『競争の番人』第7話完全版
白熊楓(杏)は、風見慎一(大倉孝二)から1人で調査案件を担当してみないかと聞かれる。今まで一緒に担当していた小勝負勉(坂口健太郎)は、第一審査局の応援要請で建設会社の談合案件の手伝いに行っていた。
不安げな白熊に、風見は小勝負が「白熊さんにはまだ早い」と言っていたと話す。すると白熊は、この案件を無事に解決して小勝負を見返してやると意気込んだ。
<ドラマ『競争の番人』これまでのあらすじ完全版>
調査案件は大手通販サイト「三ツ星マーケット」の自社オリジナルファッションブランド「アンカレント」の再販売価格維持。再販売価格維持とは、メーカーやブランドが販売店に対して指定した価格で売るように圧力をかけること。販売店は、自社で値段がつけられないため競争が阻害される。
風見は三ツ星マーケット社長の山辺純次(姜暢雄)か、ブランド事業部長の黒崎美佐子(雛形あきこ)の指示だろうと白熊に話す。
白熊が風見とネット通販会社を回ると、美佐子の名で値引きを禁止するメールが届いていた。
ある会社で話を聞いて帰ろうとした白熊に、館山留美(夏子)が声をかける。アパレル会社「ワンソーイング」のブランド事業部で販売不振に悩んでいる留美は、「三ツ星マーケットの不正を公取が暴いてくれたら、自社製品も客に選んでもらえるようになる」と、白熊に頼んだ。
白熊は、許可を取って三ツ星マーケットに立入検査を行う。すると、美佐子はメールの差し出しなどを認め、山辺も調査に協力的。白熊は立入検査を打ち切り、美佐子たちに期日までの書類提出を求めた。
三ツ星マーケットは公取に改善措置の報告書を提出し、取引会社への謝罪も済んだ。あとは、行政処分を行うだけ。
白熊がホッとしていると小勝負がやって来て、「また調査対象者に肩入れしたのか」と話しかける。白熊は、美佐子や山辺は十分に反省していると反論するが、小勝負は「表面的なことだけにとらわれてはいけない」と注意した。
そんな時、留美が白熊を訪ねて来て三ツ星マーケットが人気商品ランキングを不当に操作している可能性があると訴える。証拠はないが、他のブランドがいくら良い商品を作ってもランキング上位には入らないと言うのだ。
白熊はDFT(デジタル解析チーム)の紺野守里(石川萌香)にランキング操作の可能性を尋ねる。すると守里は「できる」と答えた。白熊は風見に話し、半ば強引にランキング操作を調査することに。
三ツ星マーケットの取引先を回った白熊は、やはり各社がランキングに不満を持っていることを知る。だが、証拠は得られない。
桃園千代子(小池栄子)に励まされてブツ読みをする白熊は、美佐子と山辺が同じ大学の出身だということを知った。
白熊はもう一度、留美に話を聞こうとワンソーイングを訪ねる。しかし、留美はブランドの撤退が決まったため、退職。
白熊は留美に電話をかけて待ち合わせる。そこで留美は、自分がアンカレントに憧れてファッション業界に入ったことを話す。留美はアンカレントの商品の写真を集めて研究していたスクラップを白熊に見せた。
肩を落としてダイロクに戻った白熊を、風見が飲みに誘う。自分のせいで三ツ星マーケットの不正を見抜けなかったと落ち込む白熊に、風見は「自分らしく真っ直ぐに突き進めばいい」とアドバイスした。
白熊は美佐子の元へ行き、「アンカレントのデザインが、三ツ星マーケットに加わる前はずいぶん違ったものだったのではないか」と聞く。白熊の調査では、以前は生地選びにもこだわりを持っていたのだ。
「より売れるほうを選んだのではないか」という白熊の問いを否定しない美佐子。現在は、山辺の方針でデザインを選んでいた。
三ツ星マーケットは公取がこれ以上調査を続ければ、事実無根の調査によって損害を被ったと国家賠償を請求すると伝えてきた。風見は「上層部も手を引くように言っている」と話すが、白熊は納得しない。
そして、白熊は美佐子を尾行する。すると、美佐子は古着屋で昔のアンカレントの服を買っていた。
そんな時、守里は販売維持の調査で留置した三ツ星マーケットのデータの中で、アンカレントに対する低評価の口コミが非表示になっていたと白熊に教える。
だが、守里は「口コミの表示、非表示はサイト独自のロジックで管理している」と書いてあるので問題とは言えないとも伝えた。
白熊は、調査をもとに美佐子を聴取することに。風見や桃園、六角洸介(加藤清史郎)がモニターで見守る中、聴取が始まった。
ランキングの意図的な操作を問う白熊だったが、美佐子は否定。だが、白熊の資料では明らかにアンカレントより売れている他社の商品が低いことを指摘した。アンカレント自体の売り上げも、ここのところ伸び悩んでいる。
そして、白熊は留美から借りたスクラップを見せ、ある時からアンカレントのデザインが変化したことを指摘する。
それは、アンカレントが三ツ星マーケットと手を組んだ時からだった。
さらに、白熊は山辺が最初から美佐子を利用するつもりだったと、縫製工場との契約書を見せる。山辺は、美佐子と手を組む前からアンカレントを大量生産ブランドへと舵を切らせるつもりだったのだ。
低評価の口コミが増えたのも、それ以降だったと白熊は続ける。アンカレントに憧れて業界に入ったが、夢破れて去った留美の話と彼女のスクラップを見た美佐子は、自身が若かったころを思い出し、ランキング操作について知っていることを話すと白熊に打ち明けた。
こうして三ツ星マーケットをめぐる不正は暴かれることになった。
一方、その裏で建設会社の談合疑惑を調査していた小勝負は、緑川瑛子(大西礼芳)に呼び出された。緑川は資料室で見つけた過去の資料を小勝負に見せる。
そこには、小勝負誠「ラクター建設」、そして、本庄聡子審査長(寺島しのぶ)の名前が書かれていた。
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