『純愛ディソナンス』第6話完全版
新田正樹(中島裕翔)は、「コアスパーク」社長の路加雄介(佐藤隆太)とコラボ企画の打ち合わせをしていた。打ち合わせには、路加の命令で和泉冴(吉川愛)も同席。
<ドラマ『純愛ディソナンス』これまでのあらすじ完全版>
路加が提案したのは、セカンドパートナーを探すためのマッチングアプリ「セカプリ」のプレミアム会員に、「モノリスエステート」が所有するリゾート施設を利用してもらうという企画だった。
その席で路加は、記者発表と同時にユーザーがすぐにサービスを利用できるよう、リゾート施設のリノベーションを急いでほしいと正樹に依頼する。
冴は、打ち合わせの後、5年前、盗撮写真を流失させたのが正樹の妻・愛菜美(比嘉愛未)であることを正樹に話そうとする。だが、愛菜美が現れたために話すことができなかった。
冴が会社に戻ると、なぜか母・静(富田靖子)が来ており、社員たちに菓子を配って回っていた。静を部屋の外へ引っ張り出し、追い出そうとする冴。だが静は、そんな冴の気持ちなどお構いなしで、まだ正樹に会っている冴のことが心配だったなどと言いだす。
正樹と会う約束を取り付けた冴は、公園で彼に会い、愛菜美のことを話す。すると正樹は、愛菜美から打ち明けられて知っているという。冴は、愛菜美が正樹を陥れようとしていると主張した。冴に近づいたのもそのためだというのだ。
だが正樹は、この5年の間にすべてを失ったものの「愛菜美がそばにいてくれたから前に進めた」と返すと、「こうやって会うのはもうやめよう」と言い残して去っていく。
自室にあった愛菜美の本をすべて捨て、小説を書き始めようとするが、アイデアが浮かばず、まったく書けないでいる冴。朝比慎太郎(髙橋優斗)は、そんな冴に声をかける。慎太郎とのさりげないやり取りがきっかけで、冴はもう一度、小説を書き始めた。
愛菜美は、優しく接してくる正樹のことが心に引っかかり、何も書けないでいた。原稿を催促するマネージャーの色部(髙橋洋)に「全部嘘に見えるのよ。何もかも」と、書けなくなった理由を告げ…。
コアスパークを訪れた正樹は、路加に、リノベーション工事の進捗状況を報告する。リフォーム会社に無理を聞いてもらったおかげで、記者発表までに工事は終わる予定だった。
路加は、前祝いだといって正樹に酒を付き合ってもらう。「家族も仕事もすべてを失ったところから、今の仕事でようやくここまでやり直せた。今回のプロジェクトでさらなる発展のチャンスを得てワクワクしている」と正樹に告げる路加。
それに対して、正樹も「自分もようやくやりがいを見つけられた」と返す。「過去に別れを告げて、前に進む覚悟ができた」。路加にそう打ち明けた。
ある日、コンビニに行こうとしてシェアハウスを出た村上晴翔(藤原大祐)は、玄関先で様子をうかがっている静に出会う。
静は、晴翔を喫茶店に誘い、食事をごちそう。晴翔から「嫌がられているのになぜ、冴に会いに来るのか」と問われた静は、メールを見せた。
それは「Hermit」と名乗る謎の人物から送られてきた、冴の盗撮写真の数々だった。それを見て、冴のことが心配になったのだという。
夜、愛菜美がバーで飲んでいると、そこに路加がやってくる。コラボ小説が一向に進んでいいない愛菜美に、「仕事以外に気を取られているからだろ?」と告げる路加。すると愛菜美は、「自分が書いてきた小説でも、恋をしている2人は運命で結ばれているから、邪魔する人間はいつも悪魔として描かれる」と言いだす。
そんな愛菜美に「俺たちみたいな人間は、誰かの特別になれないんだよ」と返して微笑む路加。それは、かつて愛菜美から言われた言葉だった。
愛菜美が「なぜモノリスエステートにこだわるのか」と路加に問いかけると路加は、「君がいるからかな」と返し…。
冴は、過去の自分にけじめをつけるために書き始めた小説を完成させる。
それを勝手に読んでいた晴翔や園田莉子(畑芽育)は、「先生(=正樹)にも読んでもらうべきだ」と助言する。慎太郎からも背中を押された冴は、「もう一度だけ会ってもらえませんか?」と正樹にメッセージを送った。
すると正樹から、「仕事があるから18時なら」という返信が届く。
コアスパークとモノリスエステートの合同企画「セカプリゾート」の記者会見の日、準備に追われていた正樹は、路加がまだ会見場に来ていないことに不審を抱く。
すると、部下の1人が慌てた様子でやってきて、正樹にタブレットを見せた。そこに映っていたのは、路加が別の不動産会社と記者会見を開いているライブ配信映像だった。
それを見た賢治(光石研)は激怒し、「路加を連れて来い」と正樹に命じた。
コアスパークへと急いだ正樹を待っていたのは、路加ではなく、部下の木之本(清水伸)だった。
木之本は、「モノリスエステートではなく他の会社を選んだのは、そちらのほうが好条件だったから」と正樹に伝える。続けて木之本は、今回のことは愛菜美もすべて知っていたと告げた。
路加がいるというレストランへ向かった正樹は、路加と楽しそうに食事をする愛菜美の姿を目撃。正樹は、店の中へ入ることができず、呆然とその場から離れた。
路加から、正樹がひどい目に遭うことがわかっていながら止めようとしなかった理由を問われた愛菜美は、「あの人はすべてを失うと私のところへ戻ってくるから」と返す。5年前もそうだったというのだ。そこで愛菜美は、ふいに冴のことに触れた。
そのころ冴は、正樹と約束した場所で、彼が来るのを待ち続けていた。
だが、実はそのSNSのやり取りは、正樹のスマートフォンにロックがかかっていないときに、勝手に自分の顔認証を登録していた愛菜美によるものだった。
慎太郎は、公園で正樹を待ち続けている冴を心配して迎えに行く。「振られもせず、ただ無視されただけだけど、これでスッキリした」と強がってみせる冴。慎太郎は、そんな冴を連れて、シャアハウスへ戻ろうとする。
レストランを出た愛菜美は、路加と分かれて帰ろうとした。すると路加は、愛菜美の手を掴んで抱き寄せ、彼女にキスをする。
5年前、路加に会っていたことを思い出した愛菜美は、「私のこと、最初から利用するつもりだったんでしょ?」と言い残して去っていく。
会社に戻った正樹は、北都(和田正人)から今回の大失態を激しく責められる。その姿を見ていた賢治は、頭を下げたままの正樹に花瓶の水を浴びせ、「俺はお前に何でも与えてきたが、お前は何をしてくれるんだ?」と問いかけた。
会社を出た正樹は、スマホに冴からの着信があることに気づき、彼女に電話する。慎太郎と2人でシェアハウスに戻ろうとしていた冴は、正樹からの電話には出ず、慎太郎が差し出した手を握って一緒に歩きだした。
正樹は、その場に力なく立ちつくし…。