続いての話題は、キャスト陣が特にこだわった「声」の表現へ。

安田さんは「オーディションをするにあたって、このヒロイン役の人たちとかけ合わせていって、同じスタジオで4人くらい並んでスタジオオーディションをしたんですけど、隣のマイクで歌っている人が、僕が読んだ瞬間に明らかに『うるせえ』という雰囲気を感じたので、『これはやったぜ』って思いました」と振り返り、会場を沸かせました。

瀬戸さんは、「山吹有栖くんが『その声を探したい、その声の主を探したい』って思うくらい魅力的な声であり、魅力的な話し方であり、素晴らしい歌声だったということを我々は役者として演じなきゃいけない。この声になって改めて『魅力的な声ってなんだろう』って、1から考える作業をしたので、とても新鮮な気持ちでマイクの前に立たせていただきました」と語り、この作品ならではの役作りの難しさを明かしました。

大久保さんは「(原作の)先生方は、ひとつの作品を作るのにものすごいエネルギーや、自分の愛情をかけて作っていらっしゃるので、その“愛情をかけて生み出した子”を、私たちは『声』という形でお預かりしている感覚なんです。だから、寧々がすごくきついことを言うときに、私がそのまま“きつい芝居”をしてしまうと、こんなにかわいい目をしている子が“ただ嫌な子”に見えてしまわないか…みたいなことを、すごく考えたりしています」とコメント。

声優陣のこだわりを聞いた小籔さんが「ここまで考えてはるとは思ってなかった」と返すと、客席には、柔らかな笑いが広がりました。

宮田俊哉の注目キャラは「交番に来る変な人」

アニメ化に寄せる期待について話題が及ぶと、岩井さんは「原作をとても大切にしているアニメになるのではないかと期待しています」とコメント。

宮田さんは「声優さんが、どなたなんだろうっていうのもすごくワクワクしますし、ギャグってSEとか入るとより面白くなるので、どんなSEが入るんだろうとかっていうのも期待してます」と語りました。

井上さんは「かっこええもやらなあかんし、おもろいもやらなあかんしで、泣かせる芝居もやらなあかんし、エンターテインメントの振り幅は大きい作品なので、見る側としては楽しみ」と、アニメ化への期待を寄せました。

注目しているキャラクターを聞かれると、宮田さんは「交番に来る変な人が注目です」とユニークな視点で回答。すかさず井上さんから「ゲスト声優あるんじゃない?」とツッコミが入り、宮田さんが「待ってます」と笑顔で返す一幕もあり、会場は和やかな空気に包まれました。

記者からの「一言で(作品の)推しポイントを紹介してください」という質問に、安田さんは「サブタイトルの出し方がすごく好きなので、ぜひ注目していただけたらなって思っています」と演出面の遊び心を挙げ、瀬戸さんは「群像劇です。しっかりと一人ひとりにフォーカスしていくこの作品は、本当に人生のようだなと思います」と語りました。

大久保さんは「語彙(ごい)力です。とにかく言葉が面白い。ここでこんな言葉を使うのか、と驚かされる先生の語彙(ごい)力にも、ぜひ注目してほしいです」と脚本の妙をアピール。

続いて岩井さんは「作画です。アニメーションでどう描かれるかは、かなり注目しています」と作品の質感に期待を寄せ、宮田さんは「超能力。コメディ作品でありながら、思わず泣ける瞬間もあるので、そこにも注目していただきたいです」とコメント。

井上さんは「『モテたい』という気持ちは人を動かす」と笑いを交えつつ、「自分の欲望をそのままに、アニメと一緒に楽しんでもらいたいです」と締めくくりました。