1月28日(日)に開催される「第43回 大阪国際女子マラソン」。
この模様は、『奥村組スポーツスペシャル 第43回大阪国際女子マラソン』として、カンテレ・フジテレビ系で放送されます。
今大会は「2024年パリ五輪」マラソン日本代表の最後の1枠を争う「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジ」のひとつ。
五輪出場権を獲得するには「2時間21分41秒」の設定記録を突破したうえで、3月に開催される「名古屋ウィメンズマラソン」を含めた日本人最高タイムとなる必要があります。
国内外からトップ選手が多数出場予定で、例年以上に白熱したレース展開が期待されます。
大会当日、解説を担当する福士加代子さんが、独自の視点から大会の見どころを語りました。
『奥村組スポーツスペシャル 第43回大阪国際女子マラソン』は、1月28日(日)12時より、カンテレ・フジテレビ系で放送されます。
<福士加代子 コメント>
今年は何が起きるんでしょう。パリ五輪代表“最後の一枠”をかけたレースになるので、松田瑞生選手(ダイハツ)、前田穂南選手(天満屋)、佐藤早也伽選手(積水化学)ら有力選手のせめぎ合いが見たいです。いろいろな戦法があるなかで、どんな戦い方をするのか、最後まで目が離せないです。
今年はすごく対照的なメンバーがそろっています。まずは、現役時代一緒に走った松田選手。当時は、自分の気を全部持っていかれて乗っ取られそうだったので、あまり近づかないようにしていました(笑)。
話しかけられてもあまり会話を盛り上げなかったり、そもそも話しかけられない位置にいたり、戦略として彼女を遠ざけていました(笑)。
松田選手は仕上げてきているのが目に見えてわかるので、下手なレースは絶対にしません。レース終盤まで一緒に残っていると嫌でしたし、逆に序盤は前にいなくても中盤から恐ろしいほど上がってくるので、ずっと気は抜けなかったです。
東京五輪の出場権がかかった2020年大会では、松田選手が前に出てきたときに「ここは彼女に譲って、私は3月の名古屋に切り替えよう」と途中棄権しました。それほど、上がってきたら落ちることが想像できない勢いのある選手です。
目に見える圧倒的な練習量と、見えないところでの体幹トレーニングが、あの安定感につながっていると思います。パリ五輪代表を目標に掲げたら、そこに向かってブレずに突き進み、成し遂げるまで諦めないメンタルも彼女の強さです。
周りへの感謝の気持ちが人一倍強い選手でもあります。それも含めて、自分のパワーにしてしまうので、集中してすべてを発揮できたときの彼女の強さがどんなものになるのか、すごく楽しみです。ケガをしていたので体の調子がどうなっているかは心配ですが、結婚してノリノリですし、過去には2時間19分台に近いレースもありましたし、「大阪で五輪を決める」気持ちが誰よりも強いと思うので、ゴールしたときに感情を爆発させる姿を見られたらうれしいです。
佐藤選手は、すごくスピードがあります。勝負したときの強さは昨年の「クイーンズ駅伝」で見られたので、終盤まで前にいられたら最後の勝負は強いんじゃないかと思います。自己記録の更新に挑む選手の方が、意外とうまくいくかもしれません。計り知れないものがあるので楽しみです。
今年は、転倒しないことを祈っています。集団走りを怖がらなければいいんですけど…。私も2019年大会で転倒して、翌年そこを走るときは、異常な緊張感を持って挑んだことを覚えています。その場所が気になってしまって、イメージを消すように、恐怖心を拭うように、何回も何回も試走しました。
大会直前の夜中にも1人で見に行って、できることはやり尽くしたので、近くにあった神社でお参りをして。せっかく邪気を払おうとしたのに、私が行ったタイミングでカラスがいて、何か不吉な予感が…。お祈りしておきながら「もういい加減にしてくれよ」って思っていました(笑)。佐藤選手も、ぜひ神社でお祓いをしてほしいです。
前田選手は、2019年のMGCで東京五輪を決めた走りを思い返すと、まだまだ伸びしろしかないと思います。天満屋の超有名な武冨監督が仕上げてくるので、すごく楽しみです。天満屋からは、松下菜摘選手や大東優奈選手も出場するので、チームとしてどういう状態でくるのかも期待しています。
(昨年のMGCは)前田選手の走りはあんな状態ではないはずなので、不本意だったと思います。前半で使いきっちゃって波に乗れず、雨で滑って空回りしているようにも見えたので、今回は良い天気のもとで面白い走りを期待したいです。MGCまでの練習の蓄積と、そこからの修正が楽しみです。
松田選手との一騎打ちを見てみたいです。松田選手の方が強気なイメージがあるので、勝負するとなったときに、前田選手がどういう戦法で挑むのか。最後の最後までデッドヒートを繰り広げてほしいです。
みなさん20代後半です。疲れが抜けきれなくなるとか、やる気はあるのに故障するとか、体に変化が現れる、一番難しい時期かもしれません。勢いでやっていたときと比べて、自分が積み上げてきたことが結果につながりにくくなってくるので、そこの調整は今必死に頑張ってるんじゃないかなと思います。
ただ、経験値はあるので、それを上手にいかしながら体作りをしていけば大丈夫です。
ダークホースのヒロインたちがどんどん出てくると思うので、そこも楽しみです。ただ、松田選手はしっかり鍛えているのにリズム良くしなやかで、佐藤選手はストライドが大きく伸びがある上に精神力もあって、前田選手はあんなに軽くてふわふわしてるのに身長が高くて前に進むので、若い選手がこの3人の走りを意識すると完全に調子が狂うと思います。自分のペースで淡々と走った方がいいですね。
しっかりレースを進めてくれる新谷仁美選手(積水化学)がペースメーカーでいるので安心です。選手は、ペースメーカーが外れる30km地点までに自分のリズムさえつかめば、何も考えずについていって大丈夫だと思います。
今回は設定タイムを目指すだけなので、意外とシンプルに「早く走ればいい」という気持ちでいられると思います。一発勝負になるので勝負に徹して、ここでやるだけやるくらいの覚悟を持って、とにかく守りに入らずに攻めればいいです。
海外から2時間18分台の選手も来ています。外国人選手はガツガツしていないのに、私たちが疲れてきた30km付近からようやく勝負を始める感じで、一緒に走ると並々ならぬ強さを肌身で感じられます。どういう呼吸やリズムなのか、それさえも全部自分の経験値に変えるくらい、そしてこれを世界選手権だと思うくらいの気持ちで挑んでほしいです。
外国人選手が前に出たときに、すぐに反応してついていけるかがひとつの目安になりそうです。日本人だけの集団になってしまうとペースが落ちてしまうかもしれないので、迷いは一切なくして思いきりついていった方がいいと思います。
そこで、ついていけるか次第で勝負が決まる可能性があるので、自重せずにつけるだけついて。縄でつながっているくらいの勢いで、どんどん前に出てほしいです。日本人選手と外国人選手が勝負するレースを見られたらいいですね。
昨年は、渋井(陽子)ちゃんにずっと話しかけて怒られましたが、今年もめげずに会話を続けていきたいです(笑)。昨年よりも自由にしゃべって、ぶっこんでいけたらいいなと思います!
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