『テッパチ!』第9話完全版
国生宙(町田啓太)と馬場良成(佐野勇斗)は、先輩自衛官の風間速人(工藤阿須加)から合コンに誘われる。
金子慎也(桐山漣)、大木隆之(久保田悠来)、野村晴樹(結木滉星)、馬場から声をかけられた自候生時代の仲間・西健太(藤岡真威人)の7人が参加した合コンの相手は、エステティシャンだという石井春菜たち3人だった。
そこでもモテ男ぶりを発揮した風間は、女性の相手があまり得意ではない大木をネタにするなどして場を盛り上げる。
<ドラマ『テッパチ!』これまでのあらすじ完全版>
あくる日、トレーニング室で宙や馬場と一緒になった風間は、大木の話題になると「あの人は特殊」「男だけのここの生活が快適になっている。ああなったら終わりだよ」などと言う。
それを聞いてしまった大木は、しばらく何かを考えると、突然、1人ずつ面談を行うと言いだす。「班長として、部下のことを知る必要がある」というのだ。
大木は、宙がラグビー部出身だったことや、馬場が音楽隊を目指していることも知っていた。それを踏まえて、宙たちにアドバイス。
一方、野村は面談部屋に入るなり、風間が警務隊に出入りしているという噂を大木に伝える。警務隊は、隊内で起きた事故や事件を調査する部隊だった。
続いて風間と面談した大木は、休日の度に女性と遊んでいることを注意した。だが風間は、「僕が羨ましいんですか?」と返すと、勝手に面談を切り上げて部屋を出て行ってしまう。
そんな折、宙は桜間冬美1尉(白石麻衣)から呼び出しを受ける、ラグビー部の監督から、宙を入部させたいと頼まれたのだという。
冬美は、「二度とラグビーをやるつもりはない」という宙に、避難誘導の際にケガをしてしまったスケートボードのオリンピック候補選手・芝山勝也(水沢林太郎)が、通院しながらリハビリに取り組んでいることを伝える。冬美は、芝山がケガを乗り越えてまたオリンピックを目指せるようになることを望んでいるなら、ラグビーから逃げている今の宙が「もう一度再起しろ」と言っても良いのか、と問いかけた。
そこで冬美は、次の休日に行われる練習試合を一緒に見に行こうと宙を誘い…。
一方、馬場は、佐八女純一3佐(北村一輝)から連絡をもらう。馬場に、音楽隊でトランペットを担当している隊員を紹介したいと言うのだ。馬場は喜び、ぜひ会わせてほしいと答えた。
休日の朝、宙は、私服姿でいつもと違う雰囲気の冬美に照れながらも、一緒に練習試合を観戦する。
ラグビーのルールがよくわからないという冬美にプレーの説明をしながら試合にのめり込む宙。冬美は、そんな宙に「いい顔してる」と告げると、「あなたがラグビーを避ける理由はわからない。だけど、今のあなたのプレースタイルはきっと昔とは違うはず」と続けた。
馬場は、八女と一緒に音楽隊の野田澄人に会っていた。野田の個人練習を見学し、改めてそのレベルの高さを知る馬場。すると野田は、自分も音大ではなく部活出身であることを伝え「諦めなければチャンスはあると思う」と馬場にアドバイスする。
同じころ、大木は、日課のトレーニングを終え、1人でいつもの居酒屋を訪れていた。
そこに、先日の合コンで出会った春菜がやってくる。春菜は、風間に何度も連絡していたが返信すらもらえないため、南関東駐屯地の自衛官の行きつけの店を調べて訪ねてきたらしい。
大木は、酒に酔って愚痴をこぼし始めた春菜に困惑し…。
宙と冬美が隊舎に戻ると、ちょうど馬場も帰ってきた。そのとき、娯楽室から大きな声が聞こえてきた。大木が、春菜の件で風間に意見していたのだ。
だが風間は「プライベートまで指図しないでほしい」と言って大木の忠告を受け入れない。その様子を見ていた冬美は、「2人だけで話がしたい」と大木に告げる。
「どちらの言い分も理解できる」と言う冬美に、大木は、恋愛や女性問題はよくわからないが、ここ数年は女性と親しくなることを避ける傾向にあったと打ち明ける。「自衛官はいついかなる事態に陥るかもしれないのだから、どうしても家族を持つことを躊躇してしまう」と。
すると冬美は「風間も同じなのかもしれない」と返し、「風間にも彼なりの考えがあるのかもしれないから、自分の目で確かめてみてはどうか」と助言する。
1週間後、大木は、金子とともに風間の後を尾行。
風間が向かったのは、柔道場だった。道場の関係者によれば、風間は訓練だけでは時間が足りない、と言ってこの道場に通っているのだという。
大木は、真剣な表情で稽古を続ける風間の姿を見つめ…。
一方、冬美の言葉が引っかかっていた宙は、馬場に付き合ってもらって芝山に会いに行く。
芝山は、リハビリセンターで懸命に歩行訓練を続けていた。芝山がバランスを崩して転倒するのを見た宙は、思わず駆け寄ろうとした。すると馬場は、まだ芝山には宙と会う準備ができていない、と言って宙を制した。
大木は、稽古を終えた風間を誘い、いつもの居酒屋を訪れる。金子に代わって尾行に付きあった野村も一緒だった。
そこで、風間が警務隊に出入りしているという噂に触れ「何か問題を抱えているなら話してほしい」と切り出す大木。すると風間は、警務科への異動を希望していることを大木たちに打ち明ける。
大木から誘われた宙と馬場がやってきたところで、風間は、自衛隊を代表する第302保安警務中隊──特別儀仗隊への入隊を希望していることを皆に伝えた。自主的に柔道の稽古を続けていたのもそのため。だが、世話になっている大木には、なかなかそのことを打ち明けられなかったのだという。
大木は誤解していたことを詫びると「風間なら特別儀仗隊に入れる」と太鼓判を押す。そんな大木の存在の大きさを改めて口にする風間。馬場と宙も、「俺らのボス、カッコいです」「班長みたいになりたいっす」と続いた。
涙をこらえる大木。そこで一同は、楽しいひと時を過ごして…。