現在、開幕中の「全日本フィギュアスケート選手権2019」。フジテレビ系では12月19日から四夜連続で試合の模様を生中継している。 注目選手達はどんな思いで当日を迎えるのだろうか――。

実は、フジテレビ・スポーツのHPには、フィギュアスケート班が取材した最新情報や注目選手のプロフィール情報などが掲載されているだけでなく、選手たちの“ここでしか見られない”密着動画がアップされているのをご存知だろうか?

※動画は「フジテレビ SPORTS」のYouTubeチャンネルでも見ることができる。

フジテレビュー!!では選手たちの素顔、そして本番へのリアルな思いなど貴重な舞台裏に迫る。

自分を磨いて強い選手に!

友野一希選手は、 今シーズンはグランプリシリーズ・アメリカ大会5位、ロシア大会8位と、ざまざまな大会に出場し、着実に結果を残している。

大阪府出身で、野球やYouTube鑑賞、音楽鑑賞、ウィンドウショッピングといった趣味を持つイマドキの21歳だ。

米・アナハイムで迎えた21歳

昨シーズンとなる今年2月、アメリカ・アナハイムにいた友野選手は、「四大陸選手権」での12位という結果に悔しさをかみしめていた。

「僕はやっぱりまだまだ覚悟や自信や積み重ねてきたものや思いというのが、もしかしたら少なかったのかなと思います。来シーズンこそは強くなって、また世界選手権をしっかり摘み取れるように一つ一つ一歩ずつ成長していきたい」

昨シーズンへの思いを静かに語った3ヵ月の5月、再びアナハイムに戻ってきた友野選手は、15日に21回目の誕生日を迎えた。そして、色紙に書いたのは「強」という文字。

「強さ!強くなりたいという気持ちと、去年は気持ちで負けていたので、しっかり強い気持ちを持って、戦えるアスリートに。自分を磨いて強い選手になりたい…なります!」

ミルズさんからの挑戦状に…

雪辱に燃える今シーズンの友野選手が新たにタッグを組むのが、フィリップ・ミルズさん。もともとはバレエダンサーという経歴を持ち、かつては、元フィギュアスケーターの町田樹さんの振付を担当。数々の作品を生み出してきた。

友野選手のフリーの振付を担当するミーシャ・ジーさんがきっかけで、昨シーズンも演技指導を受けていたという友野選手。その縁で今シーズンはショートプログラムの振付を依頼することになった。

「『これを滑ってみなさい』と言われました。本当に“挑戦状”を渡されたような感じです」と語る友野選手のショートプログラムの曲は「The Hardest Button to Button(ザ・ハーデスト・ボットン・トゥ・ボットン)」。

ロイヤル・バレエ団もこの曲を演目に使用し、「コンテンポラリー」という新たなジャンルへの挑戦だという。そして、友野選手は「音を体で表現するのがテーマ」と語った。

なぜ、ミルズさんは“挑戦状”を友野選手にたたきつけたのか。

「昔からこの曲を使いたいと思っており、この曲を託せる優秀なスケーターを待っていました。去年、私のもとにミューシャとともにカズキがやってきました。その後、彼の演技を見るために四大陸選手権を観戦しました。そして、カズキがよりコンテンポラリーな動きを身に付けられるように指導する必要があると気づきました。彼にはそのような動きをする能力があると感じたのです。そこで、この曲こそ彼にうってつけだと思いました。きっと彼をアーティストとして成長させてくれるだろうと」

こうしたミルズさんの思いに、友野選手は「僕もコンテンポラリーをやりたいと思っていたので、本当にワクワクしました。自分の中で勝手に“表現の極み”というイメージがある。でも、まずは表現がうまくないとコンテンポラリーはこなせないと思う。自分は魅せたい人間なので、少しは認められるように、この曲を滑りこなしていきたいなと思います」と明かした。

「偉大な選手になるためには…」

“表現の極み”を目指す友野選手。

そのプログラム作りはとにかく綿密!

ステップでレベル4を確実に取れるよう、一つ一つの要素を紙に書き出していくミルズさん。

友野選手も自らアイデアを提案し、積極的な作品作りにミルズさんの指導もどんどん熱くなっていく。

そんな中、練習中に少し疲れた表情をした友野選手にミルズさんはこう、背中を押した。

「偉大な選手になるには全てを捧げなくてはいけないよ。何かをやり残しておくことはできないんだ。これは、ミーシャにもソチ五輪の前に言ったんだけど、『僕は小さな国の出身だし、味方をしてくれるジャッジなんていない』と彼に言われた。素晴らしい演技をできるのに。だから、僕は『演技に集中して実力を出すことに専念し、上手にできることだけをやれば否定されることはない。インスパイアを与えることができたらジャッジは高得点を付けざるを得ない』と。君にも同じ言葉を言いたい。僕がここから見ていたような情熱とパワーと自信のこもった演技をできるのであれば否定されることは決してないし、得点はついてくるんだ!いいかい?理解してくれた?」

ミルズさんの情熱的なメッセージに目をそらさずに、真剣に耳を傾けた友野選手は、強く頷いた。

「 悔しかったことを晴らしにいきたい 」

今シーズンは「強さ」を追い求めている友野選手。

コンテンポラリーという新たなジャンルへの挑戦は、どんな結果を生み出していくのか。

アナハイムで1つ年を重ね、ミルズさんと過ごした時間を胸に秘め、シニア3年目の決意を明かした。

「ただただ悔しかったことを晴らしにいきたい。最終的な目標は世界選手権。出るだけではなくて、出て結果を残さなければいけない、そういう選手にならないと出る資格はないと思うので。まだまだ自分はやれると思っていて、もっともっと“友野一希”というスケーターを…完成はないと思うんですけど、少しでも近づけられるようにしていきたいと思います」

「全日本フィギュアスケート選手権2019」では、友野選手のどんな“強さ”が見られるのか期待したい!

「フィギュアスケートTV」(BSフジ)にて2019年7月12日放送

「フィギュアスケートTV!」はBSフジ<スポーツセレクション>(毎週金曜23時~23時55分)で放送中!詳しくは番組HPで。