考えています。
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