1月14日(火)からスタートする向井理主演のフジテレビ系ドラマ『10の秘密』。愛する娘の誘拐事件をきっかけに、ベールに包まれた人間の欲望が暴かれる本格サスペンスだ。
向井が演じるのは、シングルファーザーの白河圭太。14歳の一人娘・瞳(山田杏奈)のために、飲み代を削って貯金し、何でも話せる関係を築いてきた“娘第一主義”の父親。そんな圭太のもとに、ある日、「娘は預かった。命が惜しければ、元妻を捜せ」という脅迫電話がかかってくる。
元妻の仙台由貴子(仲間由紀恵)は、大手ゼネコンの顧問弁護士を務め、高級マンションに住むセレブ。貧しい家で育ち、努力して這い上がってきたため、常に上を目指したいという思いから、娘を残し、離婚届を置いて家を出て行った。
圭太が、娘を取り戻すために由貴子を捜し始めると、なんと由貴子も姿を消していた。さらに、セレブな生活に隠された由貴子の秘密を知るばかりか、何でも知っていると思っていた娘の秘密も目の当たりにし…。
そして、圭太自身が抱えてきた“家族の秘密”とも向き合うことになる。娘の誘拐は、より複雑な事件への序章に過ぎなかった。
人間の弱さや業があぶり出されるサスペンスで、事件に巻き込まれていく主人公を演じる向井に、意気込みや役柄、自身の秘密について聞いた。
<向井理インタビュー>
──初めてのシングルファーザー役ですが、圭太の人物像を教えてください。
とにかく謎が多いので、わからないことだらけです(笑)。娘が誘拐されるとか、シングルファーザーだとか、普段なかなか経験することではないので、すごく刺激を受けています。
圭太は一見、理想の父親ですが、よかれと思っていていたことが、娘にとってはプレッシャーかもしれないし、実はいいお父さんをやっている自分が好きなだけなのかもしれない。
被害者ではありますけど、違う面では加害者にもなりうるという、いろいろな側面を持った人間的な人物なので、娘が誘拐されて焦るとか事件に巻き込まれた父親として当たり前の感情を表現していけば、圭太のキャラクターは自然と成立していくと思います。
──このドラマは、秘密が新たな秘密を生み、それゆえに事件が巻き起こります。“秘密”について、どんなイメージをお持ちですか?
嘘や秘密は人を陥れるためではなく、人を守るために使うこともある。単純に悪や正義では割り切れないものだと思います。自分にとってはいいものだと思っても、相手からしたら悪かもしれない。悪と正義の定義は立場によって違うということが、物語全体を通してジワジワと伝わっていけばいいなと思います。
失われて初めてありがたみがわかる。そういう体験になるのかも。
──娘が誘拐される父親役を演じることで、ご自身にとっても家族について見直すきっかけになりそうですか?
そうですね。娘が誘拐されたことによって、圭太は今まで考えたことのなかった家族の形を考えるきっかけになると思います。健康もそうですけど、失われた時に初めてありがたみがわかりますよね。
特に最近は災害が多いし、事件や事故は毎日のように起きていますけど、それがいつ自分に降りかかるかわからない時代なので、普通に生活していることをありがたいと思いますし、逆に、なんで自分は何事もなく生きていられるのかと、たまに考えます。
このドラマは、当たり前のことを当たり前としておくのではなくて、すごく恵まれたことなんだということを、失って初めて気づく。そういう体験になるのかなと思います。
──仲間由紀恵さん、仲里依紗さん、渡部篤郎さんなど共演者も豪華です。楽しみにしていることは?
仲間さんとは、前半は共演シーンが少ないと思うので、後半が楽しみです。本当にいつもにこやかで穏やかな方なので、そういう方が由貴子のような役を演じると、もっと怖さが増すと思います。
仲さんとは、彼女がまだ学生だったころに映画で一度、共演した以来なので、すごく楽しみですね。
渡部さんは、以前ドラマでご一緒させていただいて、そこから気にかけてくださるようになって、よく食事に誘っていただきます。それ以上に、現場で勉強させていただく機会が多いですね。渡部さんは、男性から見てもかっこいい先輩なので、いろいろと吸収させていただきたいし、心強い存在です。
──“秘密”が大きなテーマのドラマですが、向井さんご自身は、秘密を隠し通すタイプですか?
状況によりますよね。墓場まで持って行くものもあるでしょうし、酔っ払って言ってしまうものもあると思います。ただ、僕はわりと隠せないタイプかも。そもそも家族にはなんでも言うタイプなので、安全物件だと思います(笑)。