結木滉星さんが、自身の成長について語りました。

町田啓太さんが主演を務める水10ドラマ『テッパチ!』は、陸上自衛隊を舞台に、若者たちが「誰かのために命をかけられるのか」「自分がやりたい本当のこととは…」と悩み奮闘する姿を描く青春ドラマ。現在、第二部となる“部隊編”が放送されています。

主人公・国生宙(町田)が配属された大木班の先輩隊員・野村晴樹を演じる、結木さんにインタビュー。役柄について、共演者の印象や自身の青春時代の話を聞きました。

野村の“嫌な奴”っぷりに「正直、寂しい」

<結木滉星 インタビュー>

──まずは、これまでの放送を見た感想を聞かせてください。

“熱さ”がすごく夏にぴったりですよね。そこに恋愛要素もちょっと絡んできて、登場人物たちの過去も徐々に明かされているので感情移入しやすいですし、今後の展開が気になる作りで面白いなと思いながら見ています。

──結木さんが演じる野村晴樹は、第二部から登場しました。改めて役どころを教えてください。

先輩にはいい顔をして、後輩に厳しくて、嫌な奴ですね。たぶん、見てくださっている皆さんにも嫌われているんじゃないでしょうか(笑)。

──ご自身でも、演じていて「野村、嫌だな」と思いますか?

そうですね。僕自身はもっと皆さんと仲良い感じでお芝居がしたかったので、周りに嫌な感じで当たっているのが正直、寂しいです。

──野村を演じるうえで、心がけていることはありますか?

嫌な奴で終わるのはもったいないので、どこかかわいげのあるキャラクターにしたいなと思っています。

あとは、後輩をこき使うタイプなので共感はできないのですが、宙をはじめ大木班のみんなと過ごす中で、どんどん打ち解けていって、徐々に“チーム感”が出てくるので、その変化に注目してもらえたらうれしいですね。

現場で共演者と仲良くなれたのは、佐野勇斗のおかげ

──大木班の皆さんとは、撮影現場ではどのように過ごしていますか?

現場はすごく和気あいあいとやっています。

宙を演じる町田さんはストイックだし、この作品にかける思いが強くて。「より良いものにしよう」という意志をすごく感じるので、その思いに引っ張られて僕たちも「やらなきゃ」と気合が入りますね。

──『SUPER RICH』以来の共演ですね。

思えば、あのとき僕が演じた城戸も嫌な奴でした(笑)。でも、またガッツリと共演ができて、本当にうれしいです。

──馬場良成役の佐野勇斗さんや、他の皆さんの印象はいかがですか?

勇斗とはこれまでも何度か共演していて、もともと仲が良かったので、すごく心強いなと思っていました。皆さんと早く仲良くなれたのも、勇斗がいてくれたおかげだと思っています。

久保田(悠来)さん、桐山(漣)さん、工藤(阿須加)さんは初共演ですが、皆さん優しい大人の方々。なんでも許してくださるので、すごく助かっています(笑)。

──「許してくれる」というのは、具体的にどんなことですか?

ちょっとイジっても、怒らずに「なんだよ~」って笑ってくれるんです(笑)。

──町田さんと佐野さんは、結木さんのTikTokで一緒に踊っていましたね。

踊ってもらいました。ああいうお願いも、快く受けてくださる皆さんなので、すごく感謝してます。

「セッションが楽しい」撮影の舞台裏

──もともと自衛官に対して、どのような印象を持っていましたか?

やっぱり堅い職業なのかなと思っていました。でも、このドラマに出演することで知ったのは、自衛官も自分たちと変わらない人だということ。劇中にも出てきますが、普通に仲間とご飯を食べに行ったり、お酒を飲みに行ったりしますし。

そのオンオフのギャップが分かりやすく描かれているので、自衛官の“リアル”を知ってもらえたらいいな、と思います。

──自衛官を演じるためにトレーニングなどもしたと思います。体づくりを含めて大変ではないですか?

初めて経験することも多いので、多少の大変さはあります。

でも、第二部は個人の動きよりも、チームでの動きが大事で。シーンに必要な動きを自衛官の方に1度やっていただいて、そこから僕たちなりに「こうしようか」と話し合ってお芝居をすることが多いんです。

それはセリフも同じで、「このセリフ言いにくいですよね?僕が言いましょうか?」と、臨機応変に対応しています。そのセッションのような、皆さんと作り上げていく感じがすごく楽しいですね。

──では、終盤に向けた見どころを教えてください。

第二部は、宙たちが訓練生の時代を経て自衛官になり、プロとして現場に立つ姿が描かれています。彼らの姿はもちろん、野村の成長を見てもらえたらうれしいです。

今一番の癒しは「ご飯」と「お風呂」

──『テッパチ!』は、宙たちの成長物語ですが、結木さんが「最近、成長したな」と思ったことはありますか?

今年28歳になるのですが、周りが見えるようになってきている気がします。

今まで「自分、自分」でやってきたところもありますが、一歩引いて物事を見られるようになってきたな、と。もちろん、今も曲げたくないことは曲げませんが(笑)。

今回の現場では、下から2番目の若さですが、他の場所では年下の子も増えてきていることも関係しているかもしれませんね。

──『テッパチ!』は青春ドラマでもあります。結木さんは青春時代、どのように過ごしていましたか?

高校は男子校に通っていたので、劇中の男だらけで盛り上がる感じは、懐かしく思いながら撮影しています。

男子校は男子校で楽しかったのですが、女子も含めたグループでワイワイ過ごすような青春も経験してみたかったですね(笑)。文化祭とか、体育祭とか、共学でのイベントはまた雰囲気が違ったんだろうな。ちょっとした憧れはあります。

──ドラマの撮影で忙しいと思いますが、今一番癒されることはなんですか?

ご飯を食べているときと、お風呂にゆっくり浸かっているときですね。

ご飯はたまに自分でりますけど、最近は、減りました。疲れているとどうしても「いいや」となってしまって。その代わり、外食に興味が出てきました。ちょっと贅沢したいなというときに「おいしいものを食べに行こう」と思うようになったんです。

──「贅沢したいな」というときは、何食べることが多いですか?

そのときの気分で決めます。和食のときもありますし、焼肉に行くこともありますし。

──お風呂には、何かこだわりはありますか?

特にないです。ただ、携帯を持って入って、YouTubeやTikTokを見る“自分の時間”に使うというくらいですね。

撮影:山越隼