中村勘太郎 声の違和感に「『何かおかしいな』と思ったら、緊張していることに気づいた」
――8月には、『野田版 研辰の討たれ』(※)がありました。
(※)『野田版 研辰の討たれ』は、2001年8月に、十八世中村勘三郎さんと野田秀樹さんの初タッグにより歌舞伎座で初演。2025年8月に再演された、野田版歌舞伎の第一弾作品。
勘太郎:野田さんが、全体のお稽古が始まる前に本読みをしてくださって。そこで(自身が演じる平井)才次郎の気持ちとか、せりふの言い方を教えていただいてから稽古に入ったので、その稽古が思い出です。「才次郎は、九市郎(市川染五郎)みたいに、敵討ちにそんなに疑問を抱いてない」という話が印象に残っています。
父からは、声を大きく出すこと、歩くシーンでは九市郎が前にいるので、そちらに向かってではなく、時々正面を見てせりふを言うように言われました。
染五郎さんとは立ち回りの話をたくさんしました。最初の剣術の試合のところはどう動くかとか。殺陣師の方と3人で話し合いました。
ずっと好きだったお芝居だったので、才次郎を演じることは、うれしいとか楽しいという気持ちが大きくて、そんなにプレッシャーは感じていなかったんです。けれど、声がいつもように出てなかったので「何かおかしいな」と思ったら、実は緊張していることに気づいて。
それでも、千穐楽まで1ヵ月、無事に勤められてうれしかったですし「もう終わっちゃうんだ」…みたいな感じでした。「まだ、もうちょっとやっていたかったな」と思いました。
――勘九郎さんは「だいぶ成長したんじゃないか」と言っていましたが。
勘太郎:自分では、わかりません。
長三郎:僕も、合間、合間に出てくる役・蔦屋長三郎ができて、とてもうれしかったです。兄のことを見ていて、声とか、少しお父ちゃまに似ているなと感じました。
――勘太郎さんは、もうすぐ高校生ですね。何か始めたいことはありますか?
長三郎:ゴルフ?
勘太郎:いや…今、ゴルフ部に入ろうかなと思っているんですけど、まだ決めてはいないんです。「楽しそうだな」と思った部活に入りたいなと考えています。
