8月17日、映画「ラーゲリより愛を込めて」(12月9日公開)の完成報告会が行われ、二宮和也さん、北川景子さん、松坂桃李さん、中島健人さん、桐谷健太さん、安田顕さん、瀬々敬久監督、平野隆プロデューサーが登壇しました。

第二次世界大戦終了後、60万人を超える日本人がシベリアの強制収容所(ラーゲリ)に、不当に抑留され捕虜となりました。本作ではそんなラーゲリで一筋の希望の光であった、山本幡男(二宮和也)の壮絶な半生が描かれます。

そして、時代に翻弄されながらも愛する夫を信じて待ち続ける、山本の妻・モジミを、北川さんが演じます。

二宮和也、初共演の北川景子と撮影現場で「子どもたちをあやしてた」

本作について、二宮さんは「まずは観ていただいて、というところが本音なんですけども。ここに立たせてもらっているメンバーだけでなく、収容所にいるメンバーもそれぞれ考えを持って、ベストパフォーマンスを出すために気持ちを整えてきたことが分かる作品になっていると思いますので、ご覧いただければなといったところであります」と紹介。

北川さんは「今回初めて共演させていただく方も多く、参加しないという選択肢はありませんでした。昨日完成した映画を拝見しまして、どんな状況でも人は懸命に生きるってことが大切なんだな、人の思いや愛によって生かされるんだなと感じました。まだ余韻に浸っております」と挨拶しました。

本作で初共演となった2人。撮影現場では(子役の)子どもたちとのコミュニケーションが印象深かったそうで、「現場で寝かしつけたり、本番回ってもあやしたり…。面倒を見てました」(二宮)、「楽しかったよね」(北川)と明かしました。

戦禍で友人を亡くしたトラウマから自身を「卑怯者」と思い悩む、松田研三を演じる松坂さんは、「台本を読んで、戦争が終わってもなお、終わらない戦争が11年以上も続いていたことに衝撃を受けました。その時代を生きた人たちの強い思いを、この作品で届けたいという思いでいっぱいです」とコメント。

完成した作品を観て松坂さんは、北川さんのブロックが印象的だったそうで「(夫を)待ってる姿とか、気丈に振舞う姿とか、愛を込めてという部分が本当に伝わってきました。素晴らしかったです」と伝えると、北川さんは「良かった、ありがとうございます」と微笑みました。

中島健人、二宮和也の芝居は「全部いい」

最年少でムードメーカーの新谷健雄役の中島さんは「今回、役者であり先輩でもある心から尊敬している二宮くんの大作の一部に参加させていただき、心から幸せに思っております。この作品を僕たちの世代は、これから未来を引っ張っていく方々に継承していかなければならない、そういうふうに感じております。たくさんの方に思いが伝わるようにお話しさせていただきたいと思います」と意気込みました。

また、「とにかく僕は二宮くんのお芝居、1カット1カットに感銘を受けてました。そこが印象に残ってますね」という中島さん。MCより、二宮さんの特に良かったシーンを聞かれると「すべてなんです。全部いいです」と即答。

後輩からの称賛を受け、二宮さんは「あざす…」と小声で返すと、中島さんは「言葉の教科書、薄くないですか?」と指摘。改めて二宮さんは「ありがたいです、そんなふうに言っていただいて。そこは本当に、恥ずかしいですね。ありがとうございます」と照れ笑いを見せました。

帝国軍人として山本に厳しくあたる、相沢光男を演じる桐谷さんは「撮影は毎日印象的で、ここにスーツ姿で皆さんと登壇していることが奇跡だと思っています。この映画を観て『当たり前の日常は本当に奇跡なんだ』ということに気付いていただけたらうれしいです。本当に感謝しています」、そして、過酷な状況下で心を閉ざしてしまう、山本の同郷の先輩・原幸彦役の安田さんは「先日試写を拝見して、感想を求められたときに、自分としては珍しいのですが、感動に震えて言葉にできないという気持ちになりました」と語りました。

中島健人、寒中での撮影で気合いを見せるも…

MCより、印象に残ったことを聞かれた二宮さんは、「ロシア語を喋れるキャラクターでもあったので、準備をしていく段階で反芻していたことが印象的です。カタカナに起こしてひたすら読みこみました。みんなはロシア語を喋らないので、分かんないですよね」と回答。

桐谷さんは「(ロシア語が分からないので)『これがロシア語なんだ!』って思いましたね」と笑いました。

ロシア語の勉強が大変だったという二宮さんは「先生に細かく教えていただきました。ロシア語のシーンが終わるたびに、ひとつ安心して気が楽になってました」と振り返りました。

本作で、中島さんは「人生で初めて丸刈りにして、初めてふんどしを履いた」ことが衝撃的だったと明かし、「かなり寒い中での撮影だったんですけど、瀬々組が初めてで(現場に)瀬々監督も二宮大先輩もいたんで、『負けられないな』と思って、待ち時間もロケジャン(アウター)着るのをやめたんですよ。ずっと裸で『俺は強いんだ』アピールをしてたら、監督に『すぐ着ろ!』って怒られて…」と回顧。

そこでは、二宮さんもロケジャンを着ていなかったそうで、「二宮くんに『ロケジャン着てください』って僕が言ったら、『後輩がこんなに寒がってるのに、俺は絶対ロケジャンを着ることはない』って、裏でもめちゃくちゃ映画スターで、カッコいいんですよ」とエピソードを披露。

すると、二宮さんは「素っ裸の人に『服着てください』と言われて、着れますか?着れないですよ、僕」と返し、大きな笑いがおきました。

さらに中島さんは「二宮先輩は丸刈りの先駆者なので、僕がその後継者として二宮くんの映画で(丸刈りに)できたことは、本当に光栄でした」と感謝しました。

安田顕のエピソードに「セクシーサンキュー」

過酷な撮影期間で「ほっこりしたエピソード」を聞かれると、二宮さんは「1日だけ休みがあり、東京に帰ったら、東京はすごいところでした。夜まで明るいし暖かいし、現場に戻って『東京はすごいぞ』と伝えました。現場には山と雪と収容所くらいしかなかったので、東京にはディズニーランドの袋を持った女の子が歩いてて、逆に作品に没頭できてたんだなと感じました」と紹介。

松坂さんが「ラーゲリ外でのメンバーの何気ない会話が楽しかったです。毎回、1日ごとに話題になる人が変わってて面白くて」と明かすと、中島さんも「車の中のトークが楽しかったです」と切り出し、「桃李さんとはカードゲームの話をしましたし、きりけん(桐谷)さんは『今度、肉行こうな!』、安田さんは役に入っていたので話せませんでした」と明かしました。

そんな安田さんは、撮影期間中に誕生日を迎えたことに触れ、「誕生日の数日後に、松坂さん、中島さん、桐谷さんがケーキをくれて、ハッピーバースデーを歌ってくれて。さらに中島さんは、クリスマスの日に1人ひとりにプレゼントをくれて、『めちゃくちゃセクシーだな』と思いました」と感謝。

中島さんは「少し花を添えただけです。僕は後輩なので、二宮くんの背中を見て『こういうことをやるべきだな』と思って。少しでもクリスマスが楽しくなればいいなって」と語ると、エピソードを話してくれた安田さんに「セクシーサンキュー」を送りました。

作品概要

映画「ラーゲリより愛を込めて」は、12月9日(金)全国公開。

配給:東宝
©️2022「ラーゲリより愛を込めて」製作委員会 ©️1989 清水香子